むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高田純次というキャラ

    高田純次という芸能人がいますね。なんでも適当にやっているというキャラクターの人です。昔「5時から男」というキャッチコピーで売っていました。

    心療内科で皆さんの悩みを聞いていると、みなさん真面目です。仕事に熱心だし、家庭でも家事、子育て、親の介護、夫の世話、すべてに手抜きなく頑張ってしまいます。そして、頑張りがきかなくなった時、体調を壊したり鬱になったりします。また、自分の方に原因がなくても、会社や学校から自分の頑張りを正当に評価してもらえなかったような時、ぷっつりと緊張の糸が切れてしまう話もよく聞きます。

    そう考えると、心を穏やかに(精神衛生上良い状態に)過ごすためには高田純次的な生き方でないといけないような気がします。調子よく、適当にです。日本人は几帳面で真面目な人が多いので、なかなかそういう生き方が苦手だと思います。おおらかに、ラテン系のノリでいってもいいのです。私たち医療現場ではなかなかそういう適当な仕事では許されませんから、鬱になる人が多いです。あとは、学校の先生なども精神的に追い詰められている人が多いようです。

    私がアメリカに留学していた時、麻酔科の集中治療部と救急部にいたのですが、救急部は家庭持ちの女医さんに人気でした。日本では考えられないと思います。日本の救急病院といえば、24時間不眠不休で働いた翌日も通常どおりの仕事があり、36時間勤務ということもざらでした。また、救急当番の日に入院受けをしたら、その入院した患者さんについての指示受けで病棟から翌日もひっきりなしに電話がかかってきます。

    一方、アメリカの救急部は完全に12時間交代制となっていて、時間が来たらキッチリ帰宅できるそうです。もちろん病院からの電話もしないことになっており、女医さんたちも時間のやりくりがしやすいし、平日も休みがあります。そこで、ヨットなどを自宅に持っているドクターもたくさんいました。それだけオンとオフがはっきりしているのです。

    最近は過重労働で自殺した人の問題が話題になっていますが、やはり企業は職員に無理な時間外の仕事を強要してはならないし、職員ももっと力を抜いてオンオフはっきりさせる「努力」が必要ではないかと思います。

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  • 厚生局の集団指導

    クリニックを新規開業すると厚生局から保険医療に関する集団指導があります。今日は午後からその会に出席するようにと厚生局からの呼び出しがあったので、どうしても遅刻するわけにはいきません。14時にKKRホテルに行かないといけないのですが、12時半まで午前の外来があり、それから昼休みに老人ホームの訪問診療の予定が2名入っています。訪問診療は計画的な訪問なので、祝日も正月もありません。隔週に行く計画なら、ほとんどはそのペースを崩すことはないのです。当クリニックの場合、火水木の昼休み時間を訪問診療に当てているので、ほとんど前後の日にずらしたりすることはできません。

    そんな事情で、午前の診療が終わったとともに速攻で老人ホームへ向かいました。通常片道で25分かかるので、着いたのはだいたい13時。一人診察するのに10−15分かかりますから二人の診療を終えたのが13時半。集合時間の30分前です。大急ぎでスクラブ(往診用の格好)から白いワイシャツに着替えてKKRへ向かいました。ギリギリに着いたら駐車場が満車です!これは困ったと思ったら、駐車場のボーイさんが寄ってきて、駐車場脇に置かせてくれて、キーを預かっていいですか?というので、車をボーイさんに託して大急ぎで会場へ向かいました。

    新規開業した人たちを集めてもたかが数人の会だろうと思っていたら、会場は100名以上の人がいて、熱気に包まれています。なんだこれは、と思ったら、新規開業者だけでなく、今年の春に医学部を卒業したフレッシュな研修医のみんなも同じ集団指導に参加しているようでした。確かに、医師になってすぐは保険医療のことなど誰からも習うことなく、卒後10年くらい経ってから初めて自分の行った診療のレセプトを目にした覚えがあります。私たちの頃はこんな集団指導などなかったのですが、今はみんなきちんと教育されているなーという感じです。

    無事に集団指導という名の講習を受けてクリニックに戻ったら、夕方の診療を再開です。バタバタして本当に慌ただしい1日でした。

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    これは秋明菊です。自宅の庭に咲きました。綺麗ですね。心和みます。

  • 逃げ恥

    「逃げるは恥だが役に立つ」というTBSの火曜ドラマが始まりました。今週が第2話。これまで10年くらいまともにドラマなど見ていなかったのに、今度はたまたま見入ってしまいました。脚本が面白い、新垣結衣さんもいい。原作は漫画なので、ドタバタもありますが、興味を持ったのはもちろんドラマのタイトルです。

    心療内科をしていると、1日の大半は悩みの相談です。職場のこと、友人関係のこと、学校のこと、受験のこと、介護のこと、嫁姑のこと。みんな本当に悩みながら生きています。そして、病院に来る人たちに多いのが、悩みながらも何くそーと頑張っちゃう人たちです。柳のように風に吹かれてしなやかに揺れていれば木は折れないのですが、全くしならない大木は大風に吹かれて根こそぎ倒れることもあるのです。患者さんたちの悩みを聞きながら、「そんなに頑張らなくてもいいんですよ、逃げてもいいんですよ」といつも思っています。ドラマのタイトルはことわざのようですが言葉遣いがなんか変です。ドラマの中で、ハンガリーのことわざだと言っていましたが、それが本当なら、日本語でもう少しこなれた言い方を考えたいものですが(普通に「逃げるが勝ち」でもいいのでは?)、直訳調で、ちょっと味気ないですね。

    熊本地震の時も、本当なら「逃げるが勝ち」です。動物的な勘と本能に従えば、あの状況なら逃げます。ところが、みんなが「がんばろう、熊本」という掛け声のもと逃げてはいけない雰囲気を作ってしまいます。子ども達は学校が休みで、家にいても余震に怯えながら過ごしていました。ボランティア活動に精を出した子どもさんもいるのですが、県外の親戚のところに子どもを避難させたご家族も大勢いました。そういう中、怪我もしてないし、住む家もあるのにボランティアをさせずに県外に避難させるなんて、と他人のことを陰口を言う人もおられたようで、そのために鬱状態になってしまった方もいます。やはり、日本人にとっては、逃げるは恥なんでしょうか?

    私の今の仕事は、逃げることを正当化し、ちょっとの間でもストレスから逃れて体調を立て直すことをお手伝いしています。頑張れないから体が悲鳴を上げているのです。誰かが、そんなに頑張らなくていいんですよと避難誘導してあげなければ、日本では避難そのものが後ろめたく困難なようです。ドラマのタイトルを思い出し、「逃げるは恥だが役に立つ」と逃げる自分を正当化しましょう。困った時はご相談ください。そんなに頑張りすぎないでいいんですよ。

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  • 人の仕事ぶりが気になる

    勤務医から開業医(経営者)になると、同じ医者の仕事をしていても視点が変わります。例えば、郵便局に行って82円切手を一枚買うと、えらく時間がかかった上で独特のレジの機械にお金を入れ、やたら長いレシートを受け取ります。切手一枚買うのにこのレシートの長さはなんだ、とか、コンビニのレジと比べると効率悪すぎると、とか、いろいろ思うわけです。しかし、それくらいはまだ許容範囲です。

    今日は、子供の携帯の機種変更のためにドコモに行ったのですが、まず整理券を取り、自分の番が来るまでに1時間半。それから、親の名前、親の携帯番号、子供の携帯番号、月々のパケット使用料、自宅にWifiがあるか、などいろいろ聞かれます。そんなのいちいち聞かなくても、子供の携帯番号を入力すればドコモと契約しているのだからそっちで調べれば一瞬でわかることだと思うのです。機種を変更に来ましたと言っているのに、プランの見直しだとか、いらないサービスとつけようとしてきたりとか、とにかくうるさいし、非効率。そんなことしているから整理券を引いてから1時間半も待つことになるんでしょう。顧客のニーズ(何をしてほしいか)をコンシェルジュが聞いたら、それに集中して仕事をしてほしいものです。

    クリニックでも、患者さんが来られたら看護師に簡単な問診をしてもらうことにしています。今日はどうあってきたのか、詳しい検査をしたいのか、前回と同じ薬がほしいだけか、患者さんの来院の目的をきちんと聞いておくことで効率的に無駄なく対応できるように心がけています。もちろん「いつもの薬を」と言われても、定期的な検査が必要な場合もあるし、薬局ではないので希望だけで言われた通りに薬を出すことはできないのですが、少なくとも急いでいるからいつもの薬を1ヶ月分欲しいとか、そういう希望にはできるだけ添えるようにしています。

    それにしても、ドコモのやり方は非効率で呆れてしまう。AUには行ったことないので知らないけれど、ソフトバンクはもう少しスマートな対応だったと思います。なんだか、ドコモと郵便局は通じるところがあります。もともとお役所ですから・・・。

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  • デジャブ

    今日で内覧会から1ヶ月となりました。クリニックの表に大きな看板で内覧会のお知らせと開院予定の案内を出していたのですが、今日を区切りに撤去しました。

    話は変わって、介護保険を使った訪問診療で居宅療養管理という項目があり、これは国保連合会に申請しないといけないらしい。実はこの件に関してはだいぶ前にネットを見ていて気がついて、とっくに申請していたと思っていました。ところが、まだ出ていませんよという話がきてびっくり。何か他に、自分が知らない書類があったのかと思って国保連に電話しました。すいません、今月開業したばかりでよくわからないので教えてください・・・。

    すると、ホームページのどこどこを見てダウンロードして、郵送してください、と言われました。デジャブです。まさに何週間か前に同じ件で連絡し、同じ対応でした。その書類を記入し、添付書類を準備し、まさに同じことをやったような気がしてならない。そこで、このブログをずっとさかのぼって読み返しました。実は、この件で「なんとまだ書類を出さないといけないところがありました!」という感じで書いた気がしたからです。しかし、見つかりません。あまりに忙しく、毎日書類を書くのに追われていたので、実際書いたのと、頭で準備しなくちゃと思ったことと、区別がつかなくなっています。しかし、控えをファイルしているところを見ても、提出した形跡がないので、きっと書類の書き方まで詳細に読んですっかり書いた気になっていたのでしょう。まだ月末まで間に合うので、明日大至急で提出するつもりです。それにしても、書類を書いた記憶だけでなく、それを書いたことをネタに、このブログを書いた記憶まであるので、今ここでブログを書きながらもデジャブです。

     

    今日は桜十字病院へ在宅医療の事務的な詰めの話し合いに行ってきました。すれ違った元同僚たちが声をかけてくれます。みんな元気そうで何より。私が趣味で花の写真をたくさんとって桜十字の外来でテレビモニターにスライドビューを映してあったのは今も健在でした。外来でお待ちの皆さんには花の綺麗な写真で和んでいただきたかったのですが、私が辞めた後もその写真を使ってもらっているのが嬉しかったです。

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    立田山の山ノ神です。こういう風に岩を祀ってある山ノ神様が立田山に私の知る限りで5ヶ所ほどあります。