むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 風邪は薬では治らない

    日曜は小雨が降ったりやんだりしましたが、近所の中学校では運動会が無事開催されたようです。朝6時頃は結構降っていたのに開催を決定したのは勇気がいりますね。大人のマラソン大会だと雨で中止ということはまずありませんが、小中学生が相手だと、さすがに濡れてでもやろうとは言えません。

    雨に濡れるとなぜ風邪をひくのでしょうか?風邪はウイルス感染なのでどこからかウイルスが入ってこない限り感染しません。ウイルスは雨の中にいるわけではありませんが、きっとどこにでもいるのでしょう。風邪はウイルスの侵入と体力(免疫力)の駆け引きです。体力が劣ると風邪を引きます。ということは、雨に濡れると体力(免疫力)が落ちるということだと思います。そう考えると、濡れると体温が下がることが問題となります。体温は高いほうがウイルスに対して抵抗力が上がります。通常風邪をひくと熱が出るのは、防衛反応の結果です。解熱剤で熱を下げてしまうと免疫力が下がって風邪が長引くことが知られています。

    昔は氷枕や濡れタオルを額に乗せる程度でひたすら寝て治す事が多かったのですが、今ではすぐかぜ薬を飲みます。風邪薬には解熱剤が入っているため一旦熱が下がって気持ちよくなるのですが治ったわけではありません。早めに風邪薬を飲めば治るというのはうそです。薬屋さんの宣伝文句であって、医学的にはそんなことは絶対にありません。しかし、風邪で病院にかかる人の多くは明日どうしても休めないのでなんとかしてくれといいます。多少薬でなんとかすることはできますが、結果的に風邪は長引きます。世の中そんなに甘くはありません。