むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 苓桂朮甘湯:魔法の薬

    琴平にオープンした韓国系スーパーYESマートでキムチペースト(浅漬けにまぶして漬け込むとキムチができる)を買ってきていたのですが、キムチを一から作るのは面倒。買ってきたキムチに混ぜてみたらすごく本格的な味になるのですが、少し塩気が強くなりすぎる。しばらく使いみちを考えていました。先日スーパーで摘果メロンが売ってあったので買ってきました。きゅうりよりほんのり甘くて上品なウリの味。これを薄切りにしてキムチペーストと混ぜて重しを載せて漬け込んでみたところ、素晴らしい味のキムチができました。早く乳酸発酵するように、できているキムチの汁をスプンですくって混ぜたのも良かったみたいです。みんなに振る舞ってあげたいくらい美味しい!ご飯が進みます。

    ところで、当院で私がよく使う漢方のNo1が苓桂朮甘湯です。通常はめまいの薬として、めまいがしたり立ちくらみ体質の人が飲むと良くなります。しかし、私はこの漢方をいろんなところで使い、素晴らしい効果を上げています。いくつかご紹介しましょう。まずは、慢性頭痛の28歳の女性。年中頭痛がするのでイブなどの頭痛薬を欠かせない。生理前や雨が降る前は特に調子悪い。苓桂朮甘湯を朝夕飲み始めたら頭痛が減って、ほとんど鎮痛剤を使う必要がないくらい良くなりました。

    次に、中学3年生の男子。2年生の2学期頃から朝起きられなくなりいちど目が冷めても昼ごろまでエンジンがかからずゴロゴロしている。午後になりやっと体が動くようになり、時々学校に行くが、休むことが多く出席日数も心配。受験生なので、勉強の遅れも気にしている。起立性調節障害の診断ですが、漢方的にはフクロウ体質と呼びます。漢方の粉薬は苦手とのことで、錠剤の苓桂朮甘湯を始めたところ、朝起きもできるようになり、遅刻せず学校に行けるようになりました。

    次に、35歳女性。家庭のストレスで動悸がするようになった。突然心臓がバクバクなって何もできない。これは漢方では奔豚といいます。苓桂朮甘湯を始めたら動悸の発作はかなり減って来ました。苓桂朮甘湯はこのようにいろんなコマッタを助けてくれる魔法の薬です。

    ボタン:根っこは漢方薬になります。中国の国花ですね