むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • タイパ重視生活

    日曜日はクリニックのワックスがけでした。私はいつものように院内待機で、部屋に缶詰状態でした。いつもはこの時間にNetflixを見たりするのですが、今日は東洋医学会がWEBであったので朝からそれに参加しました。同時にもう一つ毎週参加している統合医療系の勉強会にもWEBで参加しました。目の前に2つのパソコンを開いて同時進行です。更に、たまっていた領収書を整理して帳簿をつける作業もしたので、3つのことを並行して行いました。最近はコスパならぬタイパという言葉が流行っています。タイムパフォーマンスの略で、時間のムダを省き効率いい仕事(遊び方)をすることです。私はタイパという言葉が出る前からながら仕事、ながら勉強をするよう習慣づけていたので、今ではこんな極端なタイパ生活を送っています。私の妻も、読書の代わりに音読してくれるサービスを2倍速で聞いていたのでかなりタイパ生活やってるなと感心しました。

    2つの講演会が終わったあとは、今度自分の講演で使うスライド作りをしました。つい最近Netflixで「ゲキカラドウ(激辛道)」シーズン2の配信が始まったのを見つけたので、それを見ながらスライドづくりです。辛いもの好きですからこのドラマにはハマります。お陰でスライド作りは遅々として進みません。折しも月初でレセプトチェックがあるのに、そこまで手がまわりません。院内の部屋に缶詰にされているとせっかくの週末が残念な感じで過ぎてしまうので、ランチ(弁当)は時間をかけて準備しました。

    最近はほぼベジタリアン生活なのですが、弁当は少量のおかずで栄養を取らないと訪問診療や午後の仕事に差し支えるためいつも魚の天ぷらや鮭の塩焼きなど若干の動物性蛋白をとっています。今日は日曜だったのでいろんな野菜料理をいくつものタッパーに詰めていきました。お陰でハッピーランチ。夜遅くにはいつものジムの温泉だけ入りにいき、あっという間に週末が終わってしまいました。

    今日のランチ こんにゃくステーキ、ブロッコリーとスナップエンドウの胡麻和え、椎茸と紫大根のサラダ。

  • コロナ後遺症の頭痛を治す

    最近またコロナ後遺症の患者さんが増えてきました。コロナは報道によると第10波がピークアウトしたのではないかと言っていますが、これくらい時間がたつと第何波かは関係ないです。誰も興味ないと思います。ただ、感染が増えるとその後しばらくして後遺症の患者さんで当院が忙しくなります。一番多いのは倦怠感と長引く咳なのですが、案外患者さんが困って来院されるのが頭痛です。普通、頭痛は鎮痛剤(頭痛薬)が効くはずですが、不思議とコロナ後遺症の頭痛は鎮痛剤があまり効かないみたいです。その理由を考えると、コロナの場合、全身で炎症を起こす特徴があるため、おそらく頭でも炎症を起こしていると思われます。大げさに言えば無菌性髄膜炎みたいな病態です。そう考えると、炎症を抑える抗炎症剤でないと頭痛が取れないのだろうと思っています。

    私がこの仮説を思い立ったのは20年ぐらい前の話です。当時は当然新型コロナのことなどまったく予想もしていなかったわけですが、私がテキサス大学に留学したとき日本人会の先生があちらでの生活の立ち上げを手伝ってくれた際に、テキサスでひどい高熱と頭痛を来す風邪にかかったとき日本から持っていった薬が全然効かずに病院でこの薬をもらっで飲んだらすごく効いた、といってわけてくれた薬があったのです。そのときは「あ、どうもありがとうございます」と言ったもののその薬のことはあまり気にかけていませんでした。何ヶ月かたち、あちらでの生活にも慣れてきた頃、私の妻が高熱を出して寝込んでしまいました。日本からいろいろ持っていった薬を使っても全然熱は下がらず頭痛もひどい。ふと思い出して前にもらった薬を使ってみたらすごく効きました。なるほど、住むエリアが違うと病気も違うし、治療法も違うんだとつくづく考えさせられた経験でした。

    これがコロナだったかはわかりませんが、今思い出すと新型コロナににた病状でした。それを覚えていたので、今回のコロナ後遺症の頭痛の治療には抗炎症剤が必要だと思い至ったわけです。当院では相当数の患者さんにその治療をしていますが、後で聞いたら頭痛はとれたと皆言われているので、結構自信を持って処方しています。ただ、保険の適応外使用になるので、詳細はここには書かないでおきます。

    イオンで見つけたこんにゃく麺で作った辛ラーメン風。1食たったの72カロリー!最高!

  • めまいの患者さんが増えてます

    短い2月はあっという間に過ぎ3月になりました。たしか2月は逃げる、3月は去るといいますね。年度末で確定申告もあるし、会社によっては決算もあるし、急に転勤が決まったという人もいます。先週は大学入試、今日は公立高校の卒業式でした。慌ただしい日々です。その影響なのか、クリニックは若干暇でした。ただ、暑かったり寒かったり季節の変わり目で体調がすぐれない人も多いし、花粉症が本格的に始まってきつくなってきた人もいます。

    なかでも、今日目立ったのがめまいの患者さんです。朝起きようとしたらグラグラっとめまいがした、みたいな感じです。通常寝返りで起こるめまいは良性発作性頭位めまいといい、内耳の三半規管に耳石がひっかかったときに起こります。少し気持ち悪いのを我慢してそのまま右、左と寝返りすると引っかかっていた耳石が外れて、うまくいくとそれだけで治ります。正しいめまい体操の仕方はYouTubeで「Epley法」と検索してみてください。簡単ですので、すぐに真似できます。

    ただ、この時期暑さ寒さで起こるめまいは自律神経の症状ではないかと思います。平衡感覚を司る内耳の血流が不安定になるのかもしれません。病院ではめまいの治療でメイロンという注射や吐き気止めを点滴したりして、あとは苓桂朮甘湯や五苓散などの漢方を処方します。他にもめまいやフラつきの原因はいろいろあり、場合によっては頭のCTやMRI検査をおすすめします。転んで頭を打って、1ヶ月以上たって転倒したのもわすれた頃にふらつきが出てくることがあります。慢性硬膜下血腫といいます。脳外科で血腫を除去するとふらつきが治りますが、最近は軽症の場合は五苓散で治療するのが流行っています。

  • お腹が張る病態はいろいろ

    今日は2月29日でうるう日でしたね。4年に一度の稀な日。なぜか外来に来た患者さんはいつもの半分ぐらいでのんびりできた奇跡のような一日でした。このところ、いろんな講演を頼まれており、スライドの準備が全然進んでいなかったので、重い腰を上げて診療の合間に作り始めました。60分の講演だと50−60枚程度のスライドを作るのですが、それにかかる時間はその10倍くらい必要です。つまり講演を組み立てるには10時間ぐらいの労力が必要となります。膨大な資料を読んで、自分の考えていることに間違いがないかを下調べします。そうでないと、嘘を教えてしまうと視聴する皆さんにとって不利益となるからです。

    資料を読んでいて結構長い文章だったので、ふと思い立って、ChatGPTに「この文章を要約してください」とたのんだら、すごく短いサマリーを書いてくれました。短すぎてちょっと物足らなかったので、「もう少し詳しい要約に書き直し。箇条書きにまとめて」とオーダーしたら、あっという間に箇条書きのまとめができてきました。念の為、内容に誤りがないか再確認して、少し手直ししたらそのままスライドにできました!これは相当な時短になりました。それにしても、人工知能(AI)は文章の流れをきちんと理解しているとしか考えられません。要約する前の文章であいまいなところがあったのを、正確な言葉に置き換えて要約してくれていました。凄すぎます。

    今日スライドを作ったテーマは「”お腹が張る”を治す」です。お腹の不調はいろんな原因があります。急性なら胃腸炎の可能性が高いですが、慢性だと詳細に検討する必要があります。ストレス性の場合もあり、食生活が悪い場合もあり、腸内細菌の問題もあり、消化管カンジダの場合もあり、術後のイレウスとかがんが潜んでいる可能性もあります。そういったいろいろな可能性を考えながら検査を勧めたり治療法を考えたりするわけです。当院では漢方をよく使いますが、それだけでは太刀打ちできないこともあり、使える手は何でも使って治すのが私流です。

  • 更年期症候群

    昨夜は満月を少し過ぎていましたが、夜に東の空からきれいなお月さまを見ることができました。私は毎朝まだ暗いうちに出勤しますが、今朝も西の空にまだ月を見ることができました。不思議なのは、毎朝見ていると月は右(北)に行ったり左(南)に行ったり沈む位置が全然違います。どうしてこんなに変化するのでしょう。それにしても朝は3Cくらいしかなくて寒かったですね。昼温かいからと油断するといけません。寒暖差が大きくて体調が悪いという患者さんも多く見られます。面白いのは、寒くて調子悪いという人と、暑くなって調子悪いというひととどちらのパタンもあること。体質によって感じ方がぜんぜん違うのは不思議ですね。

    更年期頃(50歳前後)に自分だけ急に顔がほてって発汗する、というのはよくあります。これは婦人科で検査するとエストロゲン(女性ホルモン)が低下しているのがわかるので、場合によってはホルモン補充療法もあり、それによってかなり症状が軽くなります。ホルモン補充は乳がんなどのリスクもあるので、専門の先生に見てもらいながら行うことになっています。一方、まだ30代でホルモンは減っていないけどホットフラッシュがあるとか、70歳も過ぎて更年期は過ぎているけどホットフラッシュがあるという場合もしばしば目にします。これは、ホルモン補充療法の対象とはならず、漢方の出番だと思います。

    漢方でよく使うのは加味逍遙散ですが、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸なども使われます。当院は漢方専門なので、婦人科でこのような処方をもらったけどあまり治らない、という方が来られます。そのような場合、更に処方を組み合わせたりして工夫します。男性では、ホットフラッシュでなく足がほてるなどのほてり症で来院される場合が多いです。ほてりはホットフラッシュと一見似ていますが、違う漢方を使います。六味地黄丸、三物黄芩湯などです。これらの処方は症状に対して1対1の関係にあるわけではないので、患者さんごとに証(漢方的な見立て)を確認しながら処方を選びます。