むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 頭とからだをしっかり使いましょう

    報道を見るとやっぱりお盆休み明けでコロナの患者数は相当増えています。当院は発熱外来がないので、全く通常通りですが、発熱外来をやっている病院は渋滞ができるほどの混雑だろうと思います。私が契約しているいくつかの老人ホームでも患者さんは発生しましたが、比較的落ち着いています。介護士さんたちの必死の対策が功を奏しているのでしょう。しかし、問題は濃厚接触者扱いとなった人たちを何日も部屋に拘束することです。たいていはたまたま感染者とデイケアで一緒に過ごしただけで発熱もなく、結果的には取り越し苦労だったりするのですが、老人ホームにとっては一人の発生を許すと一気に広がってしまうので、徹底して隔離しています。

    その結果、この前まで歩けていた方が全く歩けなくなったり、認知症が進んで別人みたいになったり、運動不足で足がパンパンにむくんだりと、いくつもの弊害というべき症状を眼にしています。施設全体の感染対策をしないわけにもいかず、結果的に個人個人の健康は著しく損なわれています。同じことは、老人ホームだけでなく各家庭でもあると思います。今まで散歩やラジオ体操などに参加していたのをやめたとか、外出するのが怖いから一日へやでTVを見て過ごすという人はザラにいます。運動機能も認知機能も一気に低下して、今までの何倍もの速度で老化しているのが見受けられます。

    ある患者さん(70歳ぐらいの男性)がおっしゃっていたのですが、自分たちの年令になると1年1年はとても貴重で、元気なうちに旅行などしておきたいことがいろいろあるのにこの3年まるまる無駄に過ごしてしまった。悔しくて仕方ない、と。本当にそうだと思います。せめて、筋力と認知機能を落とさないようしっかり体と頭を働かせて、老化防止するしかありません。そして、チャンスと思ったらあれこれ躊躇せず動けるうちにしたいことをしてほしいと思います。