むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 更年期症候群

    昨夜は満月を少し過ぎていましたが、夜に東の空からきれいなお月さまを見ることができました。私は毎朝まだ暗いうちに出勤しますが、今朝も西の空にまだ月を見ることができました。不思議なのは、毎朝見ていると月は右(北)に行ったり左(南)に行ったり沈む位置が全然違います。どうしてこんなに変化するのでしょう。それにしても朝は3Cくらいしかなくて寒かったですね。昼温かいからと油断するといけません。寒暖差が大きくて体調が悪いという患者さんも多く見られます。面白いのは、寒くて調子悪いという人と、暑くなって調子悪いというひととどちらのパタンもあること。体質によって感じ方がぜんぜん違うのは不思議ですね。

    更年期頃(50歳前後)に自分だけ急に顔がほてって発汗する、というのはよくあります。これは婦人科で検査するとエストロゲン(女性ホルモン)が低下しているのがわかるので、場合によってはホルモン補充療法もあり、それによってかなり症状が軽くなります。ホルモン補充は乳がんなどのリスクもあるので、専門の先生に見てもらいながら行うことになっています。一方、まだ30代でホルモンは減っていないけどホットフラッシュがあるとか、70歳も過ぎて更年期は過ぎているけどホットフラッシュがあるという場合もしばしば目にします。これは、ホルモン補充療法の対象とはならず、漢方の出番だと思います。

    漢方でよく使うのは加味逍遙散ですが、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸なども使われます。当院は漢方専門なので、婦人科でこのような処方をもらったけどあまり治らない、という方が来られます。そのような場合、更に処方を組み合わせたりして工夫します。男性では、ホットフラッシュでなく足がほてるなどのほてり症で来院される場合が多いです。ほてりはホットフラッシュと一見似ていますが、違う漢方を使います。六味地黄丸、三物黄芩湯などです。これらの処方は症状に対して1対1の関係にあるわけではないので、患者さんごとに証(漢方的な見立て)を確認しながら処方を選びます。