むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 血圧が上がる原因はいろいろあります

    血圧上昇の原因はいくつもあります。日本人で多いのは塩分の取りすぎですから、まずは塩辛いものを食べないようにしましょう。うどんやラーメンの汁は飲まずに残しましょう。しかし、習慣というのは難しくて、薄味では食欲が出ないと、塩分制限は困難を伴います。食べてしまった塩分は、汗をかいて出してしまうか、利尿剤を使って尿中に出す方法があります。また、野菜や果物をたくさん摂ることで、塩分が体から抜けるということもあります。野菜などに含まれるカリウムが塩分のナトリウムと反対の働きをしてくれるからです。

    肥満も血圧を上げます。おそらく、脂肪細胞が血管を押しつぶして、血管抵抗が上がるのではないかと思います。2−3キロでも痩せることで血圧が改善します。また、最近は気温が下がってきて血圧が上がってくる人がたくさんいます。体が冷えると血管が縮んでしまうため、同じように血管抵抗が増して血圧が上がります。

    あと大事なのは動脈硬化です。コレステロールが高いと、血管が硬くなって血圧が上がります。血管の硬さは血管脈波(ABI)という検査でわかります。手足4箇所の血圧を同時に測定して脈波を計測することで動脈硬化の度合いがわかります。血管年齢として知られている検査です。実際より高い血管年齢だとわかった時のショックは大きいです。気軽にできる検査ですので、血圧や足の冷えなどが気になる場合はこの検査をしてみるといいと思います。

  • 働く時間

    最近、オグ・マンディーノというアメリカの作家が書いた本を読んでいます。「あと1マイル」というのは、ちょっと目に止まったフレーズです。人が道を進んでいる時、自分はさらにあと1マイル先まであるく。この努力が成功へ導く、とそんな内容です。疲れていても、あと少しなら先まで行けるはずです。人並みの努力で満足していては、それまでです。昨日のブログで書いたように、最近の風潮は時間が来たら帰るのが当たり前になりつつあります。そこで、あと10分多く働く、その姿勢は評価されないはずがありません。

    一方、過重労働で苦労している人も大勢います。そういう状況でさらにあと10分働いても意味はありません。私が読んだ本はアメリカの古典ですからそのように働く美徳が解かれており、日本人にとっては当たり前すぎて効果はないかもしれません。当院では時間外労働が基準を超えて働いた人の健康チェックのため面談を行っています。何回か面談していて感じるのは、きちんと過重労働問題に取り組んでいる企業では、急速に職場環境が改善していることです。どこもブラックと言われないように必死で取り組んでいます。

    例えば夕方6時ごろから始まる医局会を残業と思うか、勉強と思うかという認識調査では、平成生まれかどうかに境界線があるそうです。実は私はこのような事例は残業と思っていました。見かけによらず、私は平成人かもしれません。

     

     

     

  • 時代は変わって

    夕方、勉強会の後で同門(同じ医局出身の)内科の先輩と話していた時の話題です。某病院に労働基準監督署が入って調査しているという話。医療関係では聖路加病院がそのような経緯で、医師の超過勤務が労働基準に抵触するということで、外来業務が縮小されたのは記憶に新しいことです。私たちは患者さんの命を救うという大きな目標に向かって、自分たちの生活や時間の全てを投げ打って仕事するよう訓練されました。36時間連続勤務などは当たり前のことでした。

    時代は変わって、研修医なども夕方時間が来たら帰宅するそうです。私たちは少しでも長く病院にいて、患者さんの変化に対応したかったし、自分で解決できない状況に出会えばすぐに先輩医師に教えを乞うていました。そのぶん経験値がどんどん上がって、一人前になるのも早かったと思います。

    今日聞いた話では、研修医のドクターに夕方から医局会とか勉強会で教えてあげようとすると、研修医には残業手当がついて、教える先輩医師には何もつかない事態だそうです。しかも、時間外の医局会などの参加を強要できず、参加は自由という時代だと聞いて、少し驚いてしまいました。

  • 便秘の治療

    いつものごとく夕食後に健康番組を見ていたら便秘の治療をやっていました。最終的なまとめとしては、緩下剤(便を柔らかくする非刺激系の下剤:例えば酸化マグネシウム・マグミットやカマグ)は、毎日使用してもいいが、刺激系の下剤(プルゼニド、コーラック、センナなど)は週2回程度に控えること、という話でした。昔から知られていることですが、刺激系の下剤はだんだん体がその刺激に慣れて反応が悪くなるため、薬が効かなくなってきます。非刺激系はそのような慣れ症状はありません。

    最近は新薬も出ており慢性のしつこい便秘用の下剤がいくつかあります。しかし、製薬メーカーがそのような困った症例はありませんか?とプロモーションにくるのですが、私にはほとんど便秘で困った患者さんはいません。

    なぜなら、漢方をうまく使えばほとんど問題ないからです。漢方の下剤は刺激系と非刺激系が絶妙のバランスでブレンドされています。こういった処方は長く使っても効きが落ちることはあまりありません。これぞ3000年の歴史が証明する叡智の結晶だと思います。

    風邪が増えてきました。体調管理には注意しましょう。

  • 待ち時間対策

    世のクリニックはどこもいっぱいで何時間も待ったのに診察は2−3分というのはよく聞く話です。私も、一人一人からしっかりと話を聞いて、状態をよく把握した上で治療方針を立てたいと思っており、どうしても時間がかかってしまいます。待ち時間は短く、診察は満足いくだけの長さを確保するというのは相反する命題で、同時に実現するはずもありません。どちらかが犠牲になってしまいます。

    しかし、みんながじっくりと話を聞いて欲しいわけではなく、風邪の人はインフルエンザかどうかさえ調べてもらえば、あとは薬をもらってさっさと帰るだけ、という場合が多いと思います。血圧など定期薬をもらいにくる場合は、人によって、悩み相談をしたい場合もあれば、薬だけもらえば急いで帰りたい人もいます。どちらなのかはわからないので、やはりニーズを聞いて急いだ方がいい人は急ぎ、ゆっくり話したい人はゆっくりできれば一番いいなと思います。

    今日は職員みんなで待ち時間対策について話し合いをしました。私は別の用事で参加できませんでしたが、議事録をもらって、感心しました。みんないろいろ考えてくれていて、嬉しかったです。できることから対策を取りたいと思います。

    なぜか今頃紫陽花が咲いていました。しかもグリーン。