むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不定愁訴と漢方的考え方

    愁訴というのは患者さんの訴えのことで、咳が出るとか喉が痛いとか、そういう訴えのことです。それが2つ3つなら通常良くある話ですが、頭痛、めまい、汗が出る、動悸がする、足がむくむ、手足が冷える、だるい、朝起きられない・・・という訴えが一枚の問診用紙に書かれると、訴えが多すぎて大抵の医師は困ってしまい、不定愁訴(訴えが多彩)と言います。お手上げのことが多いと思います。

    なぜなら、めまいは耳鼻科、頭痛は神経内科、動悸は循環器内科という感じで、それぞれに専門家がいて、採血したりMRIを撮ったり、心電図をとったりして、やっと診断がつくものです。そういった訴えを一気に10個近くあげられると、自分一人の責任で診断(および除外診断:何々ではないと診断)するのは難しいのです。

    しかし、私たち総合内科や漢方内科を専門にしていると、そういった患者さんばかり朝から晩まで次々来られます。私たちは、このような訴え全てをまとめて考えます。採血や心電図くらいは必要ですが、全体的に「気の巡りが悪い」とか、「気が不足している」とか大雑把に把握することで治療方針を立てます。その方法で患者さんが治れば、細かい診断はあまりこだわりません。そういう考え方に納得いく人は東洋医学的な頭であり、どうしても診断にこだわる人は西洋医学的頭だと思います。