むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 訪問診療にできること

    朝NHKを見ていたら訪問診療の話をしていました。コロナ禍で病院や老人ホームは面会謝絶となっているところがほとんどです。そんな中、いよいよ最期を迎える際に家族が面会できないと、とても心残りとなります。そこで、在宅医療という選択があるという話題でした。取材されたご家族はガン末期で、病院に入院して家族と面会もできない状態を憂い、がん治療に見切りをつけて在宅医療に切り替えたという話でした。やっぱり家はいいね、と言っていたそうです。誰もがそれを望むと思います。

    訪問診療では、このような末期状態での看取りをすることができます。当院でもこの半年だけでも数名の看取りをしてきました。皆さん、住み慣れた家庭で家族に囲まれて穏やかな最期を迎えられます。病院で見る最期とはかなり違ったものです。在宅でも、点滴や酸素療法はできますので、ある程度病院にいるときと同じような治療を継続できます。できないのは、レントゲンやCTなどの検査、人工呼吸などです。しかし、末期状態でそういう検査や高度医療はあまり必要としないことがほとんどです。

    では、訪問診療で理想の最期を迎えるにはどのような点に気をつけたらいいかを教えしましょう。まず一番が、覚悟を決めることです。急変したからといって救急車を呼んだりしたら元の木阿弥です。家で過ごせることの幸せを十分感じなければうまくいきません。また、医者だけでなく、看護師さん、介護士さん、理学療法士さんなどいろんな職種の人達が家庭に入りサポートするため、ご家庭に人の出入りが多くなります。それを嫌がっては在宅医療がスムーズにいきません。大事なのは信頼できる事業所と契約を結んで、あとは訪問医療チームと家族みんなで一丸となって患者さんを支える気持ちが必要なのです。もちろん当院では訪問診療、訪問看護、往診などのご相談にのっています。