むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 東区の勉強会

    診療後、勉強会に参加してきました。今回の会は東区で循環器を標榜しているクリニックと日赤の循環器内科との病診連携の会です。同じ循環器を専門としている人同士ですから商売がたきではありますが、気心の知れた仲間です。和やかな勉強会でした。勉強のテーマは糖尿病です。

    最近は新しい糖尿病治療薬が出てきてこの分野は飛躍的に進歩しています。いままで内服薬やインスリンで躍起になって治療していた高血糖は結局頑張って下げても心血管イベント(心筋梗塞やそれに伴う死亡)を減らせなかったということで行き詰まっていたのですが、新しくでたSGLT2阻害剤は心血管イベントや腎不全をを抑制する効果が証明され、ホットな話題になっています。今となってはこの薬を使わないことが罪のような時代の流れです。

    当院でも多くの患者さんにこの薬剤を処方しています。血糖が下がるだけではなく心血管イベントを抑制するというプラスαの部分が大切です。私たちがなぜ血糖治療をするかというと、心筋梗塞などで早死にしないようにという思いがあるからです。それがなければ血糖がいくつでも関係ない話です。それはともかく、時代は一気に変わりつつあります。糖尿病治療は新しいステージにはいりました。

    北中洲

  • ナイアシンのつづき

    昨日ナイアシン(ビタミンB3)の重要性について書きましたが、一つ書き忘れたので追加します。ナイアシンはアルコールの分解にもとても重要な働きをします。したがって、ナイアシンが不足するとアルコールの分解が遅くなります。逆に、ナイアシンをしっかりとっておくと二日酔いしにくくなります。これから年末にかけてお酒を飲む機会が多いと思います。ナイアシンをしっかりとっておけば、二日酔いしないだけでなく、肝臓の保護にもなります。私はiHerb.comというサイトでアメリカのNowという会社のナイアシンアミドを買っています。アマゾンでも購入できます。日本のメーカーではDHCのビタミンBミックスの中にナイアシンが若干入っています。これだけでも二日酔い対策にはなります。

    通販サイトでナイアシンを検索すると、ナイアシンとナイアシンアミドという2つが見つかると思います。本当はナイアシンの方がいいのですが、ナイアシンをのむとナイアシンフラッシュと言ってカーと暑くなったり蕁麻疹のようなのが出ることがあるそうです。そこで、ナイアシン初心者はナイアシンアミドの方が安全です。ノー・フラッシュ・ナイアシンと書いてあるものは大丈夫です。ナイアシンアミドで体が慣れれば、本物のナイアシンもいけると思いますが、その際も少量から試してください。

    人を2つに分けると、聞いた知識を頭にしまってしまう人と、実践してみる人に分けられると思います。もちろん実践する人の方が進歩します。結果何もなくても行動しなかった人と同じです。良い結果が得られれば、一歩前進です。何もしないで立ち止まっていてはいつまでもそこにいるだけです。是非、このブログで得られた知識が自分に役立ちそうだと思えば実践してみてください。

    博多 天神 新天町

  • ナイアシンは大切

    毎日私の診察室ではどんな食事をとっているかを聞きます。タンパク質のとり方が足りない人が圧倒的に多いからです。多くの体調不良は忙しいのにかまけて食事を疎かにした結果起こってきます。忙しくて食事を抜いたり菓子パンやおにぎりだけで過ごしていると、ある日突然体調不良やうつのような精神不安定になります。食事をきちんと取って休息するに限ります。だるくて仕方ないと言われると朝鮮人参などを処方する毎日ですが、いくら人参を飲んでも食事内容が悪いと改善しません。食が細い人には食べてもらおうと思っても難しいことが多いので、思い切ってサプリを勧めます。たいていはDHCのマルチビタミン(Bミックス)とかビタミンC, Eなどです。また、ナイアシン(ビタミンB3)もとても大切です。

    ナイアシンは体内の500種以上の酵素に関与しています。食べ物からエネルギーを作るときに大切なクエン酸サイクルや電子伝達系ではNAD(P)Hとして重要な働きをしています。そこで、ナイアシンが足りないと体調不良が起こります。ナイアシンの原料はトリプトファンという必須アミノ酸で、体内では合成できないため食品で取らないといけません。肉、チーズ、ナッツ類に多く含まれます。

    摂取したトリプトファンからナイアシンができるのですが、同じトリプトファンから気分を安定させせるセロトニンや睡眠に関与するメラトニンも産生されます。そこで、食事でナイアシンを十分とっておくとトリプトファンはセロトニンやメラトニンに代謝されて気分を安定させたり睡眠を改善させるのですが、ナイアシンが足りないと体はまずナイアシンの産生を優先します。残念ながら最近日本ではナイアシンの医薬品は製造中止になってしまいました。私はアメリカ製のナイアシンを毎日摂取しています。ネット通販ができる患者さんには買ってもらうように勧めています。とても大切な栄養素です。心や体が疲れている人にはおすすめです。

  • TVネタも役に立つ

    先日テレビの健康番組で頻尿には青竹踏みがいいいっていました。簡単だし、たいしてお金もかかりません。頻尿の患者さんは多く、夜に何度も起きて睡眠不足ということも多いため、頻尿治療の薬を処方するのですがなかなか改善しません。ところが、このブログで紹介したのを読んで、青竹踏みを実践してみたら、初日から夜トイレに起きなくなったとのお喜びの声をいただきました。すごいですね。こんなことで改善するなら、今までいろんなひとに処方した薬は青竹踏みに置き換えて良さそうです。青竹踏みの道具は百均にもあると思います。

    今日のテレビでも面白い情報がたくさんありました。仕事が遅くなり途中からしか見ていませんが、印象的だったことをここにメモしておきたいと思います。まず、老眼には紅鮭が良い。グリルで焼かずにフライパンでオイル焼きにしたほうがいいそうです。次に、肩こりにはアーモンドが良い。特にアーモンドをはちみつにつけて一晩以上寝かせたものを1日20粒。毎日続けたほうがいいそうです。また、肩こりには水泳のメドレーを模した個人メドレー運動が良いと言っていました。クロール、背泳ぎ、平泳ぎの肩の運動をエアで行う。簡単です。私は犬の散歩をしながら肩をぐるぐる回します。同じ理屈です。

    私も最近は分子栄養学の勉強が進んで採血データなどからどんな栄養が足りていないかを分析する力がついてきました。人間ドックなどの結果を見ると正常範囲に入っていて何も指摘されていないデータでも、明らかにビタミン不足や栄養不足があります。今日来た患者さんも、データ(全て正常範囲)をみてきちんとした食事をとっていないでしょうと指摘したら、そのとおりでした。健康はまずきちんとした栄養摂取から始まります。

    九州場所 千秋楽

  • 重炭酸浴でポカポカ

    朝晩の冷えが厳しくなってきました。先日は朝から通勤途中の田んぼには霜が降りていました。初霜です。最低気温も5−6度だったと思います。ふとんも冬用にしておかないと風邪ひきそうです。私はマラソンをするようになってから体脂肪率が低下し、冷え性になってしまいました。炭水化物制限ダイエットも熱エネルギーが減るのか、冷えを悪化させます。そういうときは、脂肪分をしっかり取る必要があります。また、ビタミンEが末梢循環を良くするため、冷えに効きます。保険で求められている量はたかがしれているので、サプリで買って多めに飲まないと冷えは取れません。私はビタミンEは毎日800単位とっています。通常保険で認められる限度の2倍です。

    そんな中、昨日参加した統合医療学会で商品紹介のコーナーがあり、重炭酸イオン浴という新しい入浴剤が出ていました。通常炭酸浴(バブのような発泡性の入浴剤)は炭酸ガス(二酸化炭素)の力で血管が拡張してあたたまる作用が強いと説明されていますが、今回の商品はそれを一歩進化させたものです。炭酸ガスはしばらくすると抜けてしまいますが、重炭酸イオンは抜けません。また、ぬるめで10分程度入ることで、真水のお風呂の5倍は保温効果があるとのことです。炭酸浴は酸性なのですが、重炭酸浴は中性だそうです。

    サンプルを貰ったので早速使ったのですが、たしかに温かい!入浴後すぐに布団に入れば朝までポカポカでした。たまたまコピー用紙で指に切り傷があったのですが、なんと風呂上がりには治っていました。すごい!じつは、いろいろ調べてこの入浴剤の特許の秘密がわかったので、今日はもらったサンプルでなく自宅にある重曹などを使って化学変化させて重炭酸浴ができるか実験してみようと思います。