むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧手帳を販売します

    4月に入って結構耳にするのが「転職して新しい保険証が届いていないので、受診できませんでした。しばらく薬がきれていて、血圧もすごく上がって頭痛もしていたのですが、やっと保険証がどどいたので来ました」みたいな会話です。こういう切り替えの際にマイナ保険証があれば空白期間がなくなるんじゃないかと思っていましたが、案外そうでもないようです。私もこのあたりのことは詳しく知らないので、間違っているかもしれませんが、マイナ保険証でも転職の際に加入保険の切り替えが反映されるのには時間がかかるみたいです。デジタルにしたのにどういう意味?って感じです。しかも、退職した際に前の職場から離職届とか被保険者資格喪失届など書類のやり取りをしないといけないみたいです。保険証を廃止すると言っているのだから、こういう離職届とか資格喪失の手続きも全部オンラインで完結できるようにしないと意味がないと思います。印刷物のやり取りには封筒に入れて、切手を貼って、郵送して、それを処理するといういくつものステップがあり当然何日もかかってしまいます。

    それより何より、保険証が届かないので薬を飲まずに血圧や糖尿がとんでもなく悪化した、みたいなことをなくすように対策してほしいものです。せっかく導入したマイナ保険証の情報をリアルタイムに反映できるようにしてもらえば、みんなメリットを感じてマイナ保険証の利用が進むことでしょう。今、進められているのは、マイナ保険証に紐づけて、あちこちの医療機関で薬をもらっている処方内容をどこからでも照会できること、特定健診を受けた検査結果を照会できることなどができるようになります。その先は、電子カルテ情報の共有システムを作り、すべての医療機関での診察内容を共通のサーバから見ることができるようにしたいみたいです。はたしてそんな絵空事が現実化するのかわかりませんが、構想はそうなっているみたいです。

    今日は、血圧手帳のことをかいておかないといけません。これまで、患者さんに無料でお渡ししていました。これは製薬会社のご厚意で無料で提供してもらっていたものでした。しかし去年から各メーカーの都合もあり、もらえなくなりました。最後にたくさんもらっていたのでしばらくありましたがいよいよ在庫が切れてしまいました。これからは市販の血圧手帳を1冊50円で販売いたします。ほぼ原価ですので、ご容赦ください。コンビニや100均に売ってあるノートを血圧手帳にするのもいいと思います。また、携帯で使える血圧手帳アプリもありますので、そういうものを検討いただくのもいいと思います。

  • 地震に備えましょう

    熊本地震からちょうど8年たった昨日はそろそろ寝ようと思った途端に携帯から激しく「地震です!」とアラームが鳴ってびっくりしましたね。うちではiPhone2つとiPad、アンドロイドPadなど全部で5つの端末が一斉になったので無茶苦茶びっくりしました。何事だろうと思いました。大きな揺れがきます、と言っていたと思いますが全然揺れませんでした。キッチンにぶら下げているフライパンがゆらゆらと揺れているだけでした。携帯の緊急速報は本当に困ったものです。もっと静かに鳴ってほしい。とりあえずNHKをつけてみたら、アナウンサーはかなり静かなトーンで地震の被害状況や今後の対策について話していました。昔なら、甲高い声で何度も「命を守る行動を」と繰り返していましたが、騒ぐのをやめたのでしょう。いい傾向です。冷静に話さないと頭に入ってきません。

    私は以前急性期病院で循環器と救急の担当でした。夜間当直をすると20台から多いときだと40台ぐらい救急車が入ります。それぞれ、交通事故だったり心筋梗塞だったり脳卒中だったり大量服薬だったりで緊急事態なのですが、私たち救急担当医は決して慌てず冷静に静かに指示を出します。点滴、採血、レントゲン、次々と指示を出すのですがドラマや映画のように怒鳴ったりはしません。それでもたまに大声で怒鳴るドクターがいるのですが、ついてくれるナースがびっくりして結局仕事がはかどらなくなるので、静かに冷静に指示するに限ります。怒鳴るのは未熟な証拠、そして自分に余裕がない証拠です。

    最近は、怒鳴らなくても、こうしたほうがいいんじゃないかとアドバイスしただけで下の人はパワハラを受けたと言って欠勤したり退職したりします。部下と人間関係を良くしようと思って飲みに誘うと、飲み会参加は業務命令ですか、という話になる。難しい世の中になりました。当院にはそう言ってパワハラされたから欠勤するための診断書がほしいという人も来るし、かわいがって育てた部下からパワハラだと言われて心が折れたという上司の人も来院されます。みんな病んでますねーーー。

  • 何もせず見守る医療というのもあり

    最近は医療施設と介護施設の連携を強化するように国が勧めています。入院患者を減らし、できるだけ在宅や高齢者施設で過ごしてもらいたいのが国の本音で、そのためにはいろいろ持病がある高齢者をなにかあるたびに病院に入院させないで在宅で見てもらえる体制を日頃から作っておくようにということです。在宅と入院で国の財政にかかる負担がどのくらい違うかというと、入院すれば必ずCTやMRIその他全身くまなく検査します。高齢者を検査すれば、今まで見過ごされていた小さなガンなどが見つかることは多々あります。結局放っておいてもたいした問題でなくても、見つけてしまったら、放置するのも心配なので手術したり、いろんな治療をします。その後、限度額いっぱいリハビリしてから施設に返すので、かかる医療費は相当な額になります。一方、在宅医療ではそのような濃厚医療はできないので、お金はあまりかかりません。

    わたしが見て感じるのは、高齢になって無駄な検査をたくさんして、病気を見つけるのは本人にとって全然幸せではないのではないかということです。とりあえず、見つかった病気は「早く見つかってよかったですね」ということになりますが、果たしてそれが本当に良かったのかは疑問なところが大きいです。

    最近、当院近くにグループホームがオープンして、当院に連携施設になってほしいと頼まれたのでお引き受けしました。先日入居された一人が、これまで病院にかかったり、診察してもらうたびに薬が増えて、その結果どんどん体調が悪くなるので、何もしないでほしい、というご希望でした。ほとんどのドクターは標準治療(ガイドライン通り)をしたがり、それを外れることをとても嫌います。しかし、高齢者医療のことを真剣に考えると、何もせず見守るのが一番幸せにつながるというのは一理あると思い、その方もわたしが担当することにしました。診察をしても薬を出さず見守るというのは、医者にとってはストレスですが、患者さん(やその家族)の希望であれば、できるだけ希望に添えるようにしたいと思ったわけです。

  • 経営の勉強会

    今回の診療報酬改定で内科系の開業医は大打撃です。早急の対応がないと、巨額の赤字が見込まれます。国は職員のベースアップを言ってきていますが、これほどまでの減収を飲ませておいて、ベースアップするにはよほど体力のあるクリニックしか対応できません。今日はそういう状況の中で生き残りをかけた対策勉強会がありました。同級生を中心に内科で開業している友人たちと、医師会の保険担当の理事とのざっくばらんな意見交換会です。

    今回改定される項目は多岐にわたり、そのなかでも大きな影響のあるいくつかに対してそれぞれのクリニックが現在取り組んでいることや、今後どういう方向で対応していくかという意見を聞くことができました。とにかく大量の書類作成その他の雑用をこなしてもこれまでより減収です。何も対策を取らなかったらおそらくクリニックの存続は難しいです。私も、業務縮小して訪問診療をほそぼそとして食いつなぐ方法なども検討しましたが、そんなことをするために開業したのではない。開業当時の志を新たにして、やれることは全部やって現状維持したいと思いました。

    コロナ後遺症にしろ、五月病にしろ難しい症例は病院の経営にとっては全くプラスではなく、シンプルな高血圧や高コレステロール患者さんのほうが嬉しいわけですが、私の持てる漢方の得意技をいかすにはとにかくどこの病院でもうまく治らなかった、みたいな難治症例にチャレンジすることが仕事のやりがいです。診察に時間がかかっても、私はそういう人達を救うためにクリニックを経営しているのだと思ってがんばっています。私は経営者でもあるので、クリニックの今後の進む方向を決めてスタッフに示さないといけません。1−2週間前にだいたい心は決めていたので、今日、みんなと意見交換してその方向で間違いないと確信しました。

  • 秘蔵の漢方処方を少しだけ解禁します

    毎年4月の前半は患者さんが少なめなのですが、今日から後半に入り、だんだん通常モードに戻ってきました。あと2週間もするとゴールデンウィークに入ります。時間が過ぎるのは早いですね。新しい職場などで緊張続きで疲れが出てきている人も多いかと思いますが、もう一息で休みです。食事と睡眠をおろそかにせず体調管理をしっかりして乗り切りましょう。

    4月なのでNHK語学が新年度入りです。最初は初級者レベルから始まり、1年後には結構ハイレベルまで進んでいくので、今の時期基礎をしっかり固めておかないと後でついていけなくなります。ハングル講座の最初はハングル文字の読み書きかと思いきや、今年の講座はあまりそのあたりに力を入れていません。最近気づいたのは、ハングルを日本語と同じ50音順に並べて書くことはできるし、そうすることで速く覚えられるかもしれません。しかし、ハングルの母音はあいうえおではなく「あやおようゆ」の順番で、しかも日本語では区別が難しい同じような母音が複数あります。これを無視して50音順に並べて覚えるのはやはり邪道のような気がします。ハングルの基本通り「あやおようゆ」と並べてハングル文字を見ると、その規則性にすごい!よく考えたな!と感心してしまいます。

    年末のコロナの増加で葛根湯その他の漢方薬が入手できない状況が続いていました。最近コロナもインフルエンザもずいぶん少なくなり、少しは余裕が出てきたのではないかと思います。当院でもかなり辛抱に辛抱を重ねて出したい処方を出せずに苦肉の処方を出してきましたが、そろそろ秘蔵の在庫を放出してもまた入ってくるかもと思い、今日から少しですが大事な漢方を使い始めました。咳止めとたんを切る薬はあいかわらず入荷したと言う情報を聞きませんので、辛抱しています。