むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ナイアシンは大切

    毎日私の診察室ではどんな食事をとっているかを聞きます。タンパク質のとり方が足りない人が圧倒的に多いからです。多くの体調不良は忙しいのにかまけて食事を疎かにした結果起こってきます。忙しくて食事を抜いたり菓子パンやおにぎりだけで過ごしていると、ある日突然体調不良やうつのような精神不安定になります。食事をきちんと取って休息するに限ります。だるくて仕方ないと言われると朝鮮人参などを処方する毎日ですが、いくら人参を飲んでも食事内容が悪いと改善しません。食が細い人には食べてもらおうと思っても難しいことが多いので、思い切ってサプリを勧めます。たいていはDHCのマルチビタミン(Bミックス)とかビタミンC, Eなどです。また、ナイアシン(ビタミンB3)もとても大切です。

    ナイアシンは体内の500種以上の酵素に関与しています。食べ物からエネルギーを作るときに大切なクエン酸サイクルや電子伝達系ではNAD(P)Hとして重要な働きをしています。そこで、ナイアシンが足りないと体調不良が起こります。ナイアシンの原料はトリプトファンという必須アミノ酸で、体内では合成できないため食品で取らないといけません。肉、チーズ、ナッツ類に多く含まれます。

    摂取したトリプトファンからナイアシンができるのですが、同じトリプトファンから気分を安定させせるセロトニンや睡眠に関与するメラトニンも産生されます。そこで、食事でナイアシンを十分とっておくとトリプトファンはセロトニンやメラトニンに代謝されて気分を安定させたり睡眠を改善させるのですが、ナイアシンが足りないと体はまずナイアシンの産生を優先します。残念ながら最近日本ではナイアシンの医薬品は製造中止になってしまいました。私はアメリカ製のナイアシンを毎日摂取しています。ネット通販ができる患者さんには買ってもらうように勧めています。とても大切な栄養素です。心や体が疲れている人にはおすすめです。