むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 漢方の勉強会

    漢方の勉強会が毎月あります。今月は世話人を頼まれていたので、水俣で漢方薬局を営まれているY先生をお招きして勉強会を行いました。

    Y先生はとても漢方に対する造詣が深く、ただの漢方薬局の先生ではないのです。北朝鮮まで人参の買い付けに行ったり、買ってきた生薬を自分のところで色々加工したり、なんでもできる先生です。古典を読んで理解し、それを実践してみる、トライアンドエラーの賜物と思います。もともと漢方というのは数千年前から人間が人体実験的にいろんな生薬の組み合わせを試してきて、有効性が確認できたことだけを当時貴重だった木を薄く削ったものを紙代わりにした本に記して後世に伝えてきたものなので、その有効性は既に実証済みなのです。もちろん副作用や安全性に関する情報も3000年の歴史の中でわかっています。

    このような漢方のことを勉強するには、どれだけ時間があっても足りません。日々勉強です。何千年分の歴史、先達の理論などを知り自分のものにすることは、仕事というより趣味に近いかもしれません。人生最後まで勉強だと思います。事実、漢方の勉強に来られている先生方を見ると、70歳、80歳を超えても勉強会に参加されています。西洋医学ではあまり見ない光景でしょう。漢方薬を扱うのはそれだけ面白く、やりがいがある仕事だと思います。

    IMG_0511

    写真はエキネシアという花ですが、アメリカの原住民の間では風邪に使うハーブ(薬草)です。今ではアメリカのドラッグストアに行くと、エキネシアという錠剤の風邪薬はどこででも手に入ります。

  • 在宅医療2

    先週に引き続き、Wクリニックの在宅部門に同行させていただきました。今回は、老人ホームやグループホームだけでなく個人宅にもお邪魔しました。個人宅ではもちろん介護職員がいるわけではないので、お年寄りの世話をするご家族がおられるのですが、やはり通院できない理由があるわけです。90歳代のおばあちゃんのお子さんが70歳代で持病のため車椅子だったりと、どこも大変です。だからこそ、在宅医療というサービスがあるわけです。

    在宅医療はクリニックだけで成り立つものではありません。訪問看護や訪問リハなど多職種が介入します。通院できない患者さんができるだけ自宅で不安ない生活を送れるようなサポート体制があるのです。

    しかし、こういった制度をどうしたら利用できるか、よく知られていません。大きな病院では、このような在宅の医療に対する理解が少ないですから、在宅医療に力を入れているクリニックに相談するのがいいでしょう。また、「ささえりあ」という熊本市の地域包括支援センターがお近くにあると思いますから、そちらで相談に乗ってもらえます。

    ある程度の歳になったら、健康相談ができるかかりつけ医を持ちましょう。気軽に話しやすいドクターでないと意味がありません。また、悩みをしっかり受けけ止めて聞いてもらえないといけません。人生のパートナーを選ぶつもりで、しっかりかかりつけ医を決めることをお勧めします。

    IMG_0508

  • 鍼の勉強会

    愛媛県から薬剤師兼鍼灸師さんが熊本に来ました。そこで、同僚の肩こりや腰痛をみんな集まって「私ならこうして治す」という実践勉強会をしました。

    集まったのは、その薬剤師兼鍼灸師さん、漢方を得意とする薬剤師さん、漢方を得意とする精神科ドクター、理学療法士(リハビリ)、そして私(漢方と鍼を実践する)。それぞれが、同じ患者さんを診察して、鍼治療の方法(どのツボに治療するかなど)をディスカッションしたり、リハビリからはストレッチ体操の方法を伝授。私は、鍼に整体の理論を組み合わせたハイブリッド東洋医学を披露しました。

    お互いプロとして、治療実績があるものの、同業者が同じ患者さんに対してどんな治療をするかなんて、めったに見る機会はありません。お互い良い刺激になり、とても勉強になりました。このような他職種カンファレンスは、ありそうでなかなかありません。特に、整形外科にかかっても治らなかったような症例が漢方や鍼に来ることが多いので、東洋医学で治せた時の喜びは大きいです。そして、医師、薬剤師、鍼灸師など職種の垣根を超えて同じような患者さんを治療するプロとしてお互いのことを尊重し、学び合う姿勢が素晴らしい。今後も貪欲にこのような勉強会を開いて、切磋琢磨したいと思います。

    thumb_IMG_0502_1024

  • ぬか漬けは健康の素

    ぬか漬けを再開して1週間ほど経ちますが、順調に育っています。育っているというのは変ですが、糠床は毎日かき混ぜてやらないといけないし、野菜から汁が出たり、塩加減が変わってきたりするので、じっくり育ててやらないといけないのです。

    そういう中、先日カブをたくさん買ってきたので、ぬか漬けにしてみたら、本当に美味しかったです。今シーズンはまだつけていませんが、ミョウガやオクラのぬか漬けも最高です。来週くらいには材料を揃えたいと思いますが、今週はまだきゅうり、人参、生姜などをつけています。

    ぬか漬けをしばらくつけていると、だんだん水っぽくなってきます。野菜から出てきた水分がたまってくるのです。そこで秘密兵器の登場です。米の精米機です。玄米を2分づきから白米まで好きな状態に精米できます。精米したての米も美味しいのですが、ぬかが出てくるので、これがぬか漬けに使えるのです。精米機から出たぬかはフライパンでいってから、糠床に足します。やはりぬかを自分でたそうと思えば、米は無農薬に限ります。ぬかの部分に農薬が付いているし、精米する米は洗っていませんから、これは必須です。

    thumb_IMG_0496_1024

    それにしても、かす(粕)とぬか(糠)という字が面白いですね。米の白い方は粕です。米の健康な方は糠です。みんな白い方を食べて、健康な方を捨てていませんか?ぬか漬けは健康の素なんです。

  • 有機野菜

    クリニックの近くに有機野菜の店「畑まるごとマーケット・有機生活」というのがあります。佐土原の一休温泉の隣です。有機野菜、無農薬、減農薬などこだわりの食材を扱っています。日常の食材をすべて無農薬や有機野菜にしようとするとかなり食費がかかり大変なので、時々立ち寄る程度ですが、興味はあります。

    無農薬や有機野菜が必ずしも他より美味しいわけではないと思うのですが、安全性を考えるとやっぱりいいんじゃないかと思ってしまいます。ほとんどが県産の食材なので、地元農家の応援にもなるでしょう。

    たまに行って買うのは昔ながらの製法で作った本物の醤油と無農薬で作った緑茶。醤油は最近の安いものは偽物です。材料を見ると、大豆の絞りカス(大豆油を絞った残り)を化学処理して、カラメルで醤油の色をつけた茶色い塩水でできているのです。アミノ酸や化学調味料が入っているので、その醤油の味に慣れたら本物の醤油より美味しいと思うかもしれませんが、それは私たちの味覚がおかしくなっている証拠です。醤油の材料のラベルを是非見てみてください。どうせ1本の醤油を高く買ったとしても何ヶ月も持つので、これはちゃんとしたものを使うべきでしょう。もし醤油が安物の偽物でなく、高かったらドバドバとかけるのをためらわれますから、自然と減塩されてそれだけでも健康にいいです。

    お茶は当然無農薬がいいでしょう。洗うわけにもいかないので、最初から農薬を使わず作ったものが手に入るのなら是非そうしたいと思っています。しかも美味しいのです。

    thumb_IMG_0495_1024