むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脳出血の話

    今年も余すところあと2週間となりました。当院の年末年始のスケジュールを書いておきたいと思います。年内は12月29日まで通常の診療をします。30日から1月3日までがお休みです。お間違えのないようよろしくお願いします。年末薬が切れそうな方はお早めにご来院ください。血圧の薬や抗うつ剤など切れては困る薬がどうしても年末来院できない場合は1日おきでいいので調整して使ってください。そして、正月休み明けできるだけ早く補充してください。

    Yahoo!をみていたら、女医でタレントの西川史子さんは脳出血で闘病生活という記事がありました。まだ若いのに大変です。その記事に対する読者のコメントが印象的でした。そのコメントを書いた人も脳出血の後遺症に苦しんだそうですが、毎日のリハビリを「しないといけない」と思うと毎日が辛い。そこで「リハビリは自分の趣味だ」と思うようにしたところ、楽しくリハビリできた、とのこと。発想の転換ですが、素晴らしいアイディアです。

    若くして脳出血を起こすのは珍しいですが、Yahoo!の記事には背景については何も書いてありませんでした。私なりに考えると、一番多いのが脳動静脈奇形という先天性の病気。若年の脳出血の原因として一番多いのではないかと思います。次に脳動脈瘤。これは若年から高齢まで原因となります。次に、血小板減少症や再生不良性貧血、白血病のような血液疾患あるいはワーファリンなどが効きすぎた出血傾向。私は血液内科出身なのでこういう疾患で脳出血になった人をたくさんみてきました。脳ドックでわかるのは脳動脈瘤と動静脈奇形です。血液疾患の出血傾向は採血で大体診断がつきます。

  • 漢方の飲み方

    今日の診療ではなぜか相当人数が集中してしまい、待ち時間が長くなってしまいみなさんにご迷惑をおかけしました。ご協力ありがとうございます。待ち時間が長い時はスタッフに声をおかけください。ウォーターべッドなどリラックスできる設備がありますので、待ち時間に使ってください

    話は変わって、漢方の話題です。当院は漢方を専門としているので漢方薬を処方することがかなり多いです。最初から患者さんも漢方を希望で来られることが多いのでその点は問題ありません。しかし何でもかんでも漢方を勧めるわけではありません。私が西洋薬より漢方が絶対いいと思えば漢方を勧めるし、漢方では難しい時には西洋薬にします。時々、どうしても「漢方で」と言われることがありますので、その場合はできるだけの対応をしています。

    さて、漢方の飲み方ですが。添付文書には食前または食間と書いてあるので患者さんによってはついご飯を食べてしまったので、その時は漢方を飲まない、という方がいらっしゃいます。しかし、食前にする根拠は乏しく、2000年前に書かれた書物に桂枝湯を飲んだらそのあとお粥を食べて体を暖かくするように、と書いてあるため食前となっているだけです。したがって食前に飲み損ったら食後に飲むようしてください。飲まないと治療になりません。

  • 今年やり残したことはまだできる

    昨日のブログで今年の振り返りの話題を書きました。よく考えると、去年も年末に似たような話題の記事を書きました。ただ、その時は12月も第4週くらいに入って、いよいよ1年を振り返っての話題を書いたような気がします。今年、それよりも早めに書いたのには理由があります。それは、12月に入ったところで、一度今年を振り返り、やり残したことがないかを考える事で、年の瀬までの1ヶ月でまだいろいろできるはずだと思ったからです。そして、私がまだやり残した事と考えて、今日始めたのはNetflixで「梨泰院クラス」を見る事です。去年「愛の不時着」と並んで話題となった韓国ドラマです。なんとなく後回しにしていたのですが、やっぱり、これだけ評判の良いドラマは見ておこうと思いつきました。

    もう一つは、クリニックの玄関の吹き抜けが高い天井になっており、ガラスになっているところに開業以来5年分の蜘蛛の巣や虫の死骸が溜まっていたので、掃除したかったのですが、あまりに高いところで届かない。そこで、植木屋さんをしている幼馴染にたのんで掃除してもらいました。プロ用のの長い脚立を使い、エンジン付きの強力なブロワーで吹き飛ばしてもらいました。おかげで綺麗になりました。やっぱりクリニックは清潔にしておきたいもの。手伝ってくれた友人に感謝です。

    日曜日、いつもはスポーツジムで汗を流すのですが、今日は休館日だったため、ひたすら在宅ワークの一日でした。月初にチェックしないといけない書類を確認するのですが、眠くなるので音楽を聴いたり海外ドラマを見ながら朝から延々ながら作業です。それでも、今日したいと思っていたToDoリスト10はクリアしました。

  • 腰痛・肩こりの治療

    昨日が祝日だったため、今日はとても混み合いました待ち時間が長くなってすみません。ご協力ありがとうございました。当院には、ウォーターベッドというリラクセーションをかねたリハビリ機器があります。水の上に寝たような感じで下から水圧で肩や腰をマッサージしてくれます。待合時間に試したい方は当院スタッフに声をかけてください。気持ちいいですよ。めまいの持病があるかたは悪化するといけないのでご遠慮ください。もう一つ、低周波の電気治療器もあります。整形外科でリハビリに使うのと同じです。EMSといって電気刺激を筋肉にかけてもみほぐすのですが、その周波数のプログラムが一般用とことなり医療機器ならではの優れた性能です。こちらも待ち時間中にできますので、腰痛や肩こりなどあれば声をかけてください。低周波治療器は規定により妊婦さんとペースメーカーの入った方には対応できません。

    腰痛や肩こりには湿布の処方もよくしますが、私のこだわりとして湿布は先発メーカーのモーラステープとロキソニンテープをメインに処方しています。痛み止め効果を発揮する薬品の成分や量は後発も同じと思いますが、先発メーカーの優れているのは貼った時の粘着力です。膝などは動くと剥げてしまうことが多いのですが、先発メーカーは剥げにくくなっています。また、貼る時に先発は張りやすいのですが、後発(ジェネリック)はグシャッとなって失敗して、どうしようもなくなってしまうことがあります。私が先発を使うのはこう言った理由からです。

    そんな中、最近面白いジェネリックの湿布が出ました。ロキソニンテープのジェネリックで温感タイプというものです。貼ったらほんのり暖かい感じがするタイプです。冬にはもってこいです。従来、温湿布というのがありましたが、あれより薄いテープタイプです。捻挫などの急性期には冷やしたほうがいいのですが、古くなった腰痛や肩こりなどには暖かい湿布もいいのではないかと思います。お試しください。

  • 無駄に競わないようにしよう

    みんな、無意識のうちにむだな競い合いをしているのではないかと思ったので、今日はその話を書きたいと思います。自分のことですが、サウナに入るとすごい汗をかきながら延々入っているおじさんがいます。すごいなーと思ったり、自分はあとから入ったので、その人が出るまで頑張ろうと思ったりします。実際は、何を何のために「頑張る」のかわけがわかりませんが、無意識に負けないぞ、と思ってしまうわけです。

    スポーツジムでランニングをしているときもそうです。私は無意識にもすごく走っている人に目が行きます。走っているスピードやトレッドミルの勾配は画面に出ているのでその人がどのくらいの負荷をかけて走っているかはひと目で分かります。そして、その人に負けじと私もガンガン走ります。そして、あとから自分が走り始めた場合はその人より先には終わらない。5分でもいいから長く走る。果たしてこれも、何のため?と自問してしまいます。本来なら自分の楽しみや健康のためにサウナに行ったりジムで走ったりするわけですが、そこにたまたまいた人と無意識の競争をしても何に役にも立ちません。自分のペースで、自分の好きなだけサウナに入ったり走ったりして、いつでもやめたいときにやめればいいのです。

    私のところに相談に来る患者さんも似たようなところがあると思います。同僚と比べて自分が仕事ができていない、雑用ばかり回ってくる、出世コースから外れてしまった、などなどキリがありません。人と比べて負けたくないと思うと自分を苦しめます。人のことは気にせず、自分の能力に応じてコツコツ丁寧に仕事をすればいいと思います。人はそれぞれ得意不得意があります。子供のときは不得意(例えば英語や数学)をしっかり勉強しなさいと言われますが、大人になったら不得意を頑張るより自分にしかできないような得意分野を伸ばすことが大切です。