むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • もみほぐし

    いよいよ連休ですね。シルバーウィークと言う休みですね。例年だと行楽シーズンですが、今年はまだ旅行できる状態ではありません。飲食店もしまっているので、何も楽しめません。せいぜい、日中ドライブしたり、コスモス畑を見に行ったりするくらいでしょうか。私は、医師会病院の救急外来の出動協力でせっかくの休みですが、仕事です。それ以外も、ひごろ時間がなくて後回しにしているいろんな仕事をこなす連休になりそうです。それだけでは、せっかくの休みがもったいないので、なにかしたいと思っていたところ、散歩中に新しくオープンしたもみほぐし店を発見しました。ホームページを探したらネット予約で初回お試しコースというのがあったので、早速行ってみました。

    先月から肩こりがひどすぎて腕までしびれていたのですが、マウスをトラックボール付きに替えて腕の負担をとったり、電子カルテで記録をかいたあと処方箋を発行する時の手順を見直しました。それだけで、カーソルの動きとクリックの回数を減らし、肩がこらない方法を模索しました。そして、自ら操体法を使うことで手のしびれはすっかり改善したのは前述のとおりです。それでも、肩こりは慢性的なので、もみほぐしに期待したわけです。

    行ってみたら、タイ古式マッサージという手法で、ストレッチと整体を合わせたような手技でした。私が鍼治療をする際にたまに患者さんに整体をしてあげるのですが、その技も織り込まれていました。そして、なんと最後に、肩こりを解消する操体法をレクチャーしてくれました。「それは知っている」とは言わず、素直に教えてもらったとおりセルフで操体法を何度かやったところ、肩こりも軽くなり、夢心地の60分があっという間でした。

    高森 月廻り温泉裏のグリーン

  • 頻尿あれこれ

    頻尿の訴えは結構多く、老若男女問いません。原因もいろいろです。とりあえず検尿して膀胱炎でないかを確かめます。膀胱炎だと、尿中に血液が混じったり、炎症細胞が入ったりします。顕微鏡で見ると、膀胱の上皮細胞が剥がれて出ているのが見えたり、よく見ると細菌が混じっているのがわかります。この場合、抗生剤で治療します。膀胱炎も、繰り返していると抗生剤を何度も飲むことになりますが、膀胱中の細菌はだんだん抗生剤に耐性を獲得し、効かなくなります。特に耐性になりやすいのは、クラビットなどのニューキノロンと呼ばれる抗生剤です。私は極力使わないようにしています。

    通常、膀胱炎は熱は出ませんが、細菌(炎症)が腎臓まで上がってくると腎盂炎といい、高熱が出ます。高齢者の風邪症状を伴わない高熱の場合、尿路感染(腎盂炎)と胆道系感染(胆石胆嚢炎、総胆管結石など)が隠れていることが多いため、見逃さないように注意します。尿路感染でなくて頻尿の場合、過活動膀胱を疑います。過活動膀胱は、早め早めに排尿することで膀胱に十分量の尿が貯まる前に尿意を催すようになったものです。典型的なものでは尿意切迫と言い、突然尿が漏れそうなくらい尿意が切迫します。

    高齢男性の夜間頻尿は前立腺肥大が原因のことが多いので、まずは前立腺肥大のチェックを行い、必要な治療を受ける必要があります。前立腺肥大などの原因がない夜間頻尿に、デスモプレシンという抗利尿作用(尿の量を減らす作用)のある新薬が出たのですが、最近使ってみて印象的だったのは、高校生で模試などの際にどうしてもトイレが我慢できないのが困るという症例で、デスモプレシンを処方したところ、試験の最中トイレにいきたくなるのはおさまったとのことで、大変喜ばれました。

  • 漢方にできること、できないこと

    漢方内科を標榜していると、いろんな患者さんが来られます。他でもいくつかの病院で見てもらったけど治らなかったという難しい症例がおおいので、とても鍛えられます。それでも、漢方のすごいところは、たいていの訴えはなんとかなるところです。しかし、そうは言ってもなかなか治せない場合もあります。

    難しい訴えその1:耳鳴り。これは耳鼻科では歳のせいだから諦めるように、と言われます。漢方では、高齢者の耳鳴りと、若い世代のストレスから来る耳鳴りを分けて考えます。確かに高齢者の耳鳴りは治りにくいと思います。セミの鳴くようなとか、エアコンの室外機やエンジンのような音と言われることが多いです。八味地黄丸が基本処方です。一方、若い世代のストレス性の耳鳴りはキーンという高い音です。加味逍遥散や抑肝散を使います。こちらは治ることがあるので諦めずに治療することを勧めます。

    難しい訴えその2:不眠。不眠に使う漢方はたくさんあるものの、西洋薬の睡眠薬にはかないません。たとえば妊婦さんで漢方で眠れるようにしてほしいと言われる。教科書的な漢方の使い方ではたいして眠れないことが多いので、いろいろ組み合わせます。いまだに試行錯誤です。

    逆に、通常の内科で難治だった症例で漢方なら案外簡単に治るもの。喉のつかえ;半夏厚朴湯や柴朴湯を使います。慢性腎臓病(eGFRの低下):防已黄耆湯が著効します。足の筋肉のつり;芍薬甘草湯。有名ですね。フラッシュバック(過去の嫌な思い出がよみがえってくる):四物湯+桂枝加芍薬湯。神田橋処方と言いますが、すごく効きます。目の周りのぴくつき:抑肝散がよい。ホットフラッシュ(更年期で熱くなったり汗が出たり)には加味逍遥散や女神散。これらは漢方で治すのは難しくありませんが、西洋薬だとあまり適切な治療法がなくて困ってしまうものばかりです。

  • たこつぼ心筋症

    たこつぼ心筋症という病気があります。変な名前ですが、国際的にもこのままTAKOTSUBOで通用します。ただ、外国人にわかりにくいので英語名でカテコラミン心筋症という別名もあります。非常に心筋梗塞と紛らわしく、鑑別診断に上がるのですが、最終的には心臓カテーテル検査ではっきりすることもしばしばです。症状は心筋梗塞とにていて、胸が苦しい、しめつけられる、呼吸困難感などです。心電図を取ると心筋梗塞とほとんど見分けが付きません。心筋梗塞は冠動脈という心臓を取り巻く血管が詰まってしまう病気です。糖尿病や高コレステロール血症が原因となることが多いです。一方、たこつぼの原因はストレスです。身内がなくなったり、何かとても強いストレスにさらされたときに急に心不全のような胸部症状が出るのですが、心筋が麻痺したように動きが低下します。昔「心臓麻痺」と言っていたものの中にタコツボが含まれていたと思われます。

    先日、このタコツボの患者さんを経験しました。私は、心電図などから心筋梗塞を強く疑い、救急病院に紹介し、行った先でカテーテル検査をした結果タコツボと確定診断されました。さいわい心筋梗塞ではなかったので、数日で退院されると思います。このような症例は当院の外来で年に一人くらい経験します。

    漢方を専門にしていると、病名をつけるのも難しいような難解な症例によく出くわします。便宜上、自律神経とか、身体表現性障害とか疼痛性障害とか言いますが、なにか重大な疾患を見逃していないかといつもヒヤヒヤします。先日は胸水の溜まった人がいて、胸膜炎と思って治療したものの全く改善しなかったので大きな病院に送ったら縦隔腫瘍(悪性リンパ腫疑い)と言われました。CTなどの検査ができないわれわれクリニックでは患者さんの診察においてひたすら感性を研ぎ澄まして嫌な予感がしないかに注意を向ける必要があると思いました。

    根子岳ビュー 月廻り温泉より

  • 学校のオンライン授業は東進を見習おう

    小雨の一日でしたが、ずいぶん涼しくなりました。いつものようにエアコンを付けていると、半袖の白衣では少し肌寒い感じでした。季節の変わり目、風邪には気をつけましょう。喘息や秋の花粉症も増えてきています。ひどくなる前にきちんと治療しておくことをおすすめします。

    毎日仕事が終わったあとはWEB講演会に参加して勉強しています。便利なもので、家にいながらにして東京などから配信される一流の講師の先生の講演を聴くことができます。全国版だと、参加者は2500名ということもあります。すごいです。ローカルの漢方のWEB講演会でも、全国から参加できるので200名を超えることはザラです。これまでリアルの勉強会だと、50名がせいぜいだったので、WEB講演になり、空間の制約がとれてとても効率よく勉強できるようになりました。

    ニュースを見ると、学校の授業もWEB配信になったけど、先生たちは試行錯誤で大変と言ってます。しかし、それはWEB配信のメリットを全くわかっていない。上述の通り、WEBだと空間の制約がないのだから、とりわけ授業の上手な先生が一人講義して、それを学年全員で見たらいい。授業の下手な先生は、カメラや音声担当をすればいい。公立の学校なら全国規模で日本一講義の上手な人の授業を配信したらいい。オンディマンドにすれば時間的制約もなくなるので、見逃した人や復習したい人は何度でも見ることができる。それを今の学校では旧態然として担任がクラスの40名前後のためだけに授業して配信するから非効率的だし、WEB講義が下手な人に当たれば最悪。この分野は、東進衛星予備校が先駆者です。一流講師陣の講義を日本全国から好きなときに受講できる。これからは塾だけでなく学校もこうあるべきでしょう。担任は授業するのではなく、履修状況の確認と受講のサポートだけすればいい。発想を変えないと公務員の先生たちはいつまでも効率の悪いことをやり続けるでしょう。