むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 机上の空論にご注意

    昨日から作り始めた干ししめじ。からからに乾燥して小さくなりました。試しにそれでダシをとって味噌汁を作ってみました。干す前より味が濃くて美味しかったです。今度は舞茸を干してみたいと思います。今日はためしてガッテンで血圧の話だったので、これは見ておかないと、と思ってみましたが、大した話はありませんでした。最近はどのチャンネルを回しても健康番組をやっているので、ネタが尽きたのかもしれません。お酒を飲むと血管が拡張して血圧がさがると言っていました。アルコールが血管拡張作用のあることは素人でも知っています。顔が赤くなるのは血管が開いたからです。しかし、喜んでお酒を飲むのはどうかと思います。

    薬理や生理学のテキストではお酒は血圧を下げるというのは常識的に正しいことです。一方、臨床に目を向けてみたらそれは正しいでしょうか?高血圧患者さんに飲むのが好きな人はたくさんいます。二日酔いするほど飲んでも血圧は下がりません。アルコールの薬理と臨床の現場では乖離があるのです。医学とは大抵がこんなものです。やってみるまで結論はわかりません。机上の空論には注意が必要です。

    もう一つガッテンで言っていたのが、握力の筋トレみたいにニギニギと手でタオルのようなものを握る運動で血流が改善するということです。これは血管年齢を若返らせる働きが証明されているので、嘘ではないようです。しかし、ここに潜んでいる落とし穴は、タオル握り運動をして血管年齢が下がれば、本当に心疾患イベント(心筋梗塞や狭心症)が予防できて長生きにつながるのでしょうか?その証明はまだされていないのです。私はこんなに簡単な運動では心疾患は予防できないのではないかと思っています。全身運動(早歩きなど)のほうが優れていると思います。