むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 強迫性障害

    強迫性障害という病態があります。不合理とわかっていてもやめられない困った症状がある人のことを指します。例えば、手を洗っても洗っても洗い足りず、石鹸を一日で使い果たすくらい手を洗い続ける人。また、外出するときに鍵をかけたか、電気を消したが、ガスの元栓を止めたか、何度確認しても納得せずに確認行為を繰り返し続けた挙句遅刻してしまう。いろんなパタンがあります。

    先日当院に来た患者さんはちょっと変わっていました。台風の進路を確認せずには気がすまない、何度もなんども進路が変わっていないか、レーダーなどの情報を見続けるとのことでした。おりしも、九州に台風直撃かというニュースで最接近まであと二日という時点で来院されました。このタイミングで間に合うかな、と思いながら、強迫性障害に使う薬剤を急いできかせるために2剤併用しました。その結果、先週末の台風でも進路を確認しても焦ることなく冷静に対応できたとお喜びの声をいただきました。台風直撃のたった二日前に来院されたのによくきいたと思います。

    このように、過度の確認行為などで日常生活に支障をきたし、自分でもなぜそこまでと不合理性に気がついていてもやめられないという場合、薬で治ることもあります。今回の症例のように、うまくいけば無駄に神経をすり減らさず、快適な生活ができるようになります。