むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 人参パワーを実感しました

    コロナもインフルエンザ(A、B)も毎日たくさん来院されます。インフルエンザと確定された場合タミフルを処方するので簡単ですが、コロナの場合とインフルエンザでもコロナでもない場合はこれといった処方はないので漢方を出すことが多くなっています。おりからの医薬品不足で咳止めやたんを切る薬は殆ど入手できませんから、咳止め系の漢方を出すことが多くなります。しかし、その漢方もかなり品薄になっていて、薬局の方では医薬品調達に毎日難儀していると思います。当院は通常から漢方薬の使用量が多いため、こういう状況でもわりとメーカーが融通してくれているのですが、それでも葛根湯や麻黄湯など風邪の初期によく使う処方が出しづらくなっています。葛根湯が肩こりに効くから1ヶ月分ほしいなど言われても今は無理です。もし風邪の人に3日分ずつ出せばその分で10人が助かります。コロナやインフルエンザの療養期間は5日なので本当は5日分処方したいのですが、それもできません。薬がないので3〜4日分の処方となります。

    そんな中、私も先日風邪を引いてしまいました。サウナで目一杯汗をかいたあと、冷水にドボンと入り、その後よせばいいのに寒い中椅子に座って外気浴なんてしたら、なんか喉の調子が悪くなり、翌日には咳が出るようになりました。咳止めは手に入らないので、門前の凌雲堂薬局においてもらっているコタロー漢方咳止め「一風飲」を買ってきて使ったりしましたが、診察中話そうとすると咳き込むので、うまく話ができず来院された皆さんには大変失礼しました。帰宅後、朝鮮人参エキスを耳かき一杯お湯に溶かして飲んでみたらみるみる体調が回復して、今日はすっかり調子よく仕事できました。それにしても人参パワーはすごいです。

    実は、漢方の世界で風邪の治療に人参を使うのは火に薪をくべるようなものだから気をつけろと習います。人参が入った補中益気湯などの「補剤」は風邪の初期には使わず、しばらくたって回復が遅れてきたと判断した時点で処方します。ところが、今回の私の経験から、風邪早期に人参を入れて体力をつける治療もいいものだと実感しました。「ロイヤルゼリーとかユンケルなどで一発で風邪を治す」という人もいるように、そう言う「補剤」も使って見る価値ありです。