むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • まだいる、コロナ後遺症

    コロナの新患はもう2ヶ月位見ていませんが、いまだにコロナ後遺症と思われる患者さんは来院されます。感染後すでに3ヶ月ぐらいたつのに動悸、息切れ、倦怠感、頭がボーとするなどの症状が続いているという例が多いです。あまりにきつくて仕事にならないとか、家事ができないとか、花見をしてもみんなと同じように動けなかったとか、それぞれいろんな症状があります。とにかく、いつまでたっても一向に改善しないので、家族や友人からは更年期じゃないかとか、鬱になったんじゃないかとかいろいろ言われて、その結果不安が増してしまったりしているようです。

    実際にコロナ後遺症で鬱になる人もいます。そういうときは迷わず抗うつ剤を使います。本物のうつ病ではなく、一時的にうつ状態になっているだけなので、一旦薬で症状を取ってしまえば、ずっと薬に頼る必要はありません。ただ、なかにはもともとうつ病があり、コロナ罹患をきっかけに悪化したという場合もあり、このような場合は長期戦になるかもしれません。

    また、うつではなくてもコロナ罹患後頭がボーとして集中力がなくなり仕事でミスばかりするという、いわゆるブレインフォグはかなりたくさんいます。自分ではコロナ罹患から時間がたっているので、その後遺症とは気づかないで過ごしている人もいるようです。私はブレインフォグに2つの薬を使います。1つはオメガ3(DHA, EPA)という魚の油のサプリみたいな薬剤。頭の栄養となります。もう一つがトリンテリックスという新しい抗鬱剤です。この薬は不思議と頭の回転が良くなりきりが晴れたようになります。この2剤を一つずつためし、場合によっては併用します。多くの人がこれで改善しています。