むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 待合ロビーの椅子

    待合ロビーの椅子が出来上がった。造り付け家具で、設計士さんがデザインし、材料も選んでくれた。椅子の色を最初はクリニックのイメージカラーのグリーンにしようかとも思ったが、結果的にはなめし皮のようなブラウンにした。出来上がりはとてもナチュラルな色合いで、とても気に入った。家具工房は西原村で、震災のため工場がひどく損傷したそうだが、こんな時だから是非やらせて欲しいと言われ、予定通りお願いすることにした。出来上がりは大満足だ。

    ロビーの椅子が受付の方を向いているため、患者さんによってはそれが居心地悪いかもしれないと思い、壁の方を向いて座れるカウンターも作ってもらった。ここは、携帯のチャージもできるように壁にコンセントを付けてある。

    クリニックには診察ベッドなどの家具が入ることで、ただの箱から病院としての機能性が注入される。今日1日でもだいぶその雰囲気ができてきた。来週は忙しくなりそうだ。

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  • いよいよ建物の引渡し

    1月の霜が立つ極寒の朝に地鎮祭を行い、地盤強化工事、基礎工事、棟上げ、そして熊本地震。

    地面の下から古い建物の瓦礫が出たことから、昨年末に全部掘り起こした、その結果、地盤が少し弱くなったということで、たまたまだけどかなりお金をかけて地盤強化を行っていた。掘り起こして緩くなった地盤は何年か風雨にさらして放っておけば、また固まってくるのだが、それでは時間がかかりすぎる。そこで、最新の工法を用いて砂利を入れたり固めたり、シートで補強したりした。その上に基礎工事を行い、建物が建っている。

    おかげで地震の被害は全くなかった。ただ、これはタイミングが良かっただけで、内装工事まで済んでいたなら、多少なりとも地震の被害はあっただろうし、壁で覆われた柱の状態は外から見ただけではわからないだろう。

    今回は瓦礫を掘り出したり、地盤強化をしたりしていたため時間が予定より多くかかって、こういうタイミングで地震にあった。もし瓦礫が出なかったら、スケジュール的には1ヶ月以上早く着工し、大した地盤強化もせずに着工しただろうと思う。そう考えると、すべて、土地の中から瓦礫が出たおかげとしか言いようがない。見た目はコンクリートの塊で、瓦礫でしかないのだが、結果的には宝の山だったということになる。

    震災の影響は、建設会社の社屋にも及び、会社の人たちは急遽立ち退きを迫られた。大工さんたちも自宅がかなり被害にあったりしながらも、以前立てたクリニックの補修などに追われた。国の仮設住宅の建設にも駆り出された。当然工事は遅れた。しかしこればかりは誰のせいでもない、仕方ないこと。地震の後は梅雨の長雨でなかなか外回りの工事が進まなかった。

    そんなこんなで、ついにすべての工事が終了し、8月5日、引渡しとなる。僕らの普通の感覚では、建物を引き渡されたらそこに入居して新しい生活が始まる、ということでいいのだが、クリニックはそうはいかない。ここに病院という機能を吹き込み、患者さんをみる体勢を整えなければいけない。また、何人もの人が自分の家族を養うだけの職場としての機能や収益性も求められる。さらに、保健所と厚生局という国の管理のもと、法にのっとった仕事をしないといけない。広告も規制があるし、内装なども図面通りでなければいけない。模様替えしても保健所に届ける必要がある。

    今日から、この建物に病院としての機能を吹き込む大事な仕事が残っている。1週間以内にすべて準備して保健所の検査を受ける予定だ。

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    写真はクリニック南側に植えた生垣。左側の住宅と1mくらい段差があるので、ブロックを積むより生垣の方が地盤が強化されて崩れにくいし、危険が少ないということと、広い駐車場をアスファルトで埋め尽くしたので、少しでも緑化に貢献しないといけないという思いです。

     

  • 完成間近

    クリニックの建物が完成間近となりました。今日は消防の検査があり、無事終了しました。また、設計師さん、建設会社さん、電設会社さんなどのみなさんと、最終的なチェックを行い、透明ガラスをすりガラスにして欲しいとか、トイレットペーパーを置く棚をつけて欲しいとか、駐車場に矢印を入れて欲しいなどなど最終的なリクエストをしました。これをもとに1週間で仕上げてもらい、いよいよ引き渡しとなります。

    それに合わせるように、保険代理店に努める友人と、火災保険の打ち合わせを行いました。建物が引き渡された瞬間から、自分の保険でカバーしないといけません。住む家だったら、万が一住めない状態になったらマンションやアパートを探せばいいですが、クリニックの場合は商売道具ですからすぐに移転などできません。万一の場合は立て直せるだけの保険が降りなければ、即収入が途絶えてしまいます。そういう意味で、通常より保険にはお金がかかるし、熊本の場合、地震保険が一気に高額になっていますので、万一に備えるというのがいかにお金がかかるか知らされます。

    また、自分の仕事上でのトラブルは医師賠償保険という保険に入っているのでいいのですが、これからは従業員を使う身なので、看護師のミスをカバーできる保険にも加入します。また、建物で患者さんが足を滑らせたり、何らかの被害を受けた場合もカバーする保険があるそうなので、できるだけの保険には入っておきたいと思います。ただ、これはお金との相談です。

    あとは、患者さんが迷わないでクリニックに来れるように、主要な交差点には看板を出したいのですが、この交渉がこれからです。クリニックの玄関にはいよいよクリニック名の入ったサイン工事が終わりました。これで外観はほぼ完成です。

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    明日は銀行に行って、開業後の資金計画のプレゼンを行います。土地購入・建設にかかった費用、医療機器にかかった費用、これからの運転資金などの合計から今後の返済計画を具体的に立てます。

     

  • 7月も終わりに近づく

    気がつくと7月も最後の週に入る。僕はクリニックオープンまで桜十字病院の外来を担当しているが、この仕事もいよいよ最後の週に入る。かれこれ6年間ここで働いた。そして、桜十字での6年間は東北の大震災で始まり、熊本地震で終わるという震災というキーワードで「」される6年だった。

    桜十字という病院はテレビのホスピタルメントのCMもあってとても広く知られているが、名前が有名なのとは裏腹に、どんな病院かは謎に包まれている。医療関係の人からもどんなところかわからないとよく言われる。しかし、働いてみるとそんなに不思議なところではなく、今までいろんな職場で働いたが、楽しく働けた場所だった。外来患者さんもこの6年でかなり増えて忙しくなったし、それなりに実績を認めてもらえたと思う。この経験をもとに、自分で独立してやってみたいという気持ちと自信が湧いたのも事実だ。感謝の気持ちでいっぱいだ。

    桜十字の事務員はドクターの数の5倍以上いる。同じくリハビリ職員も5倍以上で、総勢1000人を超す職員数だ。このマンパワーで、診療報酬改定や病院機能評価などいろんな場面は乗り切ってきた。チームワークと底力は大したものだ。これだけの大所帯を指揮している理事長や院長、事務局長さんたちは本当に大変だろうと思う。

    僕はこれから10人にも満たない小さなクリニックを始めるわけだが、それでも人を雇って新しい事業を始めるという責任の大きさや借金の額を考えると身の引き締まる思いだ。患者さんを大切にし、従業員とその家族のことまで身内のように大切にしていきたい。これからはクリニック立ち上げに専念するため、7月末で桜十字を退職する。

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    クリニックの駐車場のアスファルト工事も終わり、ラインも引かれた。コンビニ並みに広い駐車場だ。

  • 時間が足りない・・・

    毎日本当にあわただしく、時間が足りない・・・。

    今日はクリニック周辺の病院と老人ホームに挨拶回り。その後、リネン関連の会社と面談。それが終わるとすぐにレセコンの会社と打ち合わせ。うちに帰るとメールでファックス複合機の見積もりが届いていた。それにしても最近の複合機というのは機能満載で凄すぎる。ファックスやコピーができるだけでなく、スキャンして画像サーバーに保存したり、メールで送ったり、自宅にいながらクリニックの複合機に印刷(出力)できたり。また、スキャンしたデータをiPADに飛ばしてデータを持ち出したりと、考えられることは何でもできる。また、お金を出せば、自動製本する機能まである。

    しかし考えてみよう。自宅にあるオーブンレンジ、冷凍食品やご飯を温める以外に何に使う?機能を見ると、スチームで餃子を蒸したり、イーストを発酵させたり、パンを焼いたりできる。あらかじめプログラムされたボタン一発でカレーができたりおでんができたりする。しかし、プログラムで使ったことのあるのは1番だけ、すなわち「牛乳・熱燗」の自動モードだけ!それ以外、全く使ったことがない。

    複合機だって、あんなに機能が満載でファックスとプリンタと、スキャナとしての働きは簡単だから使うとして、それ以外のあれやこれやペーパーレスでエコだとか、いろいろ書いてあるけど使うのだろうか?こんな機械も高スペックだから値段も相当高い。本当に悩ましい。そんなことを考えていたら、昨日から取り組んでいる診療報酬の勉強が一向に進んでいないことに気がついた。ああ時間がない・・・。

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    お隣の薬局は無事に保健所の検査も終わり、引っ越し搬入をやっていました。