むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 咳止めは入荷しないので処方できません

    土曜日、帰宅の途中で近所の公園を通りかかったらマーケットをやってました。のぞいてみたらキムさんのチヂミの店やタコスのキッチンカーが来ていたので早速買って帰りました。ランチに私の好物のチヂミとタコスを両方食べられるなんて、幸せです。それにしても暖かくていい天気でした。花粉症の人には辛い季節でしょうが、私は布団を干したり洗濯をしたり家の掃除をしたり、温かい午後を慌ただしく過ごしました。夜にいつものようにジムに行ったら、かなり人が少ない状況でした。明日は熊本城マラソン。先日までみんな最終調整でジムはすごく混んでいたのですが、さすがに前日は家で準備に余念がないのでしょう。皆さんがんばってください。

    このところの医薬品不足で咳止めや痰を切る薬は一切入りません。コロナやインフルエンザで咳止めを処方したいのはやまやまですが無い袖は振れません。私の場合、漢方という手があるので、これまで漢方で対応して来ましたが、ついに漢方の咳止めも入らなくなってしまいました。もう打つ手がありません。患者さんには、市販の龍角散やコルゲン咳止めなどを買ってくださいとお話しています。あまりに咳がひどく肋骨にヒビが入ったみたい、というような場合は、仕方ないので喘息に使う吸入薬やステロイド内服などを出しています。本当に困った状況です。

    厚労省は私たち処方する側にジェネリック医薬品の使用目標を8割と言ってきています。おそらく処方箋で8割以上は一般名処方しているのでほぼ達成できていると思われます。一方ジェネリックメーカーは膨大な需要に対応するため先発メーカーの10倍以上の品目を工場の工程表がモザイクになるほど複雑に切り替えながら対応しています。年々薬価が下がり、頑張っても全く利益にならない。ジェネリック業界はもう限界だと思います。一方、先発メーカーは利益にならない薬価の低いジェネリックを作ると会社の体力を落とすため、高価な抗がん剤やバイオ医薬品ばかり作っています。こんな状況ですから、すでに医療崩壊と言っていいのではないかと思います。

  • 集中するとどこかにトリップした感じになる

    ネットサーフィンをしていたら偶然見つけた記事に、インスタントコーヒーを美味しく入れる方法がのっていました。それは、とても簡単なこと。まずインスタントコーヒーを少量の水に溶いてからお湯を注ぐこと、それだけです。なんで・・・と思いましたが、ものは試しで同じコーヒーカップを2つ用意して片方は水で溶いたあとお湯を注ぐ、もう片方は直接お湯に溶かす。飲み比べてみたらびっくり、たしかに水に溶いてからお湯を注いだほうが美味しくできました。ネットの記事によると、インスタントコーヒーに含まれるでんぷん質がいきなりお湯を注ぐと均等に混ざらないとか。真偽の程はわかりませんが、美味しくいれる方法は確かなようです。お試しください。

    来週は産婦人科の会で漢方の講演を頼まれており、今週末には最終的なスライドのチェックをします。その後3月には日赤の会で循環器領域の漢方の話をする予定で、その後には、上益城医師会にて頭痛と目まいの漢方の講演をします。それぞれ、聞く人たちの漢方のレベルを考えてスライドを用意しないといけないのでしばらくは週末ごとに準備に追われます。平日は全く時間がとれません。それでも、発表までの時間がないため、今朝は7時から8時までクリニックの診察室でずっと構想をねっていました。私はこの様に講演のストーリーを考えるときはトリップしたみたいに現実の世界から遠いところまで飛んでいって夢でも見ているかのようになります。そんな中、スタッフが出勤してきて目の前に現れると急に現実に引き戻され、びっくりします。

    私が大学院時代は日頃ずっと研究(実験)の日々で、なにか結果がまとまったら一刻も早く論文にしないといけませんでした。世界中で同じようなテーマで研究しているグループが必ずいて、不思議と大発見というのはほぼ同時に起こります。あとは一日でも早く論文として世に結果を発表しないと、遅れたらすべてがパーになります。そう言う事情で、大量の研究結果の資料を抱えて、救急病院で当直しながらひたすら論文を書いていました。頭の中は英語でずっと考えていて現実からトリップしていました。そんなとき、救急車が入ってくると急に現実に引き戻されていたのを思い出しました。

  • 診療報酬改定

    日中は暖かったですね。冷房をつけようと思ったのですが、さすがに思いとどまってとりあえず長袖白衣を脱いで半袖で仕事しました。2月に冷房なんて、めったにないことですね。夜になり、北風が強くなってきました。明日は冷えてくるようなので寒暖差で体調を壊さないようにしないといけません。風邪、インフル、コロナ、胃腸炎、喘息、花粉症、この時期はなんでもありです。おかげで通常の1−2割増しで毎日忙しいです。

    今年は診療報酬改定の年で、今日の新聞にはそのことが大きく乗っていました。これから細かい変更点が明らかになり、私たちは大急ぎで分厚い本を買って改定ポイントを勉強したり、説明会に出ないといけません。世の中物価がどんどん上がっており、人手不足で賃金も上がっています。多くの企業は商品の値上げをすることでデフレを脱却して収益が回復しているところもあります。しかし医療業界は自分たちで勝手に値段をつけられません。厚労省が決めた診療報酬が公定価格です。しかも年々引き下げられて厳しい状態。内科の分野は今回大幅に点数が下がり、大赤字だと冷や汗ものでした。昨日明らかになった情報で、その大幅減益はなんとか避けられそうですがマイナス数百万にはなります。報道では、スタッフの賃上げ資金として初診料・再診料を20円程度値上げする話がありますが、それで1日80人診ても+1600円です。1ヶ月で24日働いたとして38000円です。10名のスタッフで分けると一人あたり3800円にしかなりません。そんな賃上げは焼け石に水。もっと上げないと意味はないので結局経営としては赤字になります。

    もう一つ困ったことに熊本は過疎化が進み人口がどんどん減っているのにTSMCを始め半導体工場がどんどんできて働き手の取り合いになっています。これら半導体メーカーは時給を熊本の標準の2−3倍提示しているという話で、多くの労働人口がそちらに取られています。そのあおりで介護業界などはすごい人手不足で何十人ものお年寄りを一人の当直介護士さんが夜勤でみているような話もあります。怖い話です。介護業界も人集めに賃上げするしかないので、老人ホームでは患者さんに手がかかる場合、あらゆることが別料金となっており、存亡をかけた必死の営業活動が見受けられます。

    老人ホームにもバレンタインの飾り(ホスピタルメントさくら西館)

  • 不適切にもほどがある

    今日はTVをつけると一日中関東の雪の話題でした。今晩どうなるのか気になりますが、関係ない九州のテレビでまで一日中やっているのはやりすぎでしょう。関東のローカル番組でやってくれればいいのに。

    さて、ネットフリックスを開いたら、バーンとトップに出てきたのが「不適切にもほどがある」つい最近TBSでやっていた話題のドラマです。私はTVは見ないので、ネットで話題になっていたのをみたのですが、ちょっと気になっていました。ネットフリックスで第2話まで見られるようだったので、なにげに見始めたら面白い!昭和の古き良き時代を思い出します。今はコンプライアンスで何でもかんでも縛られて不適切なことをできない世の中。昭和の時代は今考えると無茶苦茶だったので、本当に好き放題やってました。みんな元気よく、活気に溢れ、景気も良かった。最近、働き方改革とか、頑張れと言うな、黙って寄り添うべきだ、とかいろんな新常識がわずらわしい。このドラマの昭和の主人公に言わせると「きもちわるい」ことがいっぱいです。それを今と昔を対比しながらタイムスリップもののドラマ仕立てで見せてくれる。続きが楽しみです。きっと平成生まれの若い世代にはこのドラマの意味はわからないでしょうね。

    私が研修医だった頃は、大学病院に何日も寝泊まりしてほとんど帰宅できず、ずっと働いていました。当直した翌日も普通に勤務です。今では研修医は5時に帰すよう決められています。先日タクシーの運転手さんから聞いたのですが、天気が悪いとき昔なら稼ぎどきだと頑張って働いていたのに、今の運転手さんたちは、「天気が悪いし体調も悪いから今日は働くの止めとこう」と言うそうです。それを会社が「だめじゃないか、働け」と言ってはいけないそうです。もし今日は雨も降っているし、お客さんがたくさん待っているから働け、と言われて無理やり働かされた運転手さんが事故でも起こしたら会社の責任だから、無理強いできないそうです。どおりでタクシーを呼んでもいつまでもこないわけです。大変な世の中です。コンプライアンスとか働き方改革とかは一部の人には改善、一部の人には改悪。昔と今とどっちがいいとか悪いとかは言えませんが、不自由な世の中になったのは間違いないですね。

  • 風邪に抗生剤は不要?

    今週は正月からちょうど4週目にあたるので、定期受診の人が少ないと予想していました。通常、4週間処方の人が多いので、混み合うときはその4週後も多いし、暇なときはその4週後も暇になることが多いのです。正月やお盆の休みのあとはとくにそう言う傾向になりやすいです。しかし、蓋を開けてみたら発熱患者さんが多く、新患30名という忙しい一日となりました。私は、発熱患者さんでインフルエンザならタミフルやイナビルで治療していますが、コロナや扁桃炎などではほとんど漢方を使います。たまに漢方が飲めないということで西洋薬の処方をすることがあります。きちんと統計が取れるわけではないですが、経過を見ると漢方のほうがよく治っているんじゃないかと思います。

    このところ、風邪の西洋薬による治療は極力抗生剤を使わない流れとなっています。つかうとしても昔からある古い抗生剤を使うように推奨されており、新しい抗菌スペクトラムが広い薬は使わないようにという時代の流れです。私も、風邪の初期には極力抗生剤を使わず、漢方で様子を見る事が多いのですが、3−4日たって咳や痰が酷くなったと言われたら、抗生剤を処方することにしています。昔からの経験ですが、やはりこういうときは抗生剤は効果があると思います。あくまでも感染初期はウイルス感染なので抗生剤は無効です。

    話は変わって、先日韓国料理「トラヂ」で野菜をヤンニョムにあえてつくった浅漬キムチみたいな料理が出てきました。料理の名前はわかりませんが、発酵していないキムチという感じです。これは簡単にできそうだと思い、試しに玉ねぎをスライスして、沖縄の塩「ぬちまーす」をつかってしんなりさせたところに韓国唐辛子(キムチ用・粗挽き)と韓国製魚醤(イワシのナンプラー)と蒸したアサリ(冷凍食品)を混ぜて見ました。コクを出すため発酵したキムチの汁をスプーン1杯まぜてみたら、かなり店で食べたような味が再現できました。胡麻油をかけても美味しい。今思い出しましたが、実は私はこんな浅漬を30年ぐらい前に教えてもらったことがありました。菊池養生園で漢方の合宿があったときに講師として韓国から漢方の先生に来てもらい、講義の合間に即席キムチ作りを習ったのです。ニラ、大根やカブの葉、小松菜、菜の花。野菜は何でもできます。キムチ用唐辛子やナンプラーはKaldiや業務スーパーで手に入ります。