むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 頚椎症には首の指圧

    手がしびれるという訴えで来院された場合、しびれる範囲がどこからどこまでか、動きに問題はないのかと細かに症状を確かめます。それだけでだいたい怪しい病変が推測できます。一番多いのは頚椎症です。よく聞くとむかしむち打ちになったことがあるとか、スマホ首で整形にかかってストレートネックを指摘されたとか、頚椎関係のトラブルの既往が出てきます。そのようなときは患者さんの首の筋肉を触ってみます。すると、たいてい耳の下の少し後ろあたりに筋肉がカチカチに凝っているところが見つかります。そこを斜め45度方向に指圧すると、患者さんは「効くー」といい、数秒後にはしびれが治ったと言われます。実は私も1日中パソコン(電子カルテ)を見ながら作業しているので首から腕にかけてしびれが出ることがあり、自分で首の指圧をやっているうちに治す方法を発見したのです。

    このような治療法をセルフ整体と言いますが、私がセルフ整体に興味を持ったのは10年ぐらい前にたまたま書店で見つけた整体の本を見て、外来で患者さんに自分で簡単な運動(ストレッチや操体法)とか指圧の方法を教えて見たところ、とても効果的だったところから始まります。当院でも鍼治療をしていますが、鍼の効果は2−3日しかもたないので、できれば患者さん自身に方法を覚えてもらい、ツボ押しなどをやってもらったほうが治療効果がいいと思ったのです。

    当時、手がしびれる患者さんに指導していたのは首にタオルを掛けて前方向にじわーと引っ張る運動です。これでストレートネックを矯正することができるのでしびれが取れます。治す方法を教えても、やってくれるかどうかはその患者さん次第です。そこで、タオルなどの小道具を使わず私の指圧でちょちょっと指圧して治してあげると、患者さんはびっくりして、これなら自分でもできそうだと思ってやってくれるわけです。指圧でいったん治しても、日頃の生活習慣(悪習)により症状は再発するので、また同じ治療を自分でやったらいいわけです。指圧やセルフ整体を何度もやっていると、だんだん骨格が矯正されてきて治癒するので、やったもの勝ち続けたもの勝ちです。

    春ですねー