むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • なんともあらしません

    京都の人に、台風の被害などをたずねると、たいてい「なんともあらしません」と涼やかにこたえられるそうです。しかし、実際には嵐山など大変な被害に見舞われたことは何度もあります。今日も台風が四国から近畿へ向かっています。被害が出ないことを祈るばかりです。

    京都の人は思っていることをストレートには表現しないそうで、よそ者には分かりづらくて厳しいところです。建前のいい顔をするのが身についているのでしょうが、言った言葉の通りでないと思わないといけません。京都の人がこのように素直な感情表現をしないのは自分の身を守るためだと考えられます。京都は日本の都だった歴史から、殿様や天皇などトップがコロコロと変わります。その度に政治の影響をもろに受けていたと思われます。そういう時に、昔の殿様の方がよかったなど、思っても口に出してはいけない歴史があったと思われます。そういう時感想を聞かれたら、「なんともあらしません」と言っておくのが得策です。

    人の心は不思議なもので、言葉に出すと、その通りになります。なんともあらしません、といえば、たまっていたストレスもなんともなかったかのように流れていきます。愚痴を言えば言うだけ不満が募っていきます。同僚や上司に対して不満があるときは、愚痴をいわず、なんともあらしません、と言って見るのもいいかもしれません。言っているうちに現実がなんともない状況に感じてくるかもしれないからです。