むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • デザート豆腐を発見!

    春と秋ではどちらが好きですか?小さい頃、そんな質問をよく聞かれた記憶がありますが、最近ではあまり聞かれなくなりました。私が小さい頃は秋が好きでした。暑い夏が終わり、日に日に快適になり、果物も美味しく、夜も暖かい毛布に包まれて寝るのが好きでした。それが、いつの頃からか、年を重ねるにつれて春の方が好きになりました。桜が咲き、つつじが咲き、チューリップが咲く。どんどん暖かくなり、草花も鳥たちも活気づきます。まあ、比較しても仕方ありません。どちらも素晴らしい季節です。私は春も秋も大好きです。

    春は花粉症が有名です。症状がひどくて困っている人も多いと思います。一方、秋もアレルギーのシーズンです。アレルギー性鼻炎もありますが、喘息も増えてきます。アトピー性皮膚炎も症状が悪化する人が増えます。アレルギー症状にはアレグラなどの抗ヒスタミン剤を使うことが多いですが、当院でも各種抗ヒスタミン剤を取り揃えています。強いもの、弱いもの、眠くなるもの、眠くならないもの、いろいろあります。点眼薬もあります。内科受診のついでにお気軽にご相談ください。

    先日はイオンでこんにゃくを使ったデザート(わらび餅やチョコバナナなど)を見つけて、喜んで食べましたが、今日は新しいものを見つけました。ラムレーズン味のごま豆腐と、モンブラン味のごま豆腐です。早速買ってきて食べてみましたが、あまりの美味しさにびっくりです。低カロリーで満足できる味わいです。デザート豆腐なんてアイディアすごすぎます。ぜひお試しください。

    先週に引き続き、またベトナム料理フォーリーコックッスに行きました。週末はバイキングのメニューがあり、春巻きなどが食べ放題。美味しくいただきました!

  • 病院の待ち時間について

    昨日は診療が夕方の6時半過ぎまでかかりました。7時半から漢方のWEB講演会で座長を頼まれていたので、大急ぎで会場に駆けつけたところ、ギリギリ間に合いました。裏道を巧みに走ってくれたベテランタクシー運転手さんに感謝です。講演は日赤の加島先生が「むくみの漢方治療」について解説していただきました。若い女性や高齢者からのむくみの訴えは非常に多いので、とても参考になりました。漢方の初学者は五苓散ばかり使うかもしれませんが、勉強が進むと、患者さんごとに異なる病態に応じて適切な処方をすることができるようになります。

    講演が終わり、質疑応答の時間に、熊本市の地下10キロを震源とする震度3の地震がありました。ほとんど直下型で余震もなくどーんと来たので、久しぶりにびっくりしました。私はローカルのWEB講演会だと思っていたので、地震は視聴者全員が感じたと思っていたら、実は日本全国から200名ほどの参加があったとのことで、驚いたのはごく一部の参加者だったと後で知りました。また、視聴者が全国にいるとは知らず、ついつい漢方について雑談的な話にまで及んでしまい、あとで少し恥ずかしく感じました。それでも、雑談の中から少しでも印象に残ることがあれば、それも勉強ですのでお許しください。

    このところ、朝晩は少し涼しくなりましたが、日中はまだまだ驚くほど暑いので、私はエアコンを強めに付けて診察しています。季節の変わり目で体調不良を訴える方が特に増えている印象です。夏バテが一番多いですが、喘息や秋の花粉症などアレルギー疾患、職場の異動によるストレスで体調を崩した方、2学期が始まって学校に行けない学生さんなど、診察室はいつも以上に患者さんでいっぱいです。

    今日ネットを見ていたら、病院の待ち時間についての記事を見つけました。日本の多くの病院では何時間も待たされる一方で、予約制の進んだ海外の病院は待ち時間が少ない。ただし、予約が取れるのは数カ月先。結局、フリーアクセスでいつでも診てもらえるのは嬉しいけど、2〜3時間待ちが当たり前の日本と、海外の2〜3ヶ月待ちの待ち時間を比較すると、日本はまだ良い方かも、という話でした。私が書くと自己弁護になりそうですが、極力待ち時間短縮のため、テキパキと診察を進めたいと思っています。ご来院いただく皆様にもご協力をよろしくお願いします。

    Zoom講演会の様子 Copilotで挿画作成

  • リーキーガットについて

    昨日はお腹が張るSIBOという病態について解説しました。今日は「リーキーガット」について書いてみようと思います。最近、患者さんからもこの症状について相談されることが増えてきましたが、まだあまり知られていない疾患です。リーキーガット、つまり「腸漏れ」とは、腸のバリア機能が低下して、本来なら吸収されないはずの有害な物質が体内に漏れ出してしまう状態のことです。これが原因で、さまざまな体調不良が引き起こされることがあります。

    まず、リーキーガットの症状は非常に多岐にわたります。よく見られるのが、お腹が張る、ガスが溜まる、食物アレルギー、便秘や下痢、慢性的疲労、肌のトラブル(湿疹やアトピー性皮膚炎)、不安感やうつ状態などの精神的な不調などです。こういった症状が慢性的に続いている場合、もしかしたらリーキーガットが原因かもしれません。

    リーキーガットの原因として考えられる要素はいくつかあります。グルテンやカゼインは、リーキーガットを引き起こす原因としてよく知られています。グルテンは小麦、ライ麦、大麦に含まれるたんぱく質で、パンやパスタ、ケーキなどに多く含まれています。グルテンに対して敏感な体質の方は、グルテンが腸のバリア機能を破壊しやすく、腸壁にダメージを与えることがあります。また、グルテンは消化しにくいため、未消化のまま腸内で炎症を引き起こすこともあります。カゼインは、牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質で、乳製品アレルギーの原因物質の一つです。カゼインもまた、腸のバリアを破壊しやすい成分であり、腸漏れを引き起こす可能性があります。特に、グルテンとカゼインは消化が困難な場合が多く、腸にとって負担が大きい食品です。抗生物質やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの長期使用は、腸内細菌のバランスを崩し、リーキーガットを引き起こすことがあります。

    リーキーガットを予防・改善するためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?まずは食事です。グルテンフリー、カゼインフリーの食事を取り入れることが有効です。グルテンを含む食品(パン、パスタなど)やカゼインを含む乳製品(牛乳、チーズなど)を控えることで、腸の負担を減らし、腸壁の修復を促すことが期待できます。発酵食品や食物繊維も腸内環境を整えるのに役立ちますが、SIBOのように発酵食品が逆効果になる場合もあるため、症状に応じて調整が必要です。

    下通り ベトナム料理「フォーリーコックス」にてエビの生春巻き 

  • お腹の張りを治す

    2週連続の連休でした。その連休が明けた昨日、今日は予想を遥かに超える忙しさでした。午前の診療が1時半までかかり、それからすぐさま訪問診療に出かけ、戻ってきたのが3時近く。そのまま午後の診療に入り、気がついたら夕方6時半を回って、やっと最後の患者さんでした。100名を超える診察が連日続くと、体が疲れるというより常に気持ちがあせって精神的に疲れます。こういうときは仕事の後にチョコザップに行って思いっきり走って汗を流すと、一日の疲れが全部吹き飛びます。

    さて、今日は最近患者さんから相談があった「お腹が張る」疾患について解説したいと思います。まず問題なのは、お腹が張るときに患者さんが良くする過ちに、腸内環境を整えようと、乳酸菌や納豆などの発酵食品をたくさん食べることです。実はそのようにたくさん食べた菌が腸に届いてしまうと、そこで発酵してガスが発生し、お腹が張ってくるのです。これはSIBO(シーボ)と呼ばれる病態です。通常は胃酸が口から入った菌を殺菌するのでこういうことは起こりませんが、胃酸を強力に抑える胃薬を飲んでいると殺菌能が低下します。また、乳酸菌などが腸まで届くように商品開発されたものもあります。お腹が張るときは、このような発酵食品を極力控えてみましょう。

    当院に相談に来られたら、まずヨーグルト、納豆、その他の発酵食品をたくさん食べていないか聞き取りを行います。もし食べていたら、しばらく控えてもらうようにアドバイスします。それでお腹の張りが良くなるようなら、問題は解決です。良くならない場合は、低FODMAP食という食事を勧めます。腸内で発酵が進みやすい食材を避けるのです。たとえば、玉ねぎ、にんにく、乳製品、豆類などが該当します。多彩にわたるため、あまり神経質にならずに、試してみるくらいの気持ちで取り組んでください。あとは、漢方薬を使って腸内細菌の量を調整し、お腹の張りを取っていきます。

    ベトナム料理 フォーの専門店 下通り「フォーリーコックス」

  • 酵素反応と体温の話

    気持ちのいい朝でした。新聞を取りに外に出たら、カラッと乾燥してひんやりとすがすがしい空気が胸に入ってきて、とてもいい気分になりました。そのまま家に入るのがもったいない。時間があるならブラブラと散歩でもしたくなるような、素晴らしい秋晴れの朝。こんな天気がしばらく続いてくれると嬉しいな、と思います。

    私たちの体調が気温に影響されるのは、酵素反応の問題があります。体内では、食べ物をエネルギーに変えたり、不要な物質を解毒したりと、さまざまな酵素が活躍しています。その酵素には「至適温度」というものがあり、最も効率よく働くためには適切な温度が必要です。高すぎても低すぎても良くありません。特にウイルスが体内に侵入した際、免疫機能は体温が少し高めの状態で最も効果を発揮します。体はインターロイキンやプロスタグランディンなどの物質を作り、体温を上げて免疫機能を高めます。風邪をひくと熱が出るのはこのためです。熱によって頭がぼんやりすることもありますが、それでも外敵を排除することを優先しているのです。解熱剤を飲むと熱が下がり、頭はスッキリしますが、せっかく体が免疫を高めるために反応しているのを抑えてしまうため、風邪が長引くことが知られています。したがって、解熱剤はどうしても症状が強くて辛いときや、食事が取れないほどきつい場合に限って使用するのが望ましいです。

    酵素の話をもう少し掘り下げてみます。酵素はタンパク質でできているため、外部から摂取したものがそのまま体内で酵素活性を発揮するわけではありません。酵素は胃酸で変性し、消化されてしまいます。体内では、必要な場所に必要なだけの酵素が自然に生成されているため、食事やサプリメントで酵素を補うことは、あまり効果が期待できないと言われています。昔はさまざまな酵素が医薬品として使用されていましたが、最近ではほとんど使われなくなりました。しかし、一部の酵素は消化を助けるものとして使われているため、すべてが無意味というわけではありません。

    例えば、パパインという酵素はパパイヤに含まれており、肉の消化を助ける効果が昔から知られています。私がアメリカにいた頃、よく見かけたのが「ミートテンダライザー」と呼ばれる、パパインなどを含んだ製品です。これはステーキ肉などにまぶし、しばらく置いてから調理すると、肉が柔らかくなるという商品です。肉を食べた後に消化を助けるために飲むものではありません。また、酵素には「至適pH」という条件もあり、通常は中性付近が最も効果を発揮します。つまり、胃酸に触れない環境では効果を期待できるかもしれませんが、通常の食事中や消化過程ではその効果は限定的です。