むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 受験とマラソンは似ている

    やっと初詣に行ってきました。正月は2日に健軍神社まで行ったのですが、すごい人の列でとても並んでいられなかったので、お賽銭も上げずに横からそっと今年もよろしくお願いしますと心の中で拝んで帰りました。しかし、この週末はセンター試験もあり、受験生の親としてはやはり神頼みをしておかないと落ち着きません。土曜日の夜に歩いて龍田の三宮神社までお参りに行ってきました。往復2時間半かかりました。昔はほぼ毎日のようにここまでランニングしていたのですが、最近はもっぱらウォーキングです。歩いていると、道沿いにあるファミレスなどの様子が気になります。お客さんがたくさんいるところ、ぜんぜん入っていないところいろいろです。そういうのをみると、ここはどうしてお客さんが多いのだろうとか、立地がいいのか、ブランドがいいのか、サービスがいいのか、はやっている理由をあれこれ考えてしまいます。一方クリニックの場合、広告は厳しく規制されているので口コミだけがたよりです。一度来院していただいた患者さんにまた来ていただけるように、患者さんの満足度を常に考えます。

    話は変わって、もうすぐ熊本城マラソンですね。その前にということで、明日の日曜には運動公園で30Kランのイベントがあるようです。当院にこられる患者さんにはランナーがたくさんいます。皆さん、トレーニングで筋肉痛になったり、貧血になったりして受診されています。当院は整形外科はありませんが、整形外科で使う電気治療ができます。また、私が針治療もしていますので、スポーツ外傷も針と漢方で対応しています。もし、熊本城マラソンの本番前にコンディションを整えておきたいという方は、ぜひご相談ください。

    思えば、受験もマラソンも似たようなものです。本番はたった一日ですが、その日に向けてつらい練習(勉強)を日々続けないといけません。それをつらいとは思わず、将来の輝く自分の姿を想像しながら一年を過ごすわけです。最後の最後は本番に向けてのコンディション作りです。風邪を引かないように、プレッシャーに負けないように、本番で持てる力のベストを発揮できるよう自己管理することが大切です。

    先日の雪で南天が雪化粧。既に全部とけてしまいました。

  • カウンセリングについて

    当院では、開業当初からの方針として心療内科の患者さんの初診は予約なしでも当日に診ることを貫いてきています。これは、ほかの心療内科のクリニックがどこもいっぱいで1ヶ月待ちなどざらになっている状況で、今困っている患者さんの救いになりたいという思いからやっています。すると、当然というか毎日いろんな心の悩みを抱えた患者さんがたくさんこられます。当院は循環器内科も標榜しており、血圧、糖尿など通常の内科疾患の患者さんも多数こられますので、心療内科にあまり時間を取ってしまうと血圧などの患者さんの待ち時間が増えてしまいます。現在のところ、内科患者さんも心療内科患者さんも分けることなくこられた順番で診察していますが、これ以上心療内科の新患で長時間の診察時間を確保するのは難しい状況です。

    何とか、今困っている患者さんに楽になってもらいたいという願いはあるので、今後も心療内科の新患を受けては行きますが、診察順番を血圧や風邪の患者さんの後にまわっていただく可能性があることをご了承ください。後になるほうがじっくりお話を伺えます。それから、薬はいいからカウンセリングを受けてみたい、と来院される患者さんがおられますが、当院ではカウンセリングだけの診療は致しません。じっくりカウンセリングをする時間は取れませんので、そういう場合は精神科の病院に予約をされるようお願いします。

    それでは、カウンセリングをまったくしないかといえば、そうではありません。わずか数分の診察時間でも、真剣勝負でお話しています。雑談のように聞こえても、実際はそれがカウンセリングです。基本は薬の処方で治療するわけですが、そこにいたる過程での会話は悩める皆さんの生きるヒントをお話しするよう考えています。わずか数分の会話ですから一言ひとことに癒しのパワーをこめています。その私の話をきちんと聞いてもらうために、看護師には診察中に横で雑談しないように厳しく言っています。

  • 症状確定

    今日は雪が積もって銀世界でした。クリニック周辺は少し標高が高いので、自宅のある付近よりたくさん雪が積もっていました。こう寒いと,風邪の患者さんもたくさん来院されます。こんどの週末はセンター試験とのことで、受験生をお持ちの家庭ではぴりぴりしています。この大事なときにインフルエンザにかかるなんて一大事、という感じです。あわてて病院でインフルエンザの検査をしてみると、タイミングがはやすぎて陰性と出る可能性があります。その場合、1)通常の風邪薬をもらって帰る、2)翌日もう一度検査をしに病院へ行く、という選択がありますが、センター試験まであと2日となると、そんな悠長なことはやっていられません。

    わたしたちクリニックで毎日何十人もの風邪の患者さんを見ている立場からすると、インフルエンザの検査キットを100%信用するのは間違いです。状況(家族にインフルエンザ確定がいるなど)と所見(のどの腫れ具合や熱の出かた、倦怠感の度合いなど)を総合的に考えれば、インフルエンザには一定のパタンがありますから、検査結果が怪しい場合は「症状確定」として、検査結果はともかく、臨床的にはインフルエンザの可能性が高いと診断し、インフルエンザの薬を処方します。翌日きつい体で検査に来てもらうのは決して利益にならないし、そのぶん治療開始が遅れます。また、ほかの患者さんにうつしてしまう可能性もあるからです。

    当院では、6つの老人施設を訪問診療していますが、幸いなことに今のところどこもインフルエンザの集団発生はしていません。高齢の場合、体力(免疫)がおちていてインフルエンザで命を落とす場合もあります。最大限の注意が必要です。板藍根(ばんらんこん)という漢方も風邪予防に有効ですし、霊芝も有効です。ビタミンCも多めにとれば風邪の予防になりますので何か対策をしてはいかがでしょうか?

    クリニックから見た風景です

  • ペットの餌と自分の食事

    寒い一日でした。夕方にはみぞれやあられがどんどん降って積もりましたが、気温が零下でなかったためすぐに溶けてしまいました。夜うちの犬の散歩をしたときは、しゃりしゃりとシャーベット状の路面上でお腹をベチャベチャに濡らしながら楽しそうに歩いていました。明日、雪が積もったりしなければいいのですが、相当な寒波らしいので、早起きして備えが必要です。

    そういう犬の話で思い出したのですが、ペットを初めて買い始めたときに、餌としてやっていいもの、やってはいけないものというのがあり、勉強しました。犬の場合、玉ねぎやチョコレートがダメとか、鶏の骨は気をつけろとか、そういう話です。結局、ペットフードは完全食だから、それだけを一生与えていれば健康で長生き、ねこまんま(ご飯に味噌汁をかけたもの)なんてあげるとすぐに病気になるからやめるように、と本に書いてあります。そんな一生はかわいそうだと思いつつ、安くて健康(と言われる)ペットフードに頼りっきりです。

    一方私たちの食事はどうでしょう。甘いものあり、揚げ物あり、食べ放題・飲み放題でカロリーの過剰摂取、アルコールの多飲、とやりたい放題です。間違いなくペットより健康に良くないです。わかっているけどやめられない、本当に人間は弱いですね。

    ホスピタルメントにて

     

  • 高インスリンは肥満の原因

    インスリンというのは糖尿病治療薬でもありますが、通常は私たちの膵臓から分泌される血糖を下げるホルモンです。甘いものや炭水化物を食べると血糖が上がり、その結果インスリンが出てきて糖が肝臓や筋肉に取り込まれて下がるように制御します。このように、インスリンは血液中の糖濃度を一定に保つために大切なホルモンなのですが、それ以外の働きがあります。「脂肪の合成促進と分解抑制」です。つまり、高インスリン血症は肥満の原因と考えられるわけです。

    糖尿病の人の血液を調べると、高インスリンの人と低インスリンの人がいます。不思議なことに、高インスリンなのに血糖が高い(=糖尿病)のです。これは、インスリン感受性が悪いために体がどんなにインスリンを作っても身体が反応せず高インスリンで高血糖という状態になるのです。こういう高インスリンの人は太っていることが多いのですが、糖尿病治療薬の中にもインスリン分泌を高めるものが多く、ほとんどは治療するうちに太ってきます。注射のインスリンも同じです。一方、ビグアナイド(メトホルミン)とSGLT2阻害剤はインスリンを増やさずに糖尿を治療する優れた薬剤です。

    糖尿病でない人も、高インスリン状態を続けていくと当然太ってきます。したがって、太らないためには血糖をあげないこと、インスリンを上げないことが大切です。これすなわち糖質制限です。脂質制限よりも大切です。