むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医用麻薬と緩和ケア

    年末、道が混みますね。どっちへ行っても渋滞の列です。今日から学校は冬休みに入ったようなので朝夕の自転車の列が緩和されるので多少いいかもしれません。そういう私も、麻薬免許証の更新のため昼休みに医師会まで行ってきました。みんな年末にしないといけないことが集中するから渋滞するんですね。麻薬免許更新なんて、12月でなく3月にしてくれればいいのに、と思います。麻薬免許というのは、私たちががん患者さんの痛みの緩和目的でモルヒネなどを処方するときに必要です。そして、その処方箋をもとに薬を患者さんに手渡してくれる薬剤師さんも麻薬の免許が必要です。在庫管理は非常に厳重です。

    医療用麻薬というのは不思議と暴力団の資金源になっているような品物とは違って、使っても痛みが取れるだけで、変な快感とか幻覚とか蟻地獄のような一度使ったらやめられない、みたいなものはないようです。私は、めったに麻薬を処方しないので、あまり詳しいことはわかりません。クリニックを開業するとき、たぶん麻薬は使わないと思っていましたが、訪問診療では緩和ケア(ガン末期の患者さんの痛みの治療など)で麻薬が必要なこともあるだろうと思って、一応免許を取得ました。結果、一度も使うことなく更新の年を迎えたわけです。

    私は、開業する前に桜十字病院の緩和ケア病棟をしばらく担当していました。通常緩和ケア病棟はがん治療を専門とするスタッフと痛みと取るのが得意な麻酔科のスタッフが担当します。そこに私が入ったのは、漢方や針でどこまで緩和ケアができるかやってみたかったからです。もちろん、モルヒネも使いますが、痛いという患者さんや吐き気で薬が飲めない患者さんに毎日鍼治療をしてあげました。もう、治療はあきらめて緩和ケアにはいりましょうと言われてがっかりしているところに、毎日鍼治療をするのは、患者さんの生きる希望にも繋がり、痛みも軽くなることから麻薬を減らすことができたと思います。