むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 有機野菜

    クリニックの近くに有機野菜の店「畑まるごとマーケット・有機生活」というのがあります。佐土原の一休温泉の隣です。有機野菜、無農薬、減農薬などこだわりの食材を扱っています。日常の食材をすべて無農薬や有機野菜にしようとするとかなり食費がかかり大変なので、時々立ち寄る程度ですが、興味はあります。

    無農薬や有機野菜が必ずしも他より美味しいわけではないと思うのですが、安全性を考えるとやっぱりいいんじゃないかと思ってしまいます。ほとんどが県産の食材なので、地元農家の応援にもなるでしょう。

    たまに行って買うのは昔ながらの製法で作った本物の醤油と無農薬で作った緑茶。醤油は最近の安いものは偽物です。材料を見ると、大豆の絞りカス(大豆油を絞った残り)を化学処理して、カラメルで醤油の色をつけた茶色い塩水でできているのです。アミノ酸や化学調味料が入っているので、その醤油の味に慣れたら本物の醤油より美味しいと思うかもしれませんが、それは私たちの味覚がおかしくなっている証拠です。醤油の材料のラベルを是非見てみてください。どうせ1本の醤油を高く買ったとしても何ヶ月も持つので、これはちゃんとしたものを使うべきでしょう。もし醤油が安物の偽物でなく、高かったらドバドバとかけるのをためらわれますから、自然と減塩されてそれだけでも健康にいいです。

    お茶は当然無農薬がいいでしょう。洗うわけにもいかないので、最初から農薬を使わず作ったものが手に入るのなら是非そうしたいと思っています。しかも美味しいのです。

    thumb_IMG_0495_1024

  • 男は8の倍数

    女は7の倍数、男は8の倍数。これは成長、老化の節目の年が男女で違っていることと、そのサイクルについて2000年以上も前に中国の古典「黄帝内経」に書かれているものです。

    私の場合を考えると

    8歳:小学校で楽しく育つ、

    16歳:中学生。高校受験。

    24歳:医学部を卒業し、血液内科で研修医。

    32歳:大学院で論文も完成し、アメリカ留学が決まる。33歳でテキサスへ出発。

    40歳:アメリカで十分仕事をしたと、満足して帰国。第2内科から循環器内科に転向し、専門医に向けて救急病院で忙しく過ごす。

    48歳:内科、循環器科、東洋医学などの認定医、専門医を取り、一通りの仕事に責任を持ってできるという自信ができた。開業を決意。

    と、今ここまで来たところで49歳です。次の8年間はクリニックが軌道に乗り、経営安定、仕事に充実、といきたいものです。

    タニタの体重計には体脂肪、骨量、内臓脂肪量、などとともに、体年齢が出ますが、私の体年齢はいつも34歳。ランニングのおかげです。

    実年齢−15歳です !!(^ ^)/(設定でこれ以上若い数字は出ないことになっています)ますます健康には気をつけて頑張ります。

    thumb_IMG_0494_1024

  • 植物性乳酸菌

    乳酸菌に動物性と植物性があるのをご存知でしょうか?動物性は言わずと知れたヨーグルトを作るときの乳酸菌です。牛乳の中に入れてやると半日くらいでヨーグルトができます。昔、カスピ海ヨーグルトがはやったときに、ヨーグルトをスプーン一杯あたらしい牛乳の中に入れてかき混ぜ、40度くらいで保温すると、また新しいカスピ海ヨーグルトができたので、毎日継ぎ足しながら作っては食べていました。これは、カスピ海ヨーグルトだけでなく、市販されているほとんどのヨーグルトで可能です。

    一方、植物性乳酸菌はぬか床にいる乳酸菌です。ぬか漬けをつけすぎると、酸っぱくなりますが、あれが乳酸です。ぬか床につけた野菜を発酵して乳酸を作ります。私は2年くらい前にぬか漬けにチャレンジして、毎日毎日ぬか床をかき混ぜてはきゅうり、人参、ナスなどをつけていました。今の季節はそういった野菜が豊富で、気温が高いので乳酸菌も元気に発酵して美味しいぬか漬けができます。冬になると発酵のスピードが落ちるので、つける時間は長くかかります。

    ぬか漬けをしていると、野菜の汁でぬか床が水浸しになってしまうことがありますが、この水をすくって牛乳や豆乳に入れて一晩保温すると、植物性乳酸菌で作ったヨーグルトができます。とても美味しいです。しかも、動物性より植物性の方が胃酸に強く、生きて腸まで届くらしいです。

    thumb_IMG_0497_1024

    2年前につけ始めたぬか床は雑菌が入って残念ながら廃棄しましたが、この夏、再びぬか漬けにチャレンジしています。今週から始めたぬか床は次第に元気に発酵してきて、美味しいぬか漬けができるようになってきました。塩分の取りすぎには注意が必要ですが、発酵食品は健康の元です。

  • 梅雨時の体調不良には五苓散

    今年は梅雨入りしてしばらくはいい天気が続いていたので、昼間は30度を超える暑さだった。日曜日は雨が一日降り続き、湿度も高く蒸し暑かった。体はまだこの暑さに慣れていないので、体調を壊す人も多い。

    梅雨時に体調を壊して病院を受診する人にはパターンがある。訴えとして多いのはめまい、ふらつき、片頭痛、下痢などだ。これらにはあまり関連性がないように見えるが、漢方的には共通点がある。すべて、痰飲、あるいは水毒というグループに入るのだ。これは、もともと水分過剰気味の体調の人に、外的な環境の湿気が悪影響を及ぼして体調を壊すのだ。天気が悪くなると頭が痛くなる、というのは関連性がわかりやすいので患者さん自身もそれに気づいていることが多い。しかし、めまい、ふらつきなどはまさか天気のせいだとは気付かない人が多い。

    thumb_IMG_0501_1024

    この時期は外の湿気が多いので、体の内側に湿気をためない工夫が必要だ。むやみに水分を摂りすぎない。特にビールのように冷えた水分をたくさん飲まないこと。漢方薬では五苓散(ごれいさん)という処方が体の余分な水分を取り除いてくれる。頭痛にも、めまいにも、下痢にも効く便利な処方だ。漢方外来ではもちろん、市販されているので、漢方を扱う薬局でも手に入る。梅雨時の体調管理に便利な薬だ。

    自分はといえば、この蒸し暑い日曜日、雨が上がったのを見計らって昼間に12kmほどランニング。汗は蒸発しないので滝のように流れる。月に数回面談にくる製薬メーカーの人からは、会うたびに日焼けして黒くなってますね、と言われた。

  • 鹿角霊芝(ろっかくれいし)

    鹿角霊芝(ろっかくれいし)という漢方薬がある。霊芝というのは「さるのこしかけ」ともいうので、そちらの方が馴染みがあるかもしれない。よく、がん患者さんがワラをもすがる思いで高いお金を出して買うイメージがある。

    この霊芝は最近は普通のキノコのようにおかクズで栽培できるらしい。先日の統合医療学会の後の懇親会でお会いした社長さんが、霊芝を栽培していると聞いた。鹿角(ろっかく)というのは読んで字のごとく鹿のツノという意味だが、鹿角霊芝は鹿の角に似た形の霊芝という意味だ。要は、椎茸にドンコがあるように霊芝には鹿角霊芝があるのだ。つまり、傘が開く前の若い霊芝のことで、有効成分も多く含まれているそうだ。

    その社長さんによると霊芝はがんだけでなく、肝疾患や腎疾患、糖尿病、水虫などの感染症などあらゆる疾患に効くと力説されていた。僕は漢方の専門家だが、霊芝のように高くて保険収載されていない生薬は扱ったことがないので全く知識がなかった。これを機に少し勉強してみよう。きっと患者さんの役に立つと思う。がん治療でなければ霊芝も少し使って薄く煎じて飲めばいいらしい。懇親会の場にいた別の病院関係者が、自分はその霊芝でB型肝炎が治りました、と言っていた。西洋薬にそんな薬はない。すごいことだ。

    そして、熊本の画図で栽培した鹿角霊芝で患者さんを救えるのなら、他の漢方が中国や北朝鮮からの輸入に頼っている現状の中で、地産地消の漢方として非常に今後期待されると思った。
    thumb_IMG_8054_1024