むらかみ内科クリニック

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  • 痛風と尿酸

    当院は痛風の患者さんが毎日のように来られます。突然足の親指の付け根や足首などが腫れて痛み、歩くのも困難になるものです。痛風疑いの際には採血をして炎症反応や尿酸の値を調べます。院内で検査するので、10−15分ほどで結果が出ます。ただ、痛みの発作が出ているときは尿酸の値がなぜか低いことがあり、必ずしも病態と尿酸値の間に高い関連性は認めません。ちょっと高いだけでも長年続けば尿酸が組織間に沈着するため、血液中の尿酸の値が必ずしも組織の尿酸の状態をあらわしていないという事です。

    尿酸が高い場合、尿酸の合成の問題、排泄の問題の2つに分けられます。合成の方は主にプリン体やアルコールを取りすぎることで、尿酸合成が促進してしまいます。一方、血液中に高くなった尿酸は尿から排泄するのですが、排泄遅延の方は日本人の約半数といわれており、遺伝的に尿酸排泄が遅いため、血液中に溜まりやすいと言われています。そこで、治療薬としては尿酸の合成を抑えるタイプの薬(ザイロリック、フェブリクなど)と尿酸排泄促進剤(ユリノームやユリスなど)の2種類に分類できます。どちらも尿酸を下げる効果がありますが、尿酸排泄促進剤のほうが効果が良いような気がします。当院では、しばらくどちらかで治療して尿酸値が下がりにくいと判断した場合、両剤を併用することもあります。

    痛みに関しては、整形では湿布や鎮痛剤(ロキソニンやカロナールなど)をもらうと思いますが、なかなか改善しません。そこで当院では、通常の鎮痛剤に加えて、ステロイドやコルヒチンなど強力な抗炎症剤を1週間ほど併用します。その結果、2−3日目にはだいたい歩けるところまで改善します。尿酸が高くて痛風になるのはたいてい男性です。まずは飲み過ぎに注意しましょう。