むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • いよいよ建物の引渡し

    1月の霜が立つ極寒の朝に地鎮祭を行い、地盤強化工事、基礎工事、棟上げ、そして熊本地震。

    地面の下から古い建物の瓦礫が出たことから、昨年末に全部掘り起こした、その結果、地盤が少し弱くなったということで、たまたまだけどかなりお金をかけて地盤強化を行っていた。掘り起こして緩くなった地盤は何年か風雨にさらして放っておけば、また固まってくるのだが、それでは時間がかかりすぎる。そこで、最新の工法を用いて砂利を入れたり固めたり、シートで補強したりした。その上に基礎工事を行い、建物が建っている。

    おかげで地震の被害は全くなかった。ただ、これはタイミングが良かっただけで、内装工事まで済んでいたなら、多少なりとも地震の被害はあっただろうし、壁で覆われた柱の状態は外から見ただけではわからないだろう。

    今回は瓦礫を掘り出したり、地盤強化をしたりしていたため時間が予定より多くかかって、こういうタイミングで地震にあった。もし瓦礫が出なかったら、スケジュール的には1ヶ月以上早く着工し、大した地盤強化もせずに着工しただろうと思う。そう考えると、すべて、土地の中から瓦礫が出たおかげとしか言いようがない。見た目はコンクリートの塊で、瓦礫でしかないのだが、結果的には宝の山だったということになる。

    震災の影響は、建設会社の社屋にも及び、会社の人たちは急遽立ち退きを迫られた。大工さんたちも自宅がかなり被害にあったりしながらも、以前立てたクリニックの補修などに追われた。国の仮設住宅の建設にも駆り出された。当然工事は遅れた。しかしこればかりは誰のせいでもない、仕方ないこと。地震の後は梅雨の長雨でなかなか外回りの工事が進まなかった。

    そんなこんなで、ついにすべての工事が終了し、8月5日、引渡しとなる。僕らの普通の感覚では、建物を引き渡されたらそこに入居して新しい生活が始まる、ということでいいのだが、クリニックはそうはいかない。ここに病院という機能を吹き込み、患者さんをみる体勢を整えなければいけない。また、何人もの人が自分の家族を養うだけの職場としての機能や収益性も求められる。さらに、保健所と厚生局という国の管理のもと、法にのっとった仕事をしないといけない。広告も規制があるし、内装なども図面通りでなければいけない。模様替えしても保健所に届ける必要がある。

    今日から、この建物に病院としての機能を吹き込む大事な仕事が残っている。1週間以内にすべて準備して保健所の検査を受ける予定だ。

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    写真はクリニック南側に植えた生垣。左側の住宅と1mくらい段差があるので、ブロックを積むより生垣の方が地盤が強化されて崩れにくいし、危険が少ないということと、広い駐車場をアスファルトで埋め尽くしたので、少しでも緑化に貢献しないといけないという思いです。