むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 本音を聞き出すワザ

    患者さんの本音を聞き出すのは難しいものです。昨日NHKの番組を見ていたら、看護学生がロールプレイで患者役を演じながら、看護師役の人はその人の本音を聞き出す実習風景があっていました。その設定は、手術を明日に控えた患者さんが眠れないと訴えている、というものです。手術の不安で不眠になるというのは誰もが思いつくことですが、実はその人は家に残してきた子供に弁当を作ってあげられないことなどが心配で眠れないという設定でしたが、誰もそこまで聞き出せた人はいませんでした。

    私の外来でもこのようなことは毎日あります。眠れないとかお腹が痛いとか、表面上はシンプルな訴えなのですが、その背景は人それぞれです。聞いてみないとわかりません。眠れない人には睡眠薬みたいな簡単な話ではありません。背景に仕事のこと、家族のこと、学校のこといろんな悩みを抱えています。その解決の糸口が見つかれば薬がなくても眠れるかもしれません。

    私は、あまり回りくどく探りを入れることはしません。診察時に何度も患者さんに聞きます。「何か思い当たるきっかけはありませんか」「眠れなくなるような出来事や心配事がありませんでしたか?」「ほかに何か気になることはありませんか」という感じです。ストレートに聞くに限ります。しかも、最初に聞いたときは答えない人がいるので、答えるチャンスを3回くらい作るように心がけています。

    県立図書館の横の自生する芭蕉