むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • いいプレゼンとは

    明日は漢方の講演会で発表します。漢方薬の使い方のコツを30分程度話す予定になっています。少しでもわかりやすく、聞いてためになる講演にしたいと思っています。ところで昨日、前立腺肥大の勉強会があり、参加してきました。前立腺肥大とは男性の加齢に伴う現象ですが、おしっこが近くなって夜に3回以上トイレに行く場合は前立腺肥大の可能性があります。こういう夜間頻尿は特に冬場に顕著になります。あまり何度も起きていると睡眠不足になります。当院でも、このような夜間頻尿に関しては治療を行っていますのでお気軽にご相談ください。女性の場合は前立腺肥大でなく過活動膀胱の可能性があります。こちらもいろいろ有効な薬剤があるので、困っているときは恥ずかしがらずにご相談ください。

    その、前立腺肥大の講演会での話ですが、司会がタレントの生島ヒロシさんでした。流石にプロでした。講演をした演者の先生に、ズバリ言っていました。「素晴らしい講演、ありがとうございました。でも、私にはさっぱりわかりませんでした」それはそうです。専門家向けのコアな勉強会なので、素人が聞いても全く歯ががたつはずないのです。しかし、生島さんは続けました。「いい講演というのは、難しいことはやさしく、やさしいことは面白く、面白いことは深く」話すことが大切です、と。深イイですね。

    私たちドクターがドクター向けに講演するときはカッコつけているわけではないのですが、意味なく英語のスライドにしてみたり、というのがしばしば見受けられます。こういう自己満足は避けて、いかにわかりやすくメッセージを使えるか、というのは日本ではあまり指導されないような気がします。私がアメリカで医学部の学生に講義をしていたときは、講義の前日にプレゼンの予行練習をさせられて、スライドの作りがわかりにくいとか、話の展開をこのようにしたほうがいいとか、プレゼンの専門家からあれこれアドバイスをもらいました。このように、プレゼンのアドバイスを専門とする職員がいるのはアメリカらしいです。それにしても、生島さんのコメントは素晴らしかったです。

    桜十字病院のロビーにて

  • WindowsとOffice

    クリニックのあらゆるパソコンはマックです。電子カルテその他、全体がマックですので、必然的に自宅でもアップルのMacBookAirとiPad、iPodなどをいくつも使っています。それなのに私はWindowsも大好きです。なぜか、職場の医局に置いているノートパソコンだけはWindowsを使っています。マックを使い続けると、それに慣れてしまって、Windowsは使いにくいとか、フォントがきれいでないとか、いろんな不満が出てくるのですが、逆にどうしてもWindowsでないと困ることもあります。

    学会のスライドなどは大半がWindowsとマイクロソフトのパワーポイントを使うので、マックで作ったスライドを失敗なく映すには注意が必要です。最近はマック用のパワーポイントがあるので、ほとんど文字化けしたりはなくなりました。そんな中、先日の東洋医学会を主催するにあたり、やはりプロジェクターとの相性などもあってマックはうまくいかなかったらどうしようという心配がありました。自分がいち発表者ならなんてことないのですが、主催者ともなれば、全員分のスライドが滞りなく映って当たり前の世界です。失敗は許されません。

    そこで、うちの近所の中古パソコン屋さんに行ってパナソニックのLetsNoteというビジネス界では定番のノートパソコンを買いました。Core i5というCPUですからスペックは十分。3万5千円でした。WPSというオフィスと「ほぼ」互換性のあるソフトをタダでつけてくれたので、うちに帰って発表者からいただいたスライドを映してみたら、全く文字化けもなく問題ありませんでした。いやーWindowsは安いし、いろんなソフトがあっていいもんだ、と、久々にWindows愛です。

    ホスピタルメントさくら西館にて

  • スキレットと鉄製の中華鍋

    鉄製のスキレットはIHコンロでも十分火力が強く、美味しい料理ができます。日頃テフロン鍋でしか料理したことない人が使うと、びっくりすると思います。コンロの火力が問題なのではなく、鍋がテフロンだと熱くならない(だから焦げ付かない)ので、料理をしても時間がかかるし、野菜炒めなどをしたら汁が出てしまいます。これをスキレットですると、ジューと焼けてカラッと仕上がります。そして、不思議なことにちゃんと手入れしていると、ほとんど焦げ付きません。手入れといっても、料理が終わったらすぐにお湯で洗い、乾かすだけです。普通は鍋の持つ余熱で乾いてしまいます。大事なのは洗うときに洗剤を使わないことです。できれば乾かすついでに薄く油を塗っておくと完璧です。買って1−2ヶ月もすれば、こげつかなくなります。

    そういうわけで私はほとんど毎日の料理をスキレットでやっているのですが、昨日講演をしていただいた先生によると、鉄製の中華鍋、最高〜!だそうです。理由はスキレットと同じですが、中華鍋の方がさらにカラッとパリッと手早く料理できます。テフロン加工がしてあっては全然ダメです。

    そして、そういった中華鍋で何を作って食べるべきかというと、大量の野菜を使った野菜炒めだそうです。中華鍋で炒めると野菜は小さくなるので量がたくさん食べられます。炒めずに生でサラダにしたり、スープの具にして食べると、案外野菜はたくさん食べられません。先生いわく炒めたら5倍たくさん野菜が摂れます、とのことでした。納得です。

    泉が丘小学校校門

  • 東洋医学会熊本県部会

    日本東洋医学会熊本県部会という勉強会が年に一度あります。今年から私が会の会長を引き継いだ関係から、日程の決定、講演して頂く先生の交渉など色々とありましたが、本日無事に会が開催されました。今回は熊本赤十字病院の徳永先生、加島先生ならびに福岡の三宅先生に講演をお願いしました。みんな日本漢方(古方)でなく中医学が専門の先生方です。古方は理論よりも経験的な治療を重視し、中医学は理論(理屈)を重視した傾向にあります。勉強するには中医がわかりやすいですが、臨床をするには日本の古方も大変参考になります。私も中医学をメインでやっていますが、1−2割は古方の考え方を取り入れています。

    今回、特別講演をいただいた三宅先生からは、皮膚科疾患の漢方治療について教えていただきました。漢方薬の理論もさることながら、生活習慣、食習慣を正すことがいかに大切かという講演でした。甘いものやアイスクリームのような冷たいものばかり食べてアトピーなど難治性皮膚疾患になっている人はまず食事を治しましょう。また、ストレスなどで症状が悪化している場合、睡眠をしっかりとりましょう。そういうお話でした。

    特に女性の睡眠不足は深刻です。遅く帰宅するご主人を待って起きていて、ご主人に晩御飯を温め、お風呂の世話をして、後片付けして、とやっていると、必然的に睡眠不足になります。子育て中のママも同様です。睡眠が足りないと、自然とホルモンバランスもおかしくなり、疲労も蓄積して気がついたら相当体調が悪くなってしまうとのこと。睡眠はおろそかにできません。

  • 東洋医学会専門医

    私は東洋医学会の漢方専門医ですが、今年は更新の年です。通常、内科学会などの専門医は東京である総会に毎年参加するだけで更新できますが、東洋医学会は違います。更新するために50症例の報告書を書かないといけません。例えば、20歳男性、インフルエンザで麻黄湯7.5gを3日間使用した。麻黄湯を選んだ理由は・・・、という感じです。これまでなんども専門医の更新をしてきました。だいたい半年以上かけて症例をピックアップして報告書を書いていました。

    開業してからというもの、毎日毎日いろんな患者さんに漢方薬を使っています。症例を集めようと思ったら、3日ぶんくらいで更新に必要な症例が集まりました。あとはひたすら文献的考察を調べながらレポートを書くだけです。本日も、土曜日だけあって、県外からも漢方の相談に来られました。既に色々な病院であらゆる処方を試してイマイチだったというつわものです。こちらも、自ずと処方に慎重になります。

    これまでに診た先生たちが使っていない処方で、何か患者さんの病態を見逃していないかを考えます。通常は1−2週間ごとに薬の効き具合を確認して、病態把握、治療方針決定、処方、検証という、会社でいうならPDCAサイクル(プラン、ドゥ、チェック、アクション)の繰り返しを行うのですが、遠方から来られているとそのサイクルが回りませんから、一発でベストショットを狙います。思い通りに効いてくれ、と願うばかりです。