むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 12月、大掃除の季節

    12月に入った途端、道路は渋滞しています。みんなどこに行くのでしょう?往診にでるときも、いつも以上に時間がかかります。そういう私も、土曜の診療が終わってからその足で鶴屋までお歳暮を買いに行ってきました。行ってみたら、デパートはこの時期にしては閑散としており、買い物は待ち時間なくさっと済ますことができました。いつも土曜にランチを食べるのが下通りの韓国料理ハヌルなのですが、今日は閉まっていました。仕方ないので、一旦帰宅して、健軍のマクドナルドの向かいにあるソナムに行きました。ここはこぢんまりしたコリアンレストランです。ホルモンの炒めもの、テンジャン(味噌)チゲ、やかんマッコリを頂きました。ここも美味しいです。そして、チゲは最近私が自宅で作る味もいい線いっていることがあらためてわかりました。

    12月といえば、大掃除ですね。私は掃除が好きです。毎日朝は歩道や駐車場の落ち葉の清掃、診療が終わったら待合ロビーのモップがけをします。最近気になっているのが、スタッフの使う流し(シンク)に石鹸のシミがこびりついていること。石鹸はアルカリ性なので、酸性のクエン酸を振りまいてスポンジでこすったところ、きれいに取れました。

    医療機器はどれもびっくりするような値段です。そういった機械を長持ちさせる方法は唯一つ、日頃からの清掃です。血液などが付着していると固まって詰まってしまいます。きれいに拭いて、リンスできるところはリンスする。心電計など電気的な検査機器は電極にホコリが溜まったりするとエラーが出ます。日頃からこういった清掃をきちんとすることで検査データの信頼性も上がり、機械も長持ちします。日々清掃の習慣が大切なのですが、それを怠ったなら反省の意味を込めて年内にきれいにしましょう。

    一見、チーズフォンデュですが、実はドラゴンキッチン(クリニックから車で2分)のチリフォンデュです。えびちりソースに具材を絡めていただきました。美味し〜!

  • 美味しいそばの実スープ

    今週は医学部の実習で学生さんが診察室に同席していました。気になった方はすいませんでした。将来立派なドクターになる卵ですので、暖かく見守っていただけたら幸いです。昼に学生さんと往診にでかけた際に、私の車が汚れていたので「たいぎゃ汚れとる」と熊本弁でいったところ、学生さんは関東出身だったみたいで、「タイヤが汚れてますか」と聞いてきました。ちょっと高度な熊本弁でした。方言で思い出しましたが、以前大学からの依頼で宮崎の都城の病院まで仕事に行ったことがあります。夜の救急外来を手伝ったのですが、患者さんが言っていることが全然わからない!これには困りました。看護婦さんに通訳してもらうと、胸が締め付けられるように痛かった、と言っているではないですか。それを聞いて慌てました。

    ところで、今日「熊日すぱいす」というフリーペーパーが入っていましたが、1面が鉄鍋のすすめでした。私も以前から鉄鍋を推奨しています。昔の鉄鍋のように食材がくっついてしまうのではなく、くっつきにくく加工してあるものがあります。鉄鍋は温度が高くなるため美味しくできます。さらに、料理に鉄分が溶け込むことで、貧血予防や疲労予防効果があります。鉄はミトコンドリア内の電子伝達系で働いてATPという体内のエネルギー産生に不可欠です。日頃から意識して取らないといけません。テフロンやアルミ鍋は有害です。ホーローは鉄分は取れませんが有害物質が全く含まれず、美味しい料理ができます。

    最近、私は弁当の代わりにフードジャーにそばの実のスープを持って仕事に来ます。そばの実はスーパーモデルさんたちが太らない食材としてよく食べているという話題です。レジスタントスターチという成分が肥満防止にいいようです。このそばの実と熱々の出汁をフードジャーに入れてほおって置くだけで、美味しいそばの実スープ(お粥みたい)が出来上がります。

  • 痛風と高尿酸血症

    当院は痛風の患者さんがたくさん来院されます。通常、痛風になると1週間ほど足が痛くて歩けないことが多いですが、当院でこれまでたくさんの症例経験を通して鎮痛に効果のある薬の組み合わせを使うと2−3日でかなり痛みが軽減して歩けるようになります。痛風は尿酸が高いと関節(特に足の親指の付け根)が腫れて痛む病気です。尿酸は健診で測るので皆さん高めかどうかはわかると思います。不思議と、痛風発作を起こすのはほとんどが男性です。女性でも尿酸値が9を超えるようだと、痛風発作を起こすことがあるので、油断できませんが、圧倒的に男性が多い疾患です。不思議なことに、足が腫れて痛んでいる発作時には尿酸値が通常より下がっている事があります。尿酸がさほど高くないからと言って、痛風ではないとは言えません。

    血液中の尿酸は測定できますが、痛風を起こすのは関節など組織内に沈着した尿酸です。そちらは測定できないので、現在の尿酸値だけでなく、過去にさかのぼってそれがどうだったかで痛風発作が起こるかどうかが決まってくるものと思われます。尿酸はビールなどに含まれるプリン体が材料となり体内で合成されます。ちまたにはプリン体ゼロのビールが売られていますが、実はプリン体ゼロを飲んでも尿酸は上がります。アルコールそのものが尿酸をあげるからです。したがって、ビール以外でもどのお酒を飲んでも尿酸は上がります。また、正月に注意しないといけないのは数の子やからすみなどの魚卵系珍味です。

    尿酸を下げる治療には尿酸合成(キサンチンオキシダーゼ)阻害剤を用いることが多いのですが、日本人の多くは合成の問題より排泄(尿酸が尿中に排泄されるスピード)の問題のことが多いと言われています。尿酸排泄促進剤という治療薬があり、そちらが非常に有効な例がたくさんあります。たまに薬が効きにくい人がいて、どちらの薬も思ったほど効かないことがあり、当院では合成阻害剤と排泄促進剤の併用を行っています。すると、両方とも低用量でかなり効果が出るため、コスト的にも安く治療できることがわかってきました。

  • 高血圧について

    このところ毎日「のだめカンタービレ」の韓国版をみています。日本のオリジナルとはかなり異なる展開でした。日本版はオーケストラの音作りの細部にわたるこだわりが面白かったですが、韓国版は人間関係が主でした。ぜんぜん違うストーリーですが、こちらも楽しめました。ついに最終回まで見終わりました。

    ところで、最近は寒くなったせいか、血圧が上がって来院される方が多いです。血圧が上がる原因はいくつもあります。塩分のとりすぎは一番身近ですが、ホルモンの異常で上がる場合があります。それを2次性高血圧と呼びます。当院では、初めて高血圧で来院された場合、念の為2次性高血圧をチェックしています。採血で、アルドステロンやレニンなどのホルモンを調べます。実際にはホルモン異常で高血圧になる人はそれほど多くはありません。

    もう一つ、高血圧の際に当院で調べるのが血管脈波(いわゆる血管年齢)の検査です。血管が動脈硬化で固くなっていると数値が上がります。血管が柔らかいと、心臓から拍出された血液は血管が膨れて圧を吸収するのですが、血管が硬いと膨れないために圧力がもろに末梢まで伝わるのです。もし血管年齢が高いと言われた場合、ストレッチや体操などの運動をおすすめします。血管をストレッチで引っ張る運動をすると柔らかくなります。固くなったゴムホースはもとに戻りませんが、人の血管は鍛えれば柔らかくなります。諦めずに頑張りましょう。

  • 私の医院経営の師匠

    先日、私の研究の師匠はあらき循環器内科の荒木先生と、当時第2薬理の教授だった西先生だとかきました。一方、開業するにあたって、クリニック経営の師匠は大津にある宮本内科の宮本先生です。宮本内科はとても患者さんが多く、忙しい外来でした。さらに透析の施設があり、透析患者さんの治療も担当させていただきました。学ぶところが多く、私の恩人です。宮本内科には大学院生で独身時代(H5ごろ)から行き始めて、留学から帰って(H16ごろから)また数年行きましたのであしかけ15年程お世話になりました。留学の途中でビザの更新のために一時帰国したのですが、その際1ヶ月ちょっとですが、常勤にしていただき、その後の留学資金を稼がせていただきました。そういう意味でも恩人です。また、当院を開業するときには宮本内科の事務長さんにいろいろ教えてもらいました。また、宮本内科の前にあるアップル薬局さんには私の好きなだけ漢方を採用していただき、漢方診療を実践させていただいたおかげで、今の私があります。この薬局長さんは勉強熱心で、その後大学の臨床教授になっておられます。

    宮本内科は患者さんが非常に多かったので、常に副院長と2−3人での診療体制でしたが、副院長になった人たちは次々と独立開業していきました。それほどこのクリニックで学ぶ医院経営のノウハウは素晴らしいものがありました。宮本先生は、宮本内科を開設される前は大津の熊本セントラルの院長だったのですが、当時セントラルはダイエー(スーパー)の経営で、ダイエーが病院経営に乗り出す足がかりに実験的に始めた病院でした。その院長だったので、経営に関しては非常に経験豊富な方だったのです。

    今日、この話題を書いたのは、理由があります。実は、宮本内科で医療事務をしていた人が、本日から当院に来てくれることになりました。10年以上前からの知人です。宮本先生に負けないように毎日全力で働いているつところを見てほしいと思います。

    ふくろうの森(老人ホーム)にて