むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬物乱用性頭痛

    薬物乱用性頭痛と聞くと、なにか覚せい剤か麻薬のようなものを想像するかもしれません。じつは、どこにでもある鎮痛剤の乱用で頭痛が起こることを指します。

    頭痛の患者さんが、頭痛を治療するためにロキソニンや市販の頭痛薬などの鎮痛剤を飲みます。すると、いったんは頭痛が治まりますが、しばらくするとまた痛くなります。そしてまた頭痛薬を飲みます。そうしているうちに、鎮痛剤が原因となり、頭痛が起こるという悪循環に陥るのです。たいていの人は、鎮痛剤が胃に悪いというのは知っていますが、鎮痛剤を飲んで頭痛が起こるなんて、想像だにしないでしょう。長期にわたり1日に2-3回の鎮痛剤を飲んでいる人は、薬物乱用性頭痛を疑ったほうがいいかもしれません。

    このような薬物乱用性頭痛に対して、私のクリニックでは漢方薬を使っています。漢方を使うことで、頭痛が起こりにくくなるため、鎮痛剤を減らすことができます。頭痛が起こってしまった場合も、鎮痛剤でなく、頭痛を抑える漢方をまず試してもらいます。そうこうしているうちに、鎮痛薬による頭痛という悪循環が断ち切れるのです。最初の1-2ヶ月はいつもの鎮痛剤を使ってもいいと言いますが、次第に鎮痛剤を使うこともなくなってきます。鎮痛剤は胃潰瘍だけでなく、腎臓の機能を低下させたり、いろいろな副作用があります。飲み過ぎているかも、と思ったら、はやめにその悪循環から抜け出しましょう。