むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 治療法は絶えず進化する

    ある疾患を治すときに、教科書的にはAという薬剤が有効であるとわかっているとします。しかし、A薬は少し副作用があって使いにくい。かわりにBという薬もあるが、効果はAにはかなわないとします。ただ、副作用がAより少ない。そういうときにどのように薬剤を選択するか、その実践に関してはどこにも定説はありません。そこで、日々研究です。副作用には目をつぶっても効果の高いAを処方すべきか、Aを処方して患者さんが副作用で飲めなかったら治療に失敗するが、その確率は何割くらいか、色々考えます。患者さんごとにA薬で行けそうか、無理そうか考えます。

    そして、さらに組み合わせも考えると、Aを通常の半分量にして副作用が出にくくしつつ、Bを併用する。いいアイディアです。別のストラテジー(戦略法)は、しばらく副作用の少ないB薬で治療して、ちょっと状態を落ち着かせてからおもむろにBをAに変える方法。これもいいアイディアです。しかし、治療ガイドラインやマニュアルにはそのようなさじ加減は書いてありません。画一的な治療のみです。

    しかし、私は、このガイドラインを金科玉条のように取り扱う風潮に疑問を感じています。そして、ガイドライン通り一辺倒の治療でなく、患者さんごとに最も効果的で副作用の少ない治療法を模索しています。使う薬の種類もたくさんあるのでその組み合わせを考えると治療法は無限大です。日々進化しています。

    2月22日 気温22度 湿度33% 何となく撮影