むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 交感神経の緊張をとる方法

    私は週末は時間がある限り温泉にいきます。特に、サウナで汗を流すようにしています。サウナの熱い温度とサウナの後に入る水風呂の冷たい温度は体にとって強い刺激となり交感神経を緊張させます。一方、冷水からでて体をやすめると一気に副交感神経優位となり、リラックスモードになります。わたしたちは皆、日頃の仕事で緊張が続くと交感神経優位となり緊張のため眠りが悪くなったり、胃の調子が悪くなったり、脈が早くなりドキドキしやすかったりします。自律神経はなかなか自力で調整できません。神経が勝手に調節するので「自律」神経と呼ぶのです。そこで、サウナの温度変化を使って自律神経を揺り動かして調整するのです。

    交感神経は白血球を増加し、炎症を起こしやすくなります。また、交感神経が活性化すると副腎からコルチゾールというステロイドホルモンが分泌されます。その結果、免疫力が低下します。運動会とか旅行とか肝心な時に風邪をひいたりするのは交感神経が緊張しすぎているためです。

    会社などであまりに忙しかったり人間関係でストレスが続くと交感神経の緊張が取れず、次第に副腎機能が低下します。疲れが取れなくなります。そうならないためにも交感神経の緊張をほぐすために温泉に入ったりスポーツで汗を流すことが有効です。鬱などで会社を休んでいる患者さんには温泉に行ったりスポーツジムに行くことを勧めています。サプリではビタミンCが副腎機能低下に有効です。

    博多の駅地下で見つけたシナボン!(シナモンたっぷりのロールパン)アメリカにいた時は子供が大好きでよく食べていました。懐かしかったので、つい店に吸いこまれてしまいました。

  • 知っていることとやってみることは違う

    皆さんはメモを活用していますか?私はこれまで手帳にメモするといえば未来の予定くらいしかありませんでした。いつの間にかiPhoneのカレンダーさえあればスケジュール管理はできるし、それ以外にメモすることはなくなりました。たいていのことは一度聞いたら覚えているので、メモなんかしなくていい、みたいな感じです。しかし、仕事が忙しくなるとだんだん覚えきれなくなります。常に頭を最大限使っている感じです。更に最近は本を読む量も相当多いし、中田敦彦のYouTube大学や分子栄養学実践講座などネットで勉強する量も多く、入ってくる情報がとてつもなく増えています。だんだん一度きいただけでは覚えられなくなりました。

    そこで、最近はスケジュール帳とは別にノートを持ち歩くようになりました。気がついたこと、勉強したこと、全てをメモしています。講演会でいい話を聞いたら、要旨をまとめて書き留めておきます。そうするようになり、以前にもまして勉強効率が上がりました。やっぱり、一度聞いたら大体覚えていると思っていたのは間違いだったということがわかります。きちんとメモしておくと、振り返ってみて、こんな事も言ってたんだと改めて感心することが多々あります。

    勉強とは、聞いて終わりではありません。それを自分のものとして実践しなければ、聞かなかったことと同じです。例えばトイレ掃除をすれば運が良くなる。知っているだけでは運は良くなりません。実践して初めていいことが起きます。携帯に入っているGoogleやAppleのAI(人工知能)に話しかけると仕事効率が上がる。知っていても使っていない人が大半でしょう。勉強したことは忘れないようにメモしておく。そして、知ったことは実践する。これが情報社会の生き方だと思います。

  • 小腸を元気にする

    腸活という言葉が話題です。当院は消化器内科は標榜していないのですが、漢方を専門にしていると、消化器の悩みもよく相談に来られます。多くは消化器内科にかかって治療したけど良くならなかったというような難しい症例です。大抵の症状は漢方などを駆使すれば取れるのですが、結構難しいのが少し食べるとお腹が張る、ガスが多い、というものです。

    最近、腸活関連の本を読みました。「小腸を強くすれば病気にならない:江田証 著」です。本の前半はダラダラと説明が書いてあって読むのも面倒なページが続きますが、私が治療に難渋している「ガスが多い、お腹がはる」症状はSIBOと呼ばれる病態だと知りました。SIは小腸の頭文字。Bはバクテリア(腸内細菌)Oは過剰増殖をさします。つまり、小腸内で腸内細菌が過剰増殖することを意味しています。通常、腸内細菌は大腸で増殖するのですが、小腸にはほとんどいません。これが小腸で過剰増殖すると食べたものが異常に発酵してガスが多くなるようなのです。

    本の後半には対策方法が書いてあります。本書で最も大切なパートです。このような病態では、通常お腹に良いとされる納豆やヨーグルトなどの発酵食品や腸内細菌の餌となるオリゴ糖は逆効果だそうです。また、小麦製品やりんごは避けるべきだとのこと。昨日書いたように歯磨き、舌磨きを食事の前にすることも、口腔内の悪玉菌を飲み込まない様にすることは重要な対策だとのこと。治療の方法がわかったのは素晴らしい!当院に通院中の患者さんにも早速教えたいと思います。

     

  • お腹の張りには舌磨きを!

    NHKで東洋医学の特集があっていました。これは漢方を専門とする私にとっては見逃せません。結局、漢方の話ではなくハリやツボ、太極拳などの話題でした。それでも、なかなか面白かったです。イギリスでうつ病の治療にハリを使っていました。抗うつ薬などに抵抗のある患者さんや薬が効かなかった場合、ハリという治療がある、という話。その有効率もかなりのものでした。使っていたツボは当院で私が打つ場所と同じだったので安心しました。

    アメリカでは転倒予防に太極拳をやっていました。日本のリハビリでも取り入れればきっと成果が出ると思うのですが、日本のリハビリの多くはマッサージしたリストレッチしたり、自転車漕ぎの運動などです。太極拳はラジオ体操などより動きがゆっくりしているため高齢者にも向いています。ゆっくりした運動ですが、中かがみになったり片足でバランスを取ったりするので体幹の筋肉がとても鍛えられます。

    もう一つとても大切な情報がありました。インド人はアユルベーダ(インド医学)の理論で舌磨きをするという話でした。舌には雑菌が多く、食事でそれを飲み込むと腸内細菌に悪影響を及ぼすそうです。お腹が張ってガスが多いと悩んでいる人たちに1ヶ月間食前の舌磨きをしてもらったところ、お腹の張りがかなり改善していました。こんな簡単な方法で改善するとは驚きでした。ちょうど今私が勉強している腸活(小腸を元気にする方法)にも同じことが書いてありました。試さない手はありませんね。

  • ビタミンDのすすめ

    立春ですね。朝は冷え込みましたが、昼の日差しは春の予感を十分感じさせられるものです。日当たりの良い室内にいれば、気分も明るくなります。私は朝晩歩いて通勤していますが、朝も夜も真っ暗で、懐中電灯を持って歩いていました。しかし今週くらいから歩く時間帯は少し明るくなってきました。ここにも春の予感です。

    ヒトは陽に当たると紫外線の力で体内にビタミンDができます。ビタミンDは骨を丈夫にすると思っているかもしれませんが、それは作用のほんの一部です。ビタミンDはステロイド骨格を持っており、自由に細胞内の核に入っていけます。そこで遺伝子の発現を調節する大切な働きをしています。ガンを予防したり、免疫アレルギーを調節したりします。その結果、風邪の予防にもなるし、花粉症の改善にも働きます。すごく大切なビタミンです。しかし、日本人の殆どがビタミンD不足だと言われています。日焼けを嫌うため日に当たらない、UVカットの化粧品を使う、夏でも長袖、日傘などを使う。

    更に冬はただでさえ日差しが弱く紫外線も少ないのですが寒いので厚着します。皮膚に紫外線が届きません。結果、ビタミンDは冬にかなり低下してしまいます。風邪を引きやすくなります。野生の動物は洋服は着ずに外を歩き回るのでいいでしょうが、人はそういうわけにはいきません。もうしばらく寒い季節が続きます。ビタミンDは元気な毎日を送るためにぜひともおすすめしたいビタミンです。