むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経の調整法

    ドキドキする、脈が速い、口が渇く、食欲がない、眠れないなどは交感神経が緊張した状態です。ストレスが溜まったときによくみられます。心電図をとっても異常ないし、口が渇くをネットで調べたら糖尿病とかシェーグレン症候群の疑いと出てくるので専門の病院に行って調べても何も異常ない。結局この体調不良は何だ、ということになりますが、自律神経の問題です。検査して異常ないと通常の内科ではそれで終了ですが、心療内科ではそこが始まりです。ストレスから来た身体症状は通常の内科は苦手です。たとえ大学病院のようなところに行っても専門外なのであまりうまく治療してもらえないと思います。

    自律神経には交感神経と副交感神経があります。副交感神経が働くと、脈が遅くなり、唾液などの分泌が盛んになり消化器が動くのでお腹が空きます。気持ちはリラックスして睡眠も良好です。こう聞くと副交感神経がいい自律神経みたいな感じがしますが、そうではありません。交感神経、副交感神経はバランスが大切で、どちらかが緊張しすぎるのは良くないのです。時々、排便後に意識を失って救急車で運ばれる人がいますが、病院についた頃には意識も戻って検査しても何も異常なし、結局「迷走神経反射」でしょうと言われることがあります。これは、副交感神経が緊張しすぎて血圧が下がったり、脈が極端に遅くなり一時的に意識が飛んでしまう病態です。

    私はサウナが好きで暑いサウナで汗をかいたあとは冷水風呂に入ります。これは、温度の高い低いはありますが、サウナも冷水もともに交感神経の緊張状態です。水風呂に入ることで交感神経の緊張はマックスになります。するとその後、揺り戻しのように副交感神経優位の状態となり、緊張がほぐれ、血圧も下がり、リラックスモードに入ります。こう考えるとサウナは自律神経の調整に役に立つ薬のようなものです。

    私の診察中は1分1分が勝負と思って頭をフル回転しながら働いているため、ずっと交感神経にスイッチが入りっぱなしです。特に土曜日は忙しくて息ぬく暇もありません。そこで土日はジムで走って温泉に入るのが私の自律神経を調整し、また元気に次の週に働く活力となっているのです。