むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • オルニチンを買ってみた

    いつものようにiHerb.comでビタミンを物色していて、ふと目についたのがオルニチンというアミノ酸。オルニチンは尿素回路という代謝系に重要で、タンパク質の代謝の過程で発生したアンモニアを解毒するのに重要な働きをしているようです。早速買ってみました。このあたりは、今回オルニチンを買ったのを期に勉強してみようと思っています。商品説明のレビューでは、元気になった、疲れなくなった、体臭が消えた、よく眠れるようになった、など興味深いコメントがたくさんあります。昨日から飲み始めたのですが、もともと元気で疲れ知らずなので効果はわかりにくいですが、たしかにいいような気がします。当分は毎日飲んで見ます。

    歳を取ると睡眠が悪くなると言います。なぜかわかりませんが、多くの人が寝付きが悪いとかトイレなどで一旦目が冷めたあとが眠れないとか、言われます。私は夜11時半に寝て5時に起きるので5時間半睡眠です。寝たかと思えばあっという間に朝がくるので全く不眠で困ることはないのですが、休日昼寝したせいで眠れなかったことはあります。眠りたいけど睡眠薬を使いたくないというお話は毎日のように聞きますが、それは簡単なことではありません。私たち医者にとって見れば、睡眠薬で寝てもらったらいいと思うのですが、患者さんは抵抗する人が結構います。もしオルニチンで眠れるなら朗報ですね。

    私の推奨するビタミン類を自分で買ってみたけどどのように飲んだらいいのかわからない、という問い合わせがしばしばあります。個別に採血データなどをもとに最適な飲み方をアドバイスしますので、お気軽にご相談ください。サプリメントも、体が必要としていないのに大量にとってしまうと肝臓などの負担になります。食前にとったほうがいいもの、食後がいいもの、朝がいいもの、夕方がいいものなどそれぞれあります。そこには生化学的な背景(理由)があるため、できるだけ最適な条件で摂取したほうがいいと思います。

    車検で貸してもらった代車。新車です。カッコいー。

  • 事務職員募集中です

    アマゾンプライムデーです。セールをやっています。AIスピーカーのアレクサは半額です。私が患者さんに勧めているDHCのビタミンBミックスは3割引きです。限定セールなので興味ある人はアマゾンのサイトにお急ぎください。アレクサをスマート家電リモコンと連動させることで声をかければTVもエアコンも制御できます。今日は昼にスマホで家の室温をチェックしたら28Cでした、カンカン照りだったので、うちのゴンも暑いだろうと思い、あわてて職場からエアコンのスイッチを入れました。AI搭載のスマート家電リモコンは希望する温度を設定すればエアコンのリモコンを制御して快適な室温にしてくれます。こんな事できるなんて、SFの世界みたいです。

    ところで、最近はあちこちの施設から訪問診療の依頼があり、すでに100名ほどの契約者数となっています。当院は開業当初から訪問診療を重要な使命と考え取り組んで来ました。今回のコロナ禍で老人ホームなどに入居している人たちは施設からの外出が制限されて、病院受診もままならなくなっています。家族とも面談ができず、大変な状況です。そこで私たちは施設に出向いて高齢者の皆さんの健康管理をしているわけです。結果、訪問診療の契約数が増えて、忙しくなっています。

    そこで、再度掲載します。訪問診療の事務(請求額の計算、帳簿整理など)を手伝っていただける方を1名募集します。ハローワークにも出していますが、ぜひ、このブログを読んで当院に対する理解が深い方を優先的に採用したいと思います。われこそはという方は奮ってご応募ください。

  • 適切な薬を適切に使うことの大切さ

    秋になり、血圧が上がる人が増えてきました。冬には若干降圧剤を強化する場合が多くなります。薬には強さと半減期の2つを考えて処方します。どのくらい血圧を下げたいのか、その作用を何時間ぐらい効かせたいかでその患者さんに必要な薬が決まります。血圧に関して言えば、多くの場合切れ目なく丸一日ゆっくり効いたほうがいいので、半減期の長い薬を使います。アムロジン、ミカルディス(テルミサルタン)、ミカムロといった薬がそれに相当します。

    睡眠薬の場合も同じです。どのくらいの強さにするか、何時間ぐらい効かせるかで薬が決まってきます。寝付きが悪い人、中途覚醒する人、朝早く目が冷めてしまう人など不眠にもいろんなタイプがあるのでそれに応じた薬が必要となります。最近は、癖になりにくい睡眠薬なども出てきていますが、その薬を使って強さや持続時間が自在に調節できるわけではありませんので、みんなにその薬があうとは限りません。自分の睡眠の状態に一番あった薬を使うのが生活の質を上げる意味で大切だと思います。

    糖尿病に関しては、また別の考え方があります。血糖を下げる薬はいくつもありますが、血糖やヘモグロビンA1cだけを下げても仕方ないということが最近明らかになってきました。数字を下げるだけならどの薬でもいいのですが、糖尿病の場合、心疾患、腎臓その他の合併症をいかに減らすかが大切です。実は血糖をただ下げてもこれら合併症はなかなか下がらないのです。しかし、SGLT2阻害剤をいう薬を使うと合併症がかなり減らせることがわかってきました。したがって、血糖やA1cの数値を下げればいいというわけではなく、どの薬を使って下げるかが重要なのです。

    下通り「たいちろう」にて 揚げ豆腐 柚子胡椒添え 美味い!

  • 世界を相手に一流人のみが生き残る世

    以前は製薬会社主催の勉強会が日航ホテルなどで頻繁にあって、診療のあとに時間があればでかけていました。ところが、コロナ禍において、そういった勉強会はほとんどなくなりました。代わりに始まったのが、WEB講演会です。ところが、WEB講演会を従来の熊本でやっていたような講演会のインターネット中継みたいな形にしても全然おもしろくありません。なぜなら、ネット環境があれば、世界中どこからでも参加できるし、演者も熊本にいなくても東京からでもアメリカからでも問題ないわけです。そうすると、いままで講演会(勉強会)はローカルなものだったのですが、一気にインターナショナルなものとなったのです。つまり、熊本で二流の演者が発表しても聴いてもらえない。東京の一流の演者の講演会にWEBで参加すればいいのです。旅費も何もかかりません。結果、講演会のレベルは地方格差がなくなりました。

    そういうわけで、日曜日は朝からアレルギー(蕁麻疹や花粉症)の基礎と臨床に関するWEB講演会に参加しました。演者、司会者などは全国から選りすぐりの人たちです。内容も濃く、充実した会でした。1時間半のプログラムがあっという間に感じられました。私たちの勉強スタイルがこれほどまで変化したということは、受験生たちも変わったのではないでしょうか。東進衛星予備校などは昔から東京の一流講師陣の講義が日本中どこでも聞けたわけですが、家庭教師だって、ネットで済むと思います。熊本にいながら東大生の家庭教師についてもらうなんて、ZOOMさえあれば簡単にできます。げんに私の知っている英語の先生はZOOMを使ってネットでマンツーマンの授業をしており、生徒さんは熊本だけではなく日本各地にいると言っていました。同じように、英語の先生はネット上で探せば世界中にいるので、アメリカ人、フィリピン人、オーストラリア人など世界中に英語を教えてくれる人がいるのです。そんな時代です。

    ということは、一流の能力があれば世界を相手にビジネスできるし、その実力がなくてローカルでやっていた人は世界を相手にして苦境にたつという構図となります。一流というのは学力とは関係ありません。その分野でいかに必死でやってきたかということです。必死とは命がけでということです。寝食も忘れるほど没頭すれば一流になれます。これからの世で生き残れるのはそういった一握りの人たちだけでしょう。そのレベルに達するには好きで仕方ない、趣味の延長みたいな仕事につく以外ないと思います。

    下通 たいちろうにて 海鮮丼 期待を超える充実した料理でした。

  • 非接触型体温計の原理と限界

    最近はどこへ行っても体温を測られます。とても不愉快です。あんなのでコロナの感染拡大を抑えられるはずありません。コロナは無症状の人が知らないうちに人に移すことが多いのです。熱があるかどうかは関係ないと思います。ビニールカーテンやフェイスシールドほど滑稽なことはないですが、入り口で熱を測っている飲食店にはあまり行きたくありません。

    非接触型体温計でピピッと測るのは便利ですが、全然正しい体温ではありません。医学的にはあの体温は信用しません。単なる参考値です。体温はちゃんとした体温計を脇など体の深部に近いところで何分かかけて計らないと正しくありません。本当の体温は口の中とかお尻に体温計を入れて測ります。非接触型では小児用で耳から鼓膜温を測るタイプが有りました。鼓膜は深部体温に近いので割と正確だと思います。

    物理的に表面温度を正確に測ることは何ら難しくありません。おでこの温度を正確に測ってもそれが正確な体温というわけではありません。おでこは外気にさらされており、外の暑い寒いとか汗の有無で温度が変わるからです。非接触型体温計のマニュアルにも、体温を測る場所と同じ環境に30分以上いて落ちついてから測ることと書いてあります。私は、今の非接触型体温計が普及し始めた15年ほど前に田迎の東病院につとめており、便利なので外来で導入しようと考えたのですが、脇で測る体温と非接触型の誤差を何百例とデータを取って、使えるかどうかを検討したことがあります。結果は、外から入ってきてすぐの外来患者さんの体温はあの非接触型ではでたらめすぎて測れないという結論でした。一方、入院患者さんは同じ環境内にいるので割ときちんと測れることがわかりました。

    繰り返しますが、外から建物に入ってすぐに測れば無茶苦茶な温度が出ます。あの体温計の原理を考えると、おそらく室温(X1)とおでこの体表面温度(X2)を測定することで、実際の体温(Y)を類推する計算式が入っていると考えられます。したがって、温度計がおでこから3センチ離して測定すること、と書いてあれば、そのとおりにしないと計算式に入れる値(X2)がおかしくなります。勝手に、口の中の温度を測ってみたり首の温度を測ってみたりすると、おでこ用に開発された計算式に当てはまりませんから、ぜんぜん違う予測体温(Y)が求められます。いずれにしても、ちゃんと測っていない体温(類推)ですから、こんな数値を信じてコロナ対策をしていますとわかったような顔をしている素人には本当に呆れますが、物理の知識のない人には理解できないでしょう。重要な事なので医療関係者はわかるまで読み返してください。