むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 認知症は軽いうちに対策することが大切

    時々認知症の相談を受けます。認知症かどうかは、物忘れのテスト(長谷川式など)をして評価しますが、早期の場合はこの点数はほとんど正常に出るため、認知症の程度がわかりません。頭のCTやMRIも、認知症以外の問題(脳梗塞や水頭症など)がないかをチェックするために必要です。また、MRIではアルツハイマーと関連する海馬の部分が萎縮していないかなど細かい分析ができるため、物忘れが出てきたかなと思う場合、専門の機関でMRIを撮ってもらうのは役に立つと思います。

    診断は、アルツハイマー型認知症の他にレビー小体型とか前頭側頭葉型とか、脳血管性(脳梗塞などの後遺症)とか、アルコール性など色々あります。どれに該当するかによって、経過が異なります。一旦認知症の診断がつくと、どのタイプにせよ治療に難渋します。あまり効く薬がないからです。一方、認知症の一歩手前を軽度認知障害(MCI)と呼びます。本人も家族もたまに「あれっ」と思うことがある程度で、気にしなければ見過ごすレベルです。しかし、対策を取るならこの時期を逃さず、治療を始めたほうがいいと思います。

    治療とはいえ、病院の薬ではありません。認知症は生活習慣の結果ですから、改められるところを一つでも改善することです。まず、糖尿があれば、きちんとコントロールすること。運動をする習慣を持つこと。ビタミンB,C,D,Eをしっかり取ること。魚を食べること(サプリならEPA)。カレー(スパイスのクミン)を食べること。テレビではなく新聞や本を読むこと。難聴があれば、補聴器などできちんと情報が入るようにすること。いろいろありすぎて大変ですが、できるところを一つでも多く取り組むのが大切です。