むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 連休中の営業日

    今年の5月の連休は10連休です。ほとんどの医療機関は休みとなりますので、途中で薬が切れたりしないよう早めの受診をおすすめします。連休直前や開けてすぐは大変混雑することが予想されます。十分ご注意ください。当院は最初の4/27(土)は通常通り午前中の診療、最終日の5/6(月)が休日当番医で9時から17時までの診療となります。それ以外は凌雲堂薬局も含めてお休みとなります。ご了承ください。(ホームページのおしらせにもあげました)

    日本は休日が飛び抜けて多い国です。世界中でもこれほど国民の休日(祝日)が多いところはありません。しかし、通常休みが取りにくいため、祝日にはどこも大混雑するし、旅費は割高となります。外国は休日・祝日はそれほどなくても各自夏休みやクリスマスのバケーションを取りますから、実質休んでいるのは日本人より多いと思います。また、各自分散して休みを取るため、渋滞や観光地の混雑などを避けることができます。個人主義ならではだし、国民が自立していると思います。一方日本人は横並びでないと不安になります。友人やお隣さんが休んでいるときは自分も休みたい。混雑を覚悟でディズニーランドに行きたい、みたいな感じです。渋滞にはまってしまうと折角の休日がとてももったいないです。

    私は並ぶのがとても苦手です。福岡や東京に行くとレストランには入り口にズラッと並んでいる人を見かけます。私は、どんなに美味しい店でも並ぶのは嫌です。空いている店にしか行きません。たとえ味が2流でも構いません。ただ、病院だけは別だと思います。命にかかわることなのでどこの誰にもてもらってもいいというわけにはいきません。それは、待つしかありません。私も、患者さんにお待ちいただくのはとても気がかりなのですが、一人ひとりきちんと見ないといけませんので、多少おまたせするのはご了承ください。お互い様の精神でよろしくおねがいします。

  • 花粉症にワセリンがいいそうです

    今週のためしてガッテンは花粉症の話でした。マスクなどの通常の対処法に加えてもうひと工夫しましょうという話。そのもう一工夫は、鼻にワセリンを塗るということです。ワセリンはベタベタするので、鼻腔の入口付近に塗っておくと花粉を捉えて鼻の奥の粘膜に達しないとのことです。私は、このことを何ヶ月か前に聞いて知っていましたが、実際に試したことはありません。もうしばらく花粉の季節が続くので、困っている人はお試しください。ガッテンの最後の方でビタミンDも有効だという情報を言っていました。番組では毎日15分以上の日光浴を勧めていましたが、私的にはそれは効果は薄いと思います。なぜなら、私が実際にビタミンDの内服で劇的に花粉症が良くなったのは、日光浴で得られるビタミンD量の何十倍も高用量だからです。症状緩和にはかなりの量が必要なのです。

    このところ、毎日冷え込むので風邪の患者さんがたくさん来院されます。インフルエンザは出ていません。例年、年末年始はインフルAで3,4月頃はインフルBが流行るのですが、今年はインフルBは皆無に近い状態です。去年インフルBが大流行したので皆さんに免疫がついているのでしょう。

    風邪といえば、風邪にビタミンCは効くのかという議論があります。論文を探すと効かなかったという報告もあります。しかし、それはビタミンCの量が足りていないだけです。通常1000mg(1g)もとればいいように思われますが、風邪のときは大量の活性酸素が発生するためそんな量では足りません。その10倍の10,000mg(10g)は必要です。そして、ビタミンCが処理した活性酸素はヒドロキシラジカルという別の活性酸素を作ってしまうため、それを処理するビタミンEが必要となります。ビタミンCを大量に取るときはそれ相当のビタミンEが要求されます。Eは通常で400IU(単位)で十分ですが、風邪のときは1,200IU以上必要です。量を間違うと効くものも効きません。そして、飲み方ですが、ビタミンCは水溶性ですから朝昼夕3回かそれ以上に分けてこまめに取ることが大切です。錠数が多くなるので、可能なら30分に1個みたいな飲み方が理想的です。Eは脂溶性なので分割して飲む必要はありません。油を含む料理を食べた後に飲んだほうが吸収が良くなります。

     

    クリニックの待合室から見える桜。満開ですよ~🎶

  • 検査項目設定の難しさ

    クリニックの目の前は県立大グランドですが、いま桜が満開です。クリニックに来た後は、お茶やお弁当でも買って公園で花見をしてみてはいかがでしょうか。気温が低いので暖かくして来てください。私はというと、まだ花見どころではない忙しさです。毎日朝早くから夜遅くまで多忙極まりないです。クリニックを法人化するに当たり、想像以上に大変な事務作業があります。それに加えて、月初のためレセプトのチェックもあります。患者さんの層も今まで以上に難しい患者さんがどんどん来られるので、治療に関しては頭を悩ませることが多々あります。

    このような難しい患者さんが来られた場合、まず、患者さんの欲求の確認が大切です。ネットで調べた変な病気を心配して来院された場合、検査をしないことには納得されません。仕事のストレスで限界という人は治療よりも休みを取るために診断書をもらいたいという場合もあります。私たちはプロとして患者さんの病態の把握、評価、治療計画という手順で考えるのですが、実は患者さんが求めているところはそういう専門的なものでない場合も多々あるのです。多くの場合は大したことない病状でも心配だから念の為検査してほしいという人が多い印象です。

    極端な例を上げれば、アメリカで前のガイドラインではコレステロールが高い人にはスタチン(リピトールやクレストール)を飲ませておけば、コレステロールが下がったかどうかの検査は不要!ということになっていました。すごいことです。大胆な発想です。これには科学的根拠があり、スタチンを飲んでいれば、数値目標をあれこれ言う必要ないということなのです。また、ワーファリンを飲んでいる人はPT-INRという検査が必要なのですがアメリカでは半年に一回程度しか検査しません。そう考えると、やはり日本人は検査好きです。好きすぎて検査データに振り回されている気がします。これだけ日本人は検査が好きなのにがんの死亡が年々増加しています。アメリカなどではすでにがんの死亡は下降しているので、日本の医療はどこかに重大な欠陥があるのですが、それがどこかは解明されていません。私見を述べれば、無駄に検査ばかり受けないこと(年取って検査するといろいろ見つかりますが、それを治療すべきかどうかはよく考えないといけません)。健康維持に必要なビタミンなどのサプリはきちんと取ること(食品から取ることにこだわらない)などが大切だと思います。

    桜十字病院の新しくリフォームした待合ラウンジ。宇宙ステーションのようで、びっくり!

  • 冷えますね、が挨拶の4月入り

    名前を漢字でどう書くか聞かれることがありますね。私の場合、和憲ですから、「平和の和」とか「昭和の和」と言っていましたが、これらからは「令和の和」となります。昭和生まれの男の人の名前には「和」がたくさん使われていると思います。これからは昭和のおじさんの時代ですよ!

    新元号が発表されたわけですが、このところ平成を振り返る番組ばかりです。たいして見る気もしないので、一切見ていませんが、昨日は天気予報で「平成最後の寒の戻りです」と言っていました。何でもかんでも平成最後と形容するのは薄っぺらいです。私は令和と聞いて「零和」という字が頭に浮かびました。これは英語でゼロサムといって、株式などの専門用語です。売買して儲かる人と、損する人がいますが、儲かった人の総額と損した人の総額を全部合計すると必ずゼロになるのが株式市場や為替市場の原則です。これをゼロサムと言うので、漢字で書けば零和ですが、字が違いました。

    ゴールデンボンバーが新元号発表わずか1時間後には新曲を発表したとのことで、素晴らしい!さすがアーチストですね。クリニックのほうは10年後も語り継がれるようなちょっとしたトラブルで始まりましたが、なんとか新年度のスタートです。医療法人として本格始動です!

     

     

  • 4月1日より医療法人トータルケアとなりました

    これまで数回お知らせしていますが、この4月1日をもちまして、当院は医療法人社団トータルケアむらかみ内科クリニックとなりました。法人化することで、さらに社会的な責任も増してきます。クリニックの体制が何か変わるということはありませんが、気持ちも新たにさらに皆様の健康と幸せのために尽力したいと思います。クリニックの理念は開業当初に掲げましたが、法人化しても進むべき道は変わりません。西洋医学と漢方をうまく組み合わせながら、皆さんの心も体も健康になっていただきたい。そういう意味でトータルケアと名付けました。

    土曜日に福岡で勉強した講演の内容は統計学(エビデンス)に基づいた治療法の話でした。いろいろな治療法がある中で本当に有効なものかどうかは数万人単位で大規模に検証して統計処理して差が出て初めて有効とされる、というものです。この手法はこの数年たいへんもてはやされて、EBM(エビエンスに基づいた医療)というふうに言われて各種治療ガイドラインなどの基礎となっています。検証するために数万人を対象とするには何年もかかります。したがって、得られた治験は必ずしも最先端ではありません。

    一方、ためしてガッテンなどで見るネタはまだガイドラインにも乗っていないような新しい治療法、というものがあります。こういう医療は玉石混交なので必ずしも優れているとは限りませんが、無視することはありません。少人数で試して効くということは、大規模臨床試験を待たずして歴然とした有効性が認められるという意味です。大規模治験をして統計処理をしないとどちらが優れているかわからないような治療法は微々たる差を科学の力で証明しているだけと考えられるからです。

    日曜の昼、健軍自衛隊前は歩行者天国となり、花見客で大変な賑わいでした