むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 心療内科も予約不要です

    多くの精神科や心療内科が予約制であるのに対し、当院では今のところ予約なしでやっています。初診の心療内科の患者さんはどんなことに困っているのか、どんな辛い目にあったのか、などという話をきちんと聞かないと病状が把握できないため、どうしても30分近い時間がかかります。内科と心療内科を混在している外来では、心療内科系の新患が入るとその後がつかえてしまいます。待たされる患者さんのことを思うととても心苦しいのですが、どうぞご了承ください。また、心療内科希望の新患さんには、順番が前後して、風邪や血圧の患者さんが先に診察に入るかもしれませんが、その分ゆっくり話を聞く時間を作っていますので、ご了承ください。

    初診の心療内科患者さんは、受診しようか、どうしようかと何日も何ヶ月もまよった挙句に思い切って来院されます。もしそういう患者さんに、予約制ですので出直してください、といえば、どんなに辛いことでしょう。ただでさえ、ギリギリの状態で来院されます。もう何日も眠れていないとか、ストレスで過呼吸やパニックを起こしたとか、そういう患者さんはできるだけ早くみてあげたいと思っています。

    特に土曜日の外来は込み合います。お待たせして本当にすいません。学生さんや会社員など現役世代の人はなかなか平日には来ることができません。安定した状態の方には1ヶ月以上の長期処方も行なっていますが、最初の数回の受診は薬がきちんと効いているか、漢方など飲めなかったりしていないか、副作用は出ていないかといったチェックをするため1−2週後には再来をお願いしています。

    ところで6月4日(日)は休日当番医です。朝9時から17時まで通常通りの体制でやっています。

  • 病診連携とは

    大きな病院とクリニックの間での連携を病診連携と言います。クリニックは診療所なので、病院ー診療所間の連携という意味です。

    大きな病院と診療所では入院ベッドの有無が大きな違いですが、当然設備も違います。大きな病院はCTやMRIといった検査ができるし、専門ごとに多数のドクターがいるので、それだけ高度な医療ができるわけです。そこで、病院と診療所では自ずと仕事の範囲が違ってきて、すみ分けています。我々診療所は最初に来ていただく医療機関であり、慢性病の定期的なフォローや風邪などの単発の診療、さらに入院や手術が必要かどうかの判断をする場でもあります。一方、大きな病院は診療所から紹介された患者さんの精密検査や入院治療を引き受けてくれます。

    そこで重要になるのが、病院ごとのキャラクターです。日赤病院のように救急全般を請け負ってくれるところもあれば、リハビリを得意とするところもあります。それぞれの病院の特徴を知って最も良いと思われる施設に患者さんを紹介することが大切だと思います。患者さんやその家族は病院のそういった特徴がなかなかわからないので、自宅から近いとか、いったことがあるとかで判断しますが、それがベストではありません。やはりその辺は地元で長いこと連携関係を築いている私たち専門家にご相談いただくのが一番だと思います。

    山ノ内中央公園にて

  • 医師は一生勉強なのです

    私たちドクターは医学部で6年その後一人前になるまで卒後10年。一旦専門医を取っても、その更新や新しい専門医を受験するためにまた勉強と、ひたすら勉強が続きます。私たち卒後25年くらいたった世代はどうかというと、やはり勉強です。試験を受け続ける人もいますが、試験がなくても勉強です。医学はすごいスピードで発展しています。そして、医薬品の開発もどんどん進みます。新薬が覚えきれないほど次から次へと出てきます。

    私たちの勉強で手っ取り早いのは製薬メーカー主催の勉強会です。全国から一流の講師の先生がわざわざきて講演してくれるので、時間の許す限り参加しています。また、最近ではネットでウェブ配信のコンテンツが多数あります。こちらも非常に勉強になるので、時間があれば見るようにしています。しかしこういった製薬メーカーがらみの勉強会はその会社の製品が有利になるような話題提供が多いのも事実です。そこで、私は製薬メーカーに頼らない勉強もするように心がけています。有料の医学コンテンツサイトからネット経由で勉強するのです。有料サイトは製薬メーカーとは独立していますので、バイアスの少ない情報が得られます。

    また、テレビの情報も侮れません。ためしてガッテンやドクターGをはじめとする健康番組は視聴率も高くすぐに患者さんが外来でそのことを話題にするので、見ていないとついていけません。そこで、最近の私の夜の勉強は2刀流3刀流です。テレビで健康番組を見ながらiPadで別のサイトを見ながら、もう一つのパソコンでも医学コンテンツを調べます。テレビはだらだらとしたクイズ形式だったりCMがあったりで時間の無駄なので、複数のメディアを同時に見ることで短時間で大量の情報を得ようという魂担です。今もこのブログを書きながら2つのコンテンツを同時再生しています。

  • 認知症

    認知症の勉強会があったので、参加してきました。大学の先生が認知症を早い段階で診断する方法や治療に関する最新の知見について解説されました。私は開業前に老人病院で働いていたこともあり、高齢者の認知症はたくさん診てきました。むしろ、認知症がある方が普通といった世界でした。そうすると自然と認知症患者さんとの接し方から薬の使い方まで経験を通していろんな学びがありました。今日の講演では大学の先生ですからCTやMRI、脳血流のデータなどがあり、詳しい認知機能の検査もできる施設です。検査データがあればあるほど正確な診断ができます。認知症というのはアルツハイマーが有名ですが、それだけでなくレビー小体型認知症とか、脳血管性認知症とか色々あります。細かい診断ができるとそれに従って治療方針も異なってきます。

    一方私たちクリニックでは、できる検査が限られており、細かいことまではわからないことが多いと思います。必要によってはMRIのできる施設で検査をしてきてもらわないといけません。認知症の治療というと、薬を飲んで物忘れを治し、元どおりの状態に治す、というイメージかもしれませんが、それは正しくありません。今できるのは、困った症状を少しでも減らして日常生活を楽にすることです。昔と性格が変わって怒りっぽい(陽性症状という)とか、1日ボーとして過ごしている(陰性症状という)とかそういった症状を一つでも減らす治療という感じです。

    認知症というのは通常の病気と違って生活の中で出てくる不都合(困った症状)ですから、こんなことがあったとか、こういう失敗をしましたとか、そういう日常のエピソードが診断にとても役に立ちます。当の本人はあまり認知症の認識はありませんから、困ったことがないかを聞いても、大抵「特にありません」ということになりかねません。ご家族が付き添って来られる場合は、そういった情報をメモしてきていただくと助かります。

  • 鹿角霊芝が入荷しました

    霊芝というとサルノコシカケですが、がん患者さんや難治性の病気で苦しんでおられる方に広く使われている生薬です。通常は輸入物のサルノコシカケを刻んだものが流通しています。一方、鹿角霊芝というのはしいたけでいうならドンコです。まだ傘が開いていない状態のものを言います。見かけが鹿の角に似ているから鹿角という形容詞が付いています。漢方では本物の鹿の角を鹿茸(ろくじょう)と言って扱うので、紛らわしいのですが、それとは全く違います。鹿の角は動物生薬で独特の生臭みがあるそうですが、鹿角霊芝にはそのような嫌な臭みなどありません。高級なしいたけ(松茸のような)スープを少し苦くした感じの煎じ薬になります。他のメーカー(中国製)とは味わいがかなり違っています。国産で無農薬、しかも熊本の地下水で栽培された上質な霊芝ですので安全性に優れています。もし興味がある方は、当院向かいの調剤薬局(凌雲堂)にお尋ねください。

    最近は、がん患者さんからの要望もあり、中医学で抗がん作用の証明されている生薬(煎じ薬)も処方しています。抗がん作用のある処方だけではなく、霊芝や人参、附子といった免疫や体力を高める生薬をブレンドすることでがんと闘う体をサポートします。通常の西洋医学的な治療(抗がん剤や手術)に併用することもオススメです。ガンの種類や進行度(ステージ)に応じたオーダーメイドの処方を行います。なお、このような特殊な煎じ薬の処方は保険が効かない部分がありますので、その点はご了承ください。

    もう一つは、鍼治療の補助としてシール型の鍼があります。腰痛や肩こりにもいいですが、自律神経の治療その他色々使えます。このシール型の鍼(パイオネックス)はネット通販で購入することもできますが、当院の針治療の際には正確にツボの位置に貼って差し上げます。張り替え用に買って帰りたい場合は、原価で何枚でも小分けいたしますので、ご相談ください。

    パレアのロビーにて