むらかみ内科クリニック

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  • 足のむくみについて

    足がむくむと言って来院される方は結構いますが、足がむくむのは亡くなる前兆と思いこんでなんとしてもむくみをとってほしいといわれることがあります。むくみは水分過剰の結果なので、利尿剤を強力に使えばだいたい改善することが多いですが、足は水分過剰でも全身で見ればそれほどでもないことが多く、利尿剤を使いすぎると脱水になってかえって体にわるいことが多々あります。脱水になると腎機能が低下し、血液がどろどろになる結果心筋梗塞や脳梗塞のリスクとなります。

    むくみの原因として心不全、腎不全、低たんぱく、リンパの流れが悪い、静脈血栓、足の炎症などが考えられます。本当に命に関わるようなむくみだと、一晩寝て朝起きたときもむくんでいるとか、まぶたまで水ぶくれしたように腫れているとか、ちょっと動いただけで息切れする、というレベルです。朝はむくんでいないけど夕方腫れてくるというのは普通です。立ち仕事などしているとそんなもんです。お年寄りの場合、デイサービスなどにいっても一日中ずっと椅子に座ったまま動かない事が多く、足の血流やリンパの流れが悪くなります。夜寝る時に足を心臓の高さにすることで足の水分が血管内に戻ってきて利尿されます。

    利尿剤でむくみを取る場合も、無理は禁物です。完璧を追求しないことです。特にこれから暑くなります。ただでさえ脱水になりやすい季節ですから、利尿剤を強力に使うのはためらわれます。塩分を取りすぎるとむくみは悪化します。よく患者さんが言うのは、前日外食したら翌日は必ず浮腫が出るようです。やはり外食での塩分摂取は多くなるので、気をつけないといけません。