むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 足のつりには芍薬甘草湯と言いますが

    いよいよ熊本城マラソンです。今年は天気にもめぐまれ、最高のマラソン日和です。ランナーの皆さん、練習の成果を存分に発揮してください。走るときには足がつりやすいですが、ご存知のように芍薬甘草湯という漢方薬がとても良く効きます。走る前に飲んでおいて、もちろん走るときにもウエストポーチにいくつか持って走ります。給水所ではアミノ酸サプリ、糖分補給とともに芍薬甘草湯です。以前私が熊本城マラソンに出たときに、びっくりしたのはウエストポーチにおにぎりなどの弁当持参の人を目撃したことです。普通、沿道から供給される果物や飴玉などを食べながら走るのですが、弁当持参とは恐れ入りました。

    芍薬甘草湯はマラソンのような運動で足がつるときだけの処方ではありません。年をとると不思議なもので寝ていても足がつることがあります。その際には寝る前に芍薬甘草湯を飲んでおけばバッチリ予防できます。その他、胃腸炎でお腹がいたいときなどにもよく効きます。

    芍薬甘草湯は子供でものめる甘い漢方で、とても良く効くので重宝します。しかし、長期に飲むと血圧が上がったり足がむくんだりする副作用が知られています。そのような副作用を避けるために私は長期投与する患者さんの場合芍薬甘草湯は使いません。代わりに十全大補湯を使います。十全大補湯は足のつりだけを治すのではなく、足がつりやすい体質そのものをじっくり治してくれます。漢方では本治といって、根本治療を意味します。