むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬に頼りたくないという人へ

    昨日のブログで、途上国の援助には食料を送るのではなく農業や漁業を指導することこそ本当の支援だとかきました。よく考えると、診察のときも同じことがあります。ストレスで眠れないとかご飯が入らないとか下痢するとかいろいろな症状で来院されますが、本物の治療はストレスに対応できるだけの体と精神力をつけることでしょう。いろいろアドバイスして生活を変え、食事を変え、考え方を変えて対応できればいいのですが、今日、今晩をどう過ごしたらいいかと言われると、なにか即効性のある援助が必要となります。

    それは、鎮痛剤だったり睡眠導入剤だったり抗うつ剤だったりします。とにかく今きついのをなんとかしてあげないといけません。生活改善で体が良くなるには何ヶ月もかかります。途上国の援助の例えで言うなら、今まさに餓死しそうな人に畑の耕し方を教えても命は永らえません。今日食べるものが必要です。

    ときどき、安定剤や抗うつ剤は抵抗があるから飲みたくない、何かアドバイスがほしいと言われます。餓死しそうな人に食料を与えず、農業のアドバイスをするようなものです。収穫まで何ヶ月もかかりますが、耐えられますか。本当にきついときはいったん薬(食糧援助)に頼っていいのです。体調を良くしてからじっくり体や精神を作れば(農漁業にとりくめば)いいのです。