むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方豆知識

    当院に漢方薬をもとめて来院される方が多いですが、処方のほとんどはエキス剤です。エキス剤というのは工場で煎じた漢方薬をフリーズドライにして粉薬みたいになっているものです。要は、インスタントコーヒーと同じで、お湯に戻せば元通り漢方薬になるわけです。そこで、漢方にうるさい専門医の先生はインスタントコーヒーを粉のまま飲まないのとおなじで漢方エキスも一旦お湯に溶いて飲みなさいと指導されます。しかし、私はあまりそのへんはうるさく言いません。味が苦手な人もいるからです。エキス剤を水で飲むのと一旦お湯に溶かして飲むのとで効能に差があるかと言われれば、私は9割方同じだと思っています。少し劣るかもしれないと思うのは、香りを鼻からかぐことでアロマセラピー効果があるので、粉のまま飲めばその分差引かれるわけです。

    漢方メーカーは皆さん知らないと思いますが、たくさんあります。ツムラは最大手なので、ご存知と思いますが、エキス製剤を一番最初に開発したのは小太郎です。また、クラシエ(昔のカネボウ薬品)も有名です。また、品質の良いオースギ、三和生薬などもあり、当院ではそれぞれの得意な分野を採用して使っています。

    更に、メーカーによって錠剤、カプセルなどの製剤もあるため、子供さんや漢方の粉が苦手で飲めないという場合、粉以外の製剤を使います。漢方カプセルは中身が軽いため水に浮きます。通常の薬を飲むように水をくわえて上を向くとカプセルは口の中で上の方へ浮いてくるため飲みにくいです。水をくわえたらあごを引いてやや下向きにするとカプセルは喉の奥へ行くのですっと飲めます。口内炎に処方する黄連解毒湯はカプセルを採用していますが、カプセルから中身を出して口内炎に振りかけると痛みが軽くなります。喉の炎症を取る桔梗湯は一度うがいに使って、そのまま飲み込みます。うがいで直接喉に効いて、飲み込んだら吸収されて更に効くというわけです。当院前の凌雲堂薬局の先生たちは漢方に詳しいので、いろんな使い方について説明してくれると思います。