むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 才能を活かす生き方

    医療関係のニュースを見ていたら,福島孝徳先生(https://dr-fukushima.com/profile) がなくなったとの報道を見ました。マスコミにもよく登場されるのでご存知じの方も多いかと思います。神の手を持つといわれるほど脳外科の手術がうまかったそうです。アメリカのデューク大学の脳外科教授で日本にも度々来日して手術をされていたようです。福島先生の精力的な働き方を見ると、われわれ医師も負けてはいられないという気分にさせられます。どこの病院でも手術不可能といわれた難症例に果敢に立ち向かって、自分なら手術できるといい、多くの患者さんを救ってこられました。もともと相当難しい症例ばかりなので、術後の経過が思わしくない症例も多々あったようで、そういう人たちからは悪く言われることも多かったようですが、危険だから手術をしないという普通の脳外科医とは違って、あえてリスクを取り、それなりの成果を挙げられました。また、80歳を過ぎる最近まで精力的に世界を飛び回り、後進の指導をしながら手術をバンバンされていたバイタリティーには驚かされました。馬車馬のように生きられたと思います。

    人はそれぞれ生まれ持った才能があります。手先が器用な人、記憶がいい人、力持ちな人、健康で病気しない人、数学が得意な人、絵が上手い人などなど。そういった自分の才能を知り、それを出し惜しみせず世のため人のために全力で生きることができれば、素晴らしいと思います。なかにはせっかく才能があるのに開花しないまま一生を終える人も多いと思います。日本の教育制度は、個人のいいところを伸ばすよりも、人と同じ様に平均的な人間に仕上げることを目的としています。残念ながら、そのせいで数学が得意で国語が苦手な人は、国語をしっかり勉強しなさい、といわれます。そして、国語ができないばかりにいい大学に通らない。近年やっと一芸に秀でる人を採用する大学など出てきましたが、幼少期からの教育が、人と違うと怒られるので、なかなか才能が伸びないようになっています。

    私の子どもはアメリカで幼稚園にいきました。あちらでは「みんな違う」を大前提にしていました。国籍も好きな食べ物も、好きな遊びもみんな違う。その違いを発表し、自分は他のみんなとどういうところが違うのかを小さい頃から意識しながらその才能を伸ばす教育をされていました。これからの日本もそういう教育をしてほしいと思います。

    雲の向こうの太陽。iPhone8