むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経を整える方法

    朝いつものように歩いて通勤していたら、クリニック近くの交差点にはいつものように高校の先生が立って交通整理をしていました。しかし、今日は様子が違いました。以前私はこちらのブログに書いたのですが、高校の先生が生徒が道を横断する際に止まれの横断旗で車を止めてやってさあどんどん渡れ渡れ、と声をかけるのはおかしい、高校生なのだから、自分で止まって左右確認して道路を渡るのが基本で、先生の仕事はその安全確認ができていない生徒の指導であって、手旗信号をすることではない、と前々から思っていました。なんと,今朝の先生たちは、手旗をつかわず、生徒たちに安全確認をするよう促していました。私のブロブを読んでくれたのかどうかわかりませんが、先生が教育というものを考えてくれたことに感謝です。日本が発展途上国を支援する際も食料を送るのではなく農業や漁業の指導をして自分たちで穀物を育てたり、魚をとることができるようにすることが大事だといいます。交通整理もまさにこういう感じです。

    さて、5月の連休も終わり、仕事は平常に戻ってきました。むちゃくちゃ混雑していた先週までとは違って、待ち時間は解消していますが、だんだん5月病の方が増えてきました。今までずっと調子良かったのに、今月になって調子悪いという人がずいぶん増えています。仕事や家庭での環境の変化などがストレスとなって、体調を崩した感じです。

    自律神経の不調をきたしてめまい、ふらつき、不眠、頭痛、などなど多彩な症状を呈している患者さんが何人も来院されましたが、自律神経を正常化するためにやってほしいことがあります。それは、きちんと定時に寝て、朝はきちんと定時に起きる。そして、3食きちんと食べることです。食事の時間も一定にしたほうがいいです。自律神経は食事と睡眠のリズムが悪いと整いません。理屈は簡単ですが、きちんとしようとすると結構難しいものです。

  • 机上の空論にご注意

    昨日から作り始めた干ししめじ。からからに乾燥して小さくなりました。試しにそれでダシをとって味噌汁を作ってみました。干す前より味が濃くて美味しかったです。今度は舞茸を干してみたいと思います。今日はためしてガッテンで血圧の話だったので、これは見ておかないと、と思ってみましたが、大した話はありませんでした。最近はどのチャンネルを回しても健康番組をやっているので、ネタが尽きたのかもしれません。お酒を飲むと血管が拡張して血圧がさがると言っていました。アルコールが血管拡張作用のあることは素人でも知っています。顔が赤くなるのは血管が開いたからです。しかし、喜んでお酒を飲むのはどうかと思います。

    薬理や生理学のテキストではお酒は血圧を下げるというのは常識的に正しいことです。一方、臨床に目を向けてみたらそれは正しいでしょうか?高血圧患者さんに飲むのが好きな人はたくさんいます。二日酔いするほど飲んでも血圧は下がりません。アルコールの薬理と臨床の現場では乖離があるのです。医学とは大抵がこんなものです。やってみるまで結論はわかりません。机上の空論には注意が必要です。

    もう一つガッテンで言っていたのが、握力の筋トレみたいにニギニギと手でタオルのようなものを握る運動で血流が改善するということです。これは血管年齢を若返らせる働きが証明されているので、嘘ではないようです。しかし、ここに潜んでいる落とし穴は、タオル握り運動をして血管年齢が下がれば、本当に心疾患イベント(心筋梗塞や狭心症)が予防できて長生きにつながるのでしょうか?その証明はまだされていないのです。私はこんなに簡単な運動では心疾患は予防できないのではないかと思っています。全身運動(早歩きなど)のほうが優れていると思います。

     

  • 逆流性食道炎はまず猫背を直せ

    関東は大雨のニュースですが、九州は雨が上がってカラッとした晴天に恵まれました。この晴天は今週いっぱい続きそうなので、日光を利用してなにかしようと思い、冷蔵庫にあったしめじを干してみました。1パック分をバラバラにしてザルに広げて日向のベランダに置いておきました。仕事から帰って見ると、カラカラ出来上がりの3割手前くらいの出来です。あと一日干しておくと完全に仕上がりそうです。夜露に当たらないようざるを台所に入れたら、台所がしめじのいい香りでいっぱいです。干すと香りが高くなるだけでなく、ビタミンDも増えます。しいたけ以外にもきのこは干すと美味しくなるようです。保存も効くので、今週は絶好のきのこ乾燥日和です。

    夕方、健康番組を見ていたら座り方の話をしていました。日本人の椅子に座る時間は世界一だそうです。デスクワークが長いという意味だと思いますが家にいてもご飯やテレビ、ネットサーフィンをしながらいつも腰掛けています。逆に言うと日本人より座っている時間の短い外国のひとはどうやって一日を過ごしているのでしょう?座っていないということは立っているか寝ているかですよね。我々日本人からするとよくわかりません。

    座る時間が長いと肩こり、首こり、腰痛などの原因となります。足の筋肉も落ちてしまいます。今日の番組では座り方により逆流性食道炎も起こると言っていました。ちょうど私は今日の外来で患者さんにそのことを説明したところでした。猫背になると、胃と食道の境目の筋肉が緩んでしまいますから胃酸が食道へ逆流しやすくなります。食事をするときは背筋を伸ばしてエレガントに食べるのが逆食防止のコツです。

  • バイアグラにはジェネリックがあります

    天気予報では朝50,午後20%だったので、朝ふらなければ大丈夫と思っていたら、午後から結構な雨になりました。おかげで帰宅する際は傘をさしても意味がないくらいの風雨で家につく頃はズボンがびしょ濡れになりました。往診用の車があったので、それに乗って帰ればよかったのですが、帰りは濡れても特に困らないし、寒くないので楽しさ半分で歩いて帰りました。

    今日は仕事の面で2つ進歩がありました。訪問診療をしている患者さんからは、月に一度診察代を振り込んでもらっていたのですが、この度肥後銀行と契約して自動引落の準備が整いました。ご高齢の患者さんは自分で病院に来れないから訪問診療になっているわけで、銀行に振り込みに行くのも難しいのは自明のことです。自動引落にすれば便利だとは思っていたものの、一体どうすればそれができるのかがわかりませんでした。4月の法人化も終了して、クリニックの銀行口座が新たに法人口座となったことから、自動引落の機は熟したと判断し、銀行で手続きをしました。これから訪問の契約をいただく患者さんだけでなく、すでに訪問している患者さんも順次自動引き落としの手続きをしていきたいと思います。振込手数料もこれまで患者さんにご負担いただいていましたが、今後は当院負担とします。

    もう一つ、新たな展開がありました。バイアグラのジェネリック(同成分で後発メーカーの作った安い製品)があるのですが、これまで当院では扱っていませんでした。自費(保険が効かない)となるために処方の仕方とか値段の設定など面倒なことが多くあえて避けていました。この度、かかりつけの患者さんからのリクエストもあり、ついに取り扱うことにしました。外国のあやしい品物を個人輸入したりしている方も多いですが、危険です。日本製のジェネリックが手に入りますので、よくわからない品物には手を出さないようにしましょう。

     

     

  • 風邪は薬では治らない

    日曜は小雨が降ったりやんだりしましたが、近所の中学校では運動会が無事開催されたようです。朝6時頃は結構降っていたのに開催を決定したのは勇気がいりますね。大人のマラソン大会だと雨で中止ということはまずありませんが、小中学生が相手だと、さすがに濡れてでもやろうとは言えません。

    雨に濡れるとなぜ風邪をひくのでしょうか?風邪はウイルス感染なのでどこからかウイルスが入ってこない限り感染しません。ウイルスは雨の中にいるわけではありませんが、きっとどこにでもいるのでしょう。風邪はウイルスの侵入と体力(免疫力)の駆け引きです。体力が劣ると風邪を引きます。ということは、雨に濡れると体力(免疫力)が落ちるということだと思います。そう考えると、濡れると体温が下がることが問題となります。体温は高いほうがウイルスに対して抵抗力が上がります。通常風邪をひくと熱が出るのは、防衛反応の結果です。解熱剤で熱を下げてしまうと免疫力が下がって風邪が長引くことが知られています。

    昔は氷枕や濡れタオルを額に乗せる程度でひたすら寝て治す事が多かったのですが、今ではすぐかぜ薬を飲みます。風邪薬には解熱剤が入っているため一旦熱が下がって気持ちよくなるのですが治ったわけではありません。早めに風邪薬を飲めば治るというのはうそです。薬屋さんの宣伝文句であって、医学的にはそんなことは絶対にありません。しかし、風邪で病院にかかる人の多くは明日どうしても休めないのでなんとかしてくれといいます。多少薬でなんとかすることはできますが、結果的に風邪は長引きます。世の中そんなに甘くはありません。