むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • やっぱり増加・コロナ後遺症

    お盆休みも開けて忙しい週の始まりでした。やはりコロナ後遺症の新患が多く、いろんな体調不良で困っているようです。これと言って特効薬があるわけではありませんが、漢方を使うと謎の病態でも陰陽虚実あるいは気血水のバランスなどを考えて行くと自然と処方が決まってきます。私のように漢方専門で25年以上やっていると、コロナ後遺症もさして難しい病態ではありません。多くの人が共通した弁証(漢方的な見立て)となります。とはいえ、みんなに同じ処方をするわけではなく、むしろ全員違う処方になっています。オーダーメイド治療というわけです。西洋医学では、Aという病態(例えばコロナ後遺症)に対してXという処方が効くかを大規模臨床研究で統計的な差を出すことで有効性を示すのですが、漢方はAという病態に対しても個人個人で処方がXだったりYだったり、患者さんの数だけ違う処方をするので、西洋医学的手法で有効性を示すことは難しいのです。

    漢方が効いているかどうかは飲んで調子良くなったところで、一旦やめてみて悪化するかどうか、そしてもう一度飲んでみてまた症状が良くなるか、という流れで確かめることができます。これだと、一人ひとり違った処方でも、効いたのかどうかははっきりします。ただ、漢方はAという病態にXという処方みたいな短絡的な結論を導けないのが難しいところでもあり、面白いところでもあります。

    折しも、医薬品の欠品が相次ぎ、漢方も解熱鎮痛剤も入手困難な状態ですから、患者さんにベストな処方を出すことができない日々が続いています。仕方なく代替処方をしているのが現実です。料理に例えれば、カレーを処方したいのに欠品しているので、カツカレーあるいはカレーうどん、ちょっと違うけどビーフシチューで許して、という処方になっています。早く物流が回復することを祈っています。

    クレアのカレーやさん 2種のカレーライス