むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • インフルワクチン予約受付終了

    まだ、一般の患者さんへのインフルエンザワクチン接種は始まっておらず、訪問契約をしている患者さん数名に打っただけですが、本日、今シーズンのワクチンは予約終了となりました。わずか数日で数百人分のワクチン予約が全部埋まってしまい、希望の方の1−2割にしか行き渡らなかったのではないかと思います。申し訳ないです。製薬メーカーはコロナワクチン開発で忙しかったのかもしれませんが、今年も去年同様にワクチン製造過程でうまく行かず十分量が供給できないと連絡がありました。当院は病院は小さいですが、外来患者数が相当あるので、それなりの数を分配してほしいのですが、問屋はそうはおろしてくれません。実は私は、インフルワクチンの効果は全く信用していません。もう10年以上自分では打っていません。ワクチンはかからなくするのではなくかかっても軽くする、というのは効かないからの詭弁(言い訳)にしか聞こえません。

    一方、ちゃんと効くワクチンというのもあります。B型肝炎ワクチンとか麻しん風疹などのワクチンです。一度打てば20年以上大丈夫です。最近出てきた帯状疱疹ワクチンも効果的です。ちょっと高価なのですが10年以上確実に効くとなれば、その値段でもペイするとおもいます。

    今朝は、経営者モーニングセミナーで元祖からしれんこんの森裕子さんの講話を聞きました。17代目とのことで、今はそのお子さんが社長、お孫さんも手伝っているそうですから、19代目まで育っているということです。380年ぐらい続いているとのことで、お宅には細川公から頂いた家宝の数々があるそうです。それにしても、380年も続く会社というのは驚きです。こんな長寿の会社は世界中に日本とイギリスぐらいにしか存在しません。のれんを絶やすことなく後世につなぐというのは相当なご苦労があったことと思います。

  • ガムを噛むと消化を助ける

    ほんのちょっとだけ雨が振りました。1ヶ月ぶりでカラカラに乾燥していた空気が少しうるおい、生き返ったような気分です。夜、犬の散歩をしていてたいして涼しくもないけど湿度が上がって心地よい感じがして、ふと子供の頃に阿蘇でキャンプをした時を思い出しました。真夏の阿蘇。遠くでかなかなかなとひぐらしの声。そして夕立。うだるようなな暑さがちょっとだけなごむ。そして、森から湿った空気がすーと流れてくる。こんな感じ。気持ちいい。

    今日は、患者さんに教えてもらった面白い話を一つ紹介します。胃もたれには食後にガムを噛むと良いという話です。ガムを食べると唾液が出ます。唾液は胃の中の食べ物の消化を助けるので、胃もたれ解消になるのだと思います。胃の中には胃酸とペプシンというタンパク分解酵素があるので、タンパク質はどんどん消化されます。しかし、ご飯や麺など炭水化物は胃では消化できません。炭水化物の消化にはアミラーゼという酵素が必要なのですが、アミラーゼは唾液と膵液に含まれます。したがって、しっかり噛んで食べると唾液から出たアミラーゼが炭水化物を消化するのですが、早食いしてしまうと唾液が混じらないため、胃の次の十二指腸に入ってやっと膵液をつかって消化されます。

    汚い話ですが、寿司屋やラーメン屋から出てきた酔っぱらいが道端で嘔吐しているのを見ると、吐物に寿司のネタやチャーシューは見えません。ほとんど米粒や麺が出てきます。これからも、いかに炭水化物が消化しにくいかがわかります。ご飯はしっかりかんで食べましょう。小学生時代給食のときによく言われたことです。

  • 咳の季節

    このブログは開院前から書き始めました。私の人となりを紹介したかったのと、当院が得意とする病気について知っていただくことで、来院のきっかけになればと思っていました。また、漢方を特長としているため、漢方豆知識などを紹介したいと思っていました。そして、日々書きつづけること5年半、何ページかいたのかなと思ったら今日で1998ページでした。あと2日で2000ページ達成です。よくこんなに続いたものです。ブログを検索したいときは、Googleの検索欄に「むらかみ内科クリニック 浮腫」とかくと、私が過去に足のむくみを解説したページが検索できます。ぜひご活用ください。

    秋はアレルギーシーズンです。風邪かなとおもっても、咳だけが続いている場合、実は喘息かもしれません。ヒューヒューゼーゼー言わなくても喘息の可能性があります。本物の気管支喘息でなくても咳喘息という場合もあります。単なる咳止めではなく気管支拡張剤を使ったほうが収まります。他にも、アトピー咳嗽というのがあります。アトピーという名前の通り、アレルギー絡みの咳です。この場合、咳喘息に有効な気管支拡張剤は効かず、抗ヒスタミン剤やステロイドが効果的です。診断がはっきりしないときも、ステロイドと気管支拡張剤の合剤の吸入薬を使うと症状は緩和することが多いです。

    これらの治療を試しても喉のイガイガが取れない場合、逆流性食道炎も考えられます。胃酸を抑えるPPIという種類の胃薬が有効です。その他、百日咳などの感染症も咳が続くし、煙草による慢性気管支炎、肺気腫なども咳の原因となります。風通しの悪い家に住んでいると、カビによる夏型過敏性肺炎などもあります。上記のどれも該当しない、心因性の咳嗽もあり、これは診断と治療に難渋することがあります。

  • インフルエンザワクチンの予約開始

    今年もインフルエンザワクチンの予約を開始しました。コロナワクチンも同時進行なので煩雑ですが、季節なので、準備していきます。情報によると、今年のインフルエンザワクチンは例年以上に品薄だとのことです。当然希望者全員には行き渡りません。当院でも、何本入ってくるかわかりませんが、先行予約を開始しました。体力のない方、高齢者、呼吸器の持病がある人などはお早めに予約をとってください。価格は据え置きです。コロナワクチンの3回目の問い合わせが時々ありますが、当面はないと思っています。医療従事者にはすると噂はありますが、定かではありません。アメリカのCDCの発表によると、アメリカでは医療従事者も含めて3回目の予定は無いとのことです。重篤な基礎疾患のある人だけ3回めを打つと言っています。私がこのニュースを見て感じたのは、3回打つことで得られるメリットよりも副反応などのデメリットが上回るという判断からだと思います。

    お年寄りの訪問診療を100名近くしていると、いつもニコニコ元気そうな人と、いつもあれこれ体調不良を訴えてうつ病みたいな人に別れます。そこで考えました。高齢者を2つの軸で4つのグループに分けます。一つは認知の軸(ボケた人、ボケていない人)、もう一つは健康の軸(元気な人、持病に悩む人)この2つの軸で4グループに分けると、1番目が<ボケていない>:<体調はよい>グループ。これは心配ないです。幸せな老後です。2番めが<ボケている>:<体調は良い>です。これは本人がボケたことに対して憂いがないなら幸せいっぱいです。問題は元気良すぎて徘徊したり迷子になって警察のお世話になるというもの。本人はともかく、家族が大変です。3番めに<ボケている>:<体調はよくない>です。このグループはとても多いのですが、病気がたとえガンであっても将来への憂いが少なく、体調は優れなくても苦しそうではありません。

    そして、4つ目のグループが<ボケてない>:<体調は良くない>です。これは最悪です。ちょっと食欲が落ちたり体重が下がっただけで、ガンかもしれない、と恐れ、不安でいっぱいになり眠れなくなったり血圧が上がったりします。老人ホームでは、ボケていないと、することがない、楽しくない、周りにいるお年寄りと自分を一緒にするな、病気が不安、将来が不安、とにかく不安や心配の塊です。そして、こういう人たちはいつ話しかけても眉間にシワを寄せているため、介護する側も暗い気持ちになり、あまり近寄りたくない。結果、お世話も行き届かなくます。かわいそうな老後です。私は、このようなお年寄りには抗うつ剤を積極的に投与します。鬱々とした気分が晴れて、不安も減ります。内科的治療だけではハッピーな老後にするのは難しいと思います。

  • パルスオキシメーターはきちんと理解して使おう

    酸素飽和度(SpO2)という検査があります。パルスオキシメーターという機械で測るのですが、コロナの影響で、低酸素を家庭でも感知できるように購入された方も多いかと思います。指に小さな機械をはめると、酸素飽和度と脈拍が数値で表示されます。このパルスオキシメーターは私が研修医の頃、世に登場しました。最初の機械は電話帳くらいの大きさでした。採血することなく酸素の具合を測れるとあって、とても衝撃的でした。

    酸素飽和度というのは血液中の赤血球の内部にヘモグロビンという物質があり、これが酸素と結合するのですが、何%が酸素と結合しているかという数値になります。一方、私たちが救急などの現場で重要視するのは酸素分圧(PaO2)という数値です。こちらが生命維持にとても大切な数値なのですが、採血しないとわからないため簡便な酸素飽和度(SpO2)で代用しているわけです。実は、酸素分圧と酸素飽和度は直線的な相関関係にはありません。グラフにすると曲線となります。その結果、パルスオキシメーターで見た酸素飽和度が95%と98%はさほど酸素分圧に差がないのですが、92%と95%ではものすごい差となります。どちらもわずか3%の差ですが、92%を切ったあたりから酸素分圧は急激に落ちていきます。私たちが指にパルスオキシメーターをはめて精一杯息こらえをしたとします。最初98%くらいだとして、30秒間一生懸命息をこらえても92%を切ることはあまりありません。つまり、92%以下というのは激しい低酸素状態だということです。(参考:https://knowledge.nurse-senka.jp/19377/

    今日、診察室での会話から気がついたのは、患者さんたちはパルスオキシメーターの測定原理も意味もわからず指にはめて数値を見ているということ。当たり前ですが、私たちプロからしたら、驚きでした。上にかいたような生理学の常識なしに数値を見ても解釈できません。それから、手が冷えているとちゃんと測れません。緊張したりして手が冷たくなる場合も測れなくなることがあります。それは、機械が壊れたわけでもなく、とんでもない低酸素の状態でもないので慌てないでください。まず、温かいお湯やおしぼりで手を温めて緊張せずにゆっくり測ってみてください。きちんと測れると思います。(参考:https://www.nurse-happylife.com/23676/