むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • スライドもAIで自動生成できる

    お彼岸ですね。私はお墓参りには行っていませんが、ちょっと実家まで行ってきました。やっと猛暑が終わり、過ごしやすい一日でした。夜も久しぶりにエアコン無しで快適に寝ることができました。外に出ても息苦しさがありません。心地よい一日でした。行楽日和でしたが、私は昨日に引き続き天草での漢方の講演の準備で一日過ぎてしまいました。60枚のスライドがだいたい完成しました。あと少し細かいところを詰めたら終了です。講演の準備は実際に講演で話す5倍も10倍もの時間がかかります。

    最近人工知能(AI)がスライドを作ってくれるというのを知って、試してみました。内容をアウトラインだけ入れて自動作成のボタンを押すと、アウトラインに書いたことはもとより、それにたくさんの肉付けをして考察からまとめまで一連のプレゼンを全部仕上げてくれます。もしかしたらこれだけで講演できるんじゃないかと思うほどの出来でした。しかし、レイアウトなどがあまりにもプロっぽくて良すぎるので私らしさがないと思って、使わないことにしました。ただ、もし30分後に会議をするからプレゼンの準備をするようにと、突然言われたら、間違いなくこのソフトは有用です。ゼロからスライドを作るのは時間がかかりますが、AIならあっという間にできてしまいます。最後に持っていきたい結論だけAIに指示すれば、途中の流れは勝手に考えてくれます。ちなみに、Gammasというソフトです。日本語が使えます。無料でも結構使えます。

    講演のスライドを一からGammasに作ってもらうのではなく、自分が以前講演した内容をリメイクすればいいんじゃないかというアイディアが湧いてきました。そこで、一旦昔プレゼンに使ったパワーポイントのファイルをチャットGPTに読み込んでもらい、そのアウトラインを文章にしてもらいます。それをGammasにプロンプトとして入力すると、なんということでしょう、あっという間にスライドのリメイクができました。デザインはかなり目新しく、以前私がどこかで講演したのとは全く別の雰囲気になりました。ただ、これもまだ実験段階なので、今度の講演には使いません。しばらくいろんな使い方を研究してみたいと思います。

    下通りの路地で見つけた台湾唐揚げの店。スパイスが中華風でした。Netflixで台湾ドラマをいつもみているので、店頭でかかっていた台湾のBGMは知っている曲でした。

  • コウノメソッドを学び直し

    天気予報通り未明から雷雨となり、激しい雨が降り続きました。せっかくの連休だったので、予定が台無しになった方も多いことでしょう。私は昨日から老人ホームの入居者さんが発熱していると連絡があったので、朝一番に往診し、その後クリニックに行って主催する学会のプログラムの準備などをしました。これは連休中に仕上げたかったので、朝から集中して取り組めて良かったです。また、今度天草で漢方の講演を頼まれているので、そのスライド作りもしました。講演が1時間半あるので、スライドは少なくとも60枚くらい必要です。今回は消化器の話題で、ラフな準備はできたので、あとは細かいところを詰めていきたいと思います。

    夕方はいつものように水春のジムで5キロ走って、温泉・サウナでも汗を流して週末のルーチンをこなしました。あと一日休みがあると思うと、気持ちが楽ですね。やり残したことをもう一日して、あとは1週間の疲れを取ってゆっくりリフレッシュしたいと思います。

    認知症の治療で独自の画期的な方法を考案されたコウノメソッドは数日前にも書いたようにだいぶ前に勉強したものの、自費診療の部分が多く実践できずにいました。この度偶然見つけた市川フォレストクリニックの松野先生がコウノメソッドを分子栄養学や漢方医学などとハイブリッドにした新しいメソッドをWEBに公開しておられるのを見つけたので、1日中暇さえあればその動画を再生して勉強しています。これは栄養学と漢方を得意とする私にとって、まさに理想的な方法です。私も認知症の人には私なりに漢方や栄養のアドバイスをしていましたが、他のことで忙しくてあまり積極的ではありませんでした。今回、改めてコウノメソッドを勉強しなおす機会ができたので、当院での臨床につなげたいと思っています。

    朝夕ちょっと涼しくなってきました。快適な秋がやってきますが、風邪など引かれませんよう、健康管理にはくれぐれもお気をつけください。

    Copilitで描きました

  • 検診の心電図の有用性について

    残暑どころか猛暑の秋ですが、天気予報によるとようやく暑さも今日までで、週末雨が降っていよいよ涼しくなってくるようです。「なんとかこの夏を生き延びました」という言葉が挨拶になるほど厳しい毎日でした。さて、先週に引き続き連休となります。みなさん予定はいかがでしょうか?私はどこへ行く予定もなく、今度漢方の講演を頼まれているスライドの準備をしたり、主催する学会の準備をしたりしないといけません。これまで暑すぎて阿蘇などにもずっと出かけていなかったので、チャンスがあればちょっと温泉ぐらい行きたいなと思います。

    今日は日本語をあまり話せないイギリス人の患者さんが来ました。検診で指摘されたところの再検査でしたが、幸い問題なかったため、大丈夫だと説明しました。最近は、外国人が受診されることもだいぶ多くなっています。イギリスはどうか知りませんが、アメリカなどは職場で毎年検診を受けたり、ドックに行ったりする事はありません。日本はとてもめずらしい方だと思います。ご存知、特定健診はメタボ健診と言われますが、昔高齢者を対象に検診をしていたのを改め、若い世代の生活習慣病を対象にした検診に制度が変わったものです。しかし、特定健診で肥満や高脂血症を見つけることが国民の健康につながっているかという費用対効果に関する検証は何もないのが現状です。

    なかでも、検診の心電図には意味がないのではないかという指摘もあります。特に若い世代で無症状の人の心電図検査は有益なことはないとされています。もちろん50歳を過ぎている場合や、高血圧、糖尿病などの基礎疾患があれば不整脈などの自覚症状がなくても心房細動などの重大な不整脈が潜んでいる場合もありますので、検査を受けるメリットは大きいと思われます。ただ、胸が痛いなどの症状は病院に行った頃には症状が収まっており、心電図検査をしても異常なしという場合が多く、次は症状があるときに来てください、と言われたりします。そうはいっても、そんなタイミングで病院に行ける確率は非常に低いのが現状です。そのような場合は24時間心電図(ホルター)をするとうまく異常がつかまることもありますので、諦めずにご相談ください。

    Copilotでイラスト作成しました

  • 顎関節症、舌痛症の漢方治療

    鹿児島の漢方勉強会「桜岳塾」というのがあります。コロナの影響でWEB開催となってはや数年、私は仕事が終わって自宅でご飯を食べながら参加できます。他にも日本全国からエキスパートの先生が集まっており、ちょっとした学会のようです。鹿児島から司会進行し、長崎大学の先生が講演をし、福岡の先生もそれにコメントし、とWEBならではの展開です。本当に便利な世の中になりました。勉強をする機会が格段に増えました。これまでは熊本に住んでいると一流の先生との接点はほとんどなく、東京である学会などに行かない限り著名な先生の顔も知りませんでしたが、今やパソコン越しに著名な専門家といとも簡単に接することができます。

    今日の勉強会のテーマは、顎関節症と舌痛症でした。顎関節症は、従来は咬合不全(噛み合わせの悪さ)が原因とされてきましたが、ストレスなど心因性のものも多いとのこと。面白いのは、ご主人が定年退職してずっと家にいるようになると、奥さんがストレスで顎関節症や舌痛症になる例があるとのこと。ストレス、怖いですね。いや、定年して暇なお父さんも怖いですね。やっぱり、元気なら75歳くらいまでは給料は安くても再雇用などで外に出て働いたほうが良さそうです。

    そもそも、定年が60歳となった1950年代の平均寿命は70歳前後でした。サザエさんの磯野波平は54歳です。あの頃60で定年するのは納得です。ところが今は90歳くらいまで生きますから、60で退職すると30年も残っています。働かずに貯蓄で生き延びるには長すぎます。

    さて、それはともかく、顎関節症や舌痛症を治療するのは結構苦労します。病態を正確に把握し、いろんな方法で戦略を考えるのですが容易ではありません。漢方を使って劇的に治る事がある反面、同じ処方でも全然効かないこともあります。今後もさらなる経験、勉強、研究が必要だと感じています。

  • コウノメソッドという認知症の治療法

    昨夜は近所の老人ホームに入居し、定期的に訪問診療をしているSさんの看取りでした。もう何ヶ月も前からだんだん寝たきり状態になり、そろそろかと心の準備はできていました。この施設はスタッフが充実しており、看取りはこれまでも何例も経験しています。呼吸が停止したと連絡が入ったのが深夜0時半ごろで、家から歩いて5-6分のところにあるのですぐに駆けつけました。しかし、ご家族が揃うのに一時間ほどかかると言われたため、深夜の時間を持て余して、一旦帰宅しネットで調べ物をしていました。すると、認知症は治せると言う本を出版されている河野先生の治療法(コウノメソッドという)をみっちり勉強されて、クリニックを開業されている市川フォレストクリニックの松野先生についての情報を目にしました。この先生は、無料で医師向けの認知症セミナーを多数開催されているのです。

    以前私もコウノメソッドを勉強し、認知症治療で有効な治療法については理解しているつもりです。逆に、現在保険適応されているアルツハイマー治療薬がほとんど期待できないことも知っています。そこで、当院ではこの手の薬をめったに処方しません。たまに、この患者さんには効果が期待できると思ったときだけ処方しています。私がコウノメソッドを勉強しながら、あまり実践しないまま時間が過ぎてしまった理由は、河野先生が推奨する有効な治療法の多くが保険適応外であり、自費診療になるからです。自費とはいえ、最近話題の非常に高価なアルツハイマー治療薬と比べれば、それほど高くはありません。しかし、保険診療と自由診療を組み合わせた混合診療は、私たち保険医にとっては非常にハードルが高いのです。

    松野先生が、循環器、漢方、栄養学の3本柱でコウノメソッドを勉強し、それをもとに独自の治療法を開発されたと聞いて、その3本の柱が私と全く同じであることに驚きました。深夜、ネットで松野先生のことを知り、ワクワクしながら「認知症の勉強をもう一度やろう」と心に決めました。Sさんの看取りを通して、改めて学び直すきっかけを頂きました。

    ビビン冷麺@ネネチキン(三年坂)

    韓国冷麺のダシ(梨のようなフルーティーな香りと酸味が混じったもの)がシャーベット状になっており、辛味ダレと混ぜながら冷え冷えの麺をいただきます。冷やし中華とは全然違う味わいです。