むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • うまくいくかなんて関係ない、やってみることが大事

    カレーを作った鍋を洗ったら流しが詰まってしまいました。ちゃんと生ゴミを貯めるところには目の細かい不織布のフィルターを装着していたのになぜだろう。仕方ないので、塩素系のパイプ洗浄剤とか、お湯に溶いた重曹とか流してみましたが全然流れません。以前この状態でパイプづまりを治すという業者(ポストによく宣伝が入っているところ)に頼んだら、何やら強力な洗浄剤を使って流してくれた覚えがあります。出張費がかかるので結構な高額だった気がします。なにかいい方法はないかとあれこれ、やってみましたが、全然通りません。そこで、ふと思い出しました。生協のカタログでこういうときのためにながーい(50センチぐらいある)パイプ洗浄用ブラシを買っていたのでした。針金が適度に柔らかく、パイプが曲がっていても奥まで入っていきます。それでゴシゴシしたら、モノの10秒ほどで通過しました。素晴らしい。たしかこのブラシは数百円だったと思います。買っててよかった。

    今朝は経営者モーニングセミナーに参加し、パラリンピック金メダリストの浦田理恵さんの講話を聞きました。大学生の頃失明して、将来の夢が完全にだめになってしまった。県外の大学に通っていたため、失明したことを親にも言えずひとり悩んでいたそうです。でも、視力が日に日に落ちていき、とうとう意を決して帰省したところ、駅のホームも怖くて歩けず、迎えに来たお母さんからは、ふざけた歩き方して!と怒られたそうです。「お母さん、目が見えなくなった」と告白したところから新しい世界が開けました。お母さんは、駅で人目もはばからず大泣きしたあと「目が見えなくてもできることをやってみよう」と言ってくれたそうです。

    なんで自分ばかりこんな目に合うのか、と愚痴ばかり言って何もかも諦めていたのに、お母さんの温かいサポートでうまく行かなくてもなんでもやってみようと決心したそうです。26歳のときにゴールボールというスポーツに出会い、競技を始めて、日本代表の座を掴み、ロンドンで金メダル、東京で銅メダルをとったそうです。何事も諦めない、やればできる。そして、目標達成のためにはひたすら努力する。いいお話でした・・・・・と、話を聞いただけでは何も進歩しません。自分もすぐ行動、実践あるのみです。

    クリニック前の公園 桜が開花しました。週末雨が上がれば見頃となるでしょう。 

  • 漢方的病態把握と同病異治

    桜が開花しました。朝、ちらほら咲き始めたなと思ったら、夕方には相当咲いていたので、この勢いなら今週末は見頃になりそうです。例年よりだいぶ遅くなりました。明日からまた雨なのでそれが上がった頃ちょうど楽しめるといいですね。当院の目の前に広がる公園と高校の周辺には沢山の桜が咲きます。診察のついでにコンビニで飲み物などかってきて公園のベンチでお花見なんかいいかもしれませんよ。

    今日もコロナ後遺症に悩む患者さんが来られました。何ヶ月も大きな病院にかかって見てもらっていたけどなかなか症状がとれず、そのことで今度は不安性みたいになってしまったとのこと。私の見立てではコロナに罹患したときに心臓で炎症を起こした結果、自律神経バランスが狂ってしまったと考えました。コロナ後遺症は何百人も治療しましたが、今日の患者さんの症状は珍しいものでした。しかし、漢方的に陰陽虚実のバランスを考えると次のようになります。最初は炎症により陽が亢進していたのですが、それが長くなった結果、陰が不足してきた。時間がたって陽の亢進は落ち着いてきたけど、陰が不足した状態が続いているため結果的に陰より陽が多いというアンバランス状態がつづいている。

    患者さんの状態がどんなに難しくてもこのように陰陽虚実の病態把握が正確にできれば治療を誤ることはありません。使う処方はかなり絞られてきます。あとは、理論的に合っていても難治症例というのは仕方ありません。私にできるのはこのように目の前の患者さんの陰陽虚実や気血水のバランスをいかに正確に捉えるかと、それから導かれる治療方針の決定までです。あとは薬局にその薬の在庫があるか、きちんとその薬を飲んでくれるか、といったところにかかってきます。よく、患者さんから「結局私の病気はなんですか?」ときかれるのですが、私のなかには「陰が虚して相対的に陽が亢進したために交感神経が興奮した状態にある」とかわかったようなわからないような説明になってしまいます。漢方は西洋医学のように病名を決めたりしないで治療方針を考えるのです。同じ病名でも背景となる病態が異なれば治療方針は変わります。同病異治といいます。

     

  • 「お腹が張る」を治す

    最近は講演を頼まれることが多く、何を話そうかとテーマを考えるのにも一苦労します。今日は「お腹が張る」とテーマに講演することにしました。お腹が張るという症状は結構多いのですが、下痢や便秘と違ってなかなか病院を受診されないことも多いようです。また、胃カメラなどの検査を受けてもたいした所見もなく整腸剤をもらって様子を見るだけ、なんてことも多いと思います。腸閉塞のような大変な病気もお腹が張るところから始まるので、そのあたりはきちんと検査が必要ですが、それほど悪い病気でもないという場合、いい治療法もなく困ってしまうと思います。

    西洋医学的には機能性ディスペプシアとか過敏性腸症候群などと診断されることが多いと思われます。どちらの場合も胃腸薬がいくつかあるのでそのあたりを上手く使っていくのが標準的な治療となります。ところが、それでもうまくいかないときに心療内科や漢方内科に相談に来られるようです。受験や職場のストレスなどで朝からトイレに篭って遅刻しそうになるというような場合は過敏性腸の薬に併用して安定剤のようなストレスを緩和する薬が効果的です。漢方を併用するときもそのようなストレスを意識します。しかし、なかにはストレスも関係なく、年中調子が悪いという場合もあります。実は、そのような人にいろいろ聞いてみると、特に食後にお腹が張ってきて調子悪い、納豆やヨーグルトはお腹のためと思って食べるようにしていたが、食べたあとは特に調子悪くなるので最近は食べるのをやめた、みたいな方。これはSIBO(シーボ)とよばれる病気です。通常小腸内には腸内細菌はおらず、大腸が腸内細菌の生息の場なのですが、小腸内で細菌が過剰増殖して発酵することでお腹が張るのです。

    善玉菌といえども通常菌がいないはずの小腸で過剰増殖するのはよくありません。乳酸菌などの入った食品で腸まで届くという謳い文句のものを取ることで状態が悪化する場合はSIBOの可能性があるので控えたほうがいいと思われます。食べて調子がいい場合はひかえる必要はありません。腸内細菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖を多く含む食材もお腹が張る原因となります。お腹が張るのを防ぐためにおすすめなのが低FODMAP食といいます。本屋に並んでいる腸活をテーマにした本にはたいていこのことが書いてあります。ネットで検索するといろいろ出てくるので、お腹が張って困るという場合はいちどこういう食事を試して見ると良いと思います。

  • 人手不足でみんな過重労働中

    1日中雨が降り続きました。お陰で来院される患者さんはいつもより少なめでゆっくりと仕事ができました。読みたい本や調べたいことはたくさんあるのですが、仕事の合間にそれをするほど暇でもなく、気がついたら夕方になってしまいました。もうすぐ診療報酬改定があり、大幅に変更点があるため資料を読んだり説明会に参加したりしないと時代の変化についていけません。今回は特に私たちのように高血圧や糖尿病をたくさんみているクリニックにとっては大ダメージとなりそうなので、きちんと内容を理解して対策を取らないと大変です。国は従業員の賃上げをするようにと言ってきますが、今回の改定で収入が激減するようなら賃上げしたくても厳しい現状です。ただ、人不足が大問題で、賃上げしないと人が集まらないというおそれがあります。本当は医学の勉強をして臨床の腕を上げるために時間をさきたいのに、今回の診療報酬改定は頭が痛いことばかりで、対策に追われています。

    今日、とある町の役場につとめる公務員さんが来院されました。毎日夜10時半ぐらいまで残業し、土日も休みなく出勤しているとのこと。それって違法でしょう。国は働き方改革と言っているのに、まずは公務員の働き方こそ改善してほしいものです。別の患者さんで学校の先生も無茶苦茶な働き方しています。授業が終わったあと、夕方は毎日おそくまで部活の指導。土日も練習や試合で全く休みがない。本来の仕事以外が多すぎて過労死レベルです。

    医者も過労死するほど働いている人がたくさんいます。救急病院は相当大変だと思います。私たち開業医は夕方の診療が終わったら仕事は終わりのように見えますが、今回の診療報酬改定でもかかりつけ医は24時間対応できる体制を取るようにと書いてあります。いつ寝たらいいんでしょうか。そんな働き方が現実的にできるはずもないし、働き方改革といいながら無理難題を押し付けないでほしいです。

  • NHKゴガク一日も欠かさず1年聞きました

    未明からの激しい雷雨で目が冷め、1日中雨が降り続きました。こんな日に限って特に用事もなく、天気が良ければ阿蘇にでも行きたかったのですが、あまりに雨がひどいので家でWEB講演会に参加して午前中は勉強。午後はNetflixでドラマを見て過ごしました。夕方からいつものようにスポーツジムで5キロランニング。仕上げは水春で温泉です。春休みということもあり、温泉内は子どもたちがいっぱいでした。それにしても子供というのはなぜ走り回るんでしょう。

    私たち医療関係者は仕事中絶対に走らないようにしています。唯一走るのは患者さんが急変してAEDを取りに走るとか、何かよほどの理由があるときだけです。病院内には高齢者も多く、杖をつきながらやっと歩いているような人も多いので、周りの人が速く動くと危ないのです。ぶつかったら高齢者なら倒れて骨折するかもしれません。そんなことがないように、私たちは急いでも走らない訓練をしているのです。

    ちょうど去年の今頃、急に思い立って4月からのNHKハングル講座と中国語講座を聞き始めました。今週で1年分の講座が終了します。毎日忙しい中、一日も欠かさず聞きました。お陰でハングルが読めるようになったり、字幕と実際に言った内容に微妙な違いがある事に気がついたりするようになりました。今日は来年度(4月から)新しく始まる講座のテキストを買いに本屋に行きました。次の一年も頑張って勉強します。