むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 高インスリンは肥満の原因

    インスリンというのは糖尿病治療薬でもありますが、通常は私たちの膵臓から分泌される血糖を下げるホルモンです。甘いものや炭水化物を食べると血糖が上がり、その結果インスリンが出てきて糖が肝臓や筋肉に取り込まれて下がるように制御します。このように、インスリンは血液中の糖濃度を一定に保つために大切なホルモンなのですが、それ以外の働きがあります。「脂肪の合成促進と分解抑制」です。つまり、高インスリン血症は肥満の原因と考えられるわけです。

    糖尿病の人の血液を調べると、高インスリンの人と低インスリンの人がいます。不思議なことに、高インスリンなのに血糖が高い(=糖尿病)のです。これは、インスリン感受性が悪いために体がどんなにインスリンを作っても身体が反応せず高インスリンで高血糖という状態になるのです。こういう高インスリンの人は太っていることが多いのですが、糖尿病治療薬の中にもインスリン分泌を高めるものが多く、ほとんどは治療するうちに太ってきます。注射のインスリンも同じです。一方、ビグアナイド(メトホルミン)とSGLT2阻害剤はインスリンを増やさずに糖尿を治療する優れた薬剤です。

    糖尿病でない人も、高インスリン状態を続けていくと当然太ってきます。したがって、太らないためには血糖をあげないこと、インスリンを上げないことが大切です。これすなわち糖質制限です。脂質制限よりも大切です。